6月の注目映画は、英国王室&西部劇!

英国王のスピーチ ほか【渡辺祥子のシネマ温故知新】

6月9日(土)[BSプレミアム]後2:30 ほか

プレミアムシネマ6月の注目作品

今年の5月には英国でロイヤル・ウエディングがあり、世界の注目が英国王室に集まった。あれから間もない時期の6月9日に放送される『英国王のスピーチ』(2010)は、現在の英国王エリザベス2世の父王ジョージ6世をコリン・ファースが演じて製作された。第83回アカデミー賞では作品賞、トム・フーパーの監督賞、コリン・ファースの主演男優賞、デビッド・サイドラーの脚本賞など4部門を受賞。サイドラーはこの部門では史上最年長の73歳で初受賞だった。
オスカー像を女性初の監督賞受賞者キャスリン・ビグローから渡されたフーパー監督は「舞台劇になる前の『英国王のスピーチ』の朗読会を見た母が、これこそ息子の次回作と言ってきて映画が生まれました。皆さん、母親の言うことは聞くものです」とスピーチした。

映画は兄のエドワード8世がシンプソン夫人との恋を選んで王座を去り、そのせいで心ならずも国王になってしまった、というきつ音の国王ジョージ6世のしゃべるための苦労と、彼がしゃべるために手を貸す訓練士との間に生まれる友情を描く。この『英国王のスピーチ』を見て、彼がきつ音克服のための苦労をした誠実で聡明な国王だった、ということを知ったうえで見るとより興味深く楽しめるのが最近公開の2本のチャーチル映画だ。チャーチル役をゲイリー・オールドマンが演じてアカデミー主演男優賞を受賞した『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2017)と、チャーチルをブライアン・コックスが演じてこれから公開される『チャーチル ノルマンディーの決断』(2017)、という2本。どちらにも、ジョージ6世がお忍びでチャーチル邸を訪問、頑固で傲慢な英国首相ウィンストン・チャーチルの説得に当たるシーンがある。登場シーンは短いのだが、それぞれに大きな意味のある訪問で、ジョージ6世の魅力を物語っている。

【放送日時】
プレミアムシネマ「英国王のスピーチ」
6月9日(土)[BSプレミアム]後2:30~4:29

さて、『王様』のあとは近年めっきり減ってしまった西部劇の数々をお楽しみに。
6月はアメリカの西部開拓史上に名高い決斗を描いたアクション西部劇『OK牧場の決斗』(1957)を始まりにして、さまざまなタイプの西部劇全5作が集合した。製作の順でいくと、61年『荒野のガンマン』(劇場公開時のタイトルは『ワイルド・リベンジ/復讐の荒野』)はスローモーションを駆使したバイオレンス・シーンなどで鮮烈な映像を生み出したサム・ペキンパー監督の劇場映画デビュー作。67年『ウィル・ペニー』は盛りを過ぎた一人のカウボーイが知る人生の悲哀をチャールトン・ヘストンが演じた西部ドラマ。69年『勇気ある追跡』はのちにコーエン兄弟監督が撮った2010年『トゥルー・グリット』と同じ話。老保安官が少女に雇われて彼女の父親殺しの犯人を追う。南北戦争末期、徴兵を逃れたチンピラが悪党になっていく姿を追う72年『夕陽の群盗』は、のちに『クレイマー、クレイマー』(1979)でアカデミー賞の作品賞、監督賞を受賞することになるロバート・ベントンの監督デビュー作。

いまではなかなか見られなくなった西部劇をたっぷりお楽しみ下さい。

【放送日時】
プレミアムシネマ「OK牧場の決斗」
6月4日(月)[BSプレミアム]後1:00~3:04

【放送日時】
プレミアムシネマ「勇気ある追跡」
6月5日(火)[BSプレミアム]後1:00~3:09

【放送日時】
プレミアムシネマ「ウィル・ペニー」
6月6日(水)[BSプレミアム]後1:00~2:51

【放送日時】
プレミアムシネマ「荒野のガンマン」
6月7日(木)[BSプレミアム]後1:00~2:35

【放送日時】
プレミアムシネマ「夕陽の群盗」
6月8日(金)[BSプレミアム]後1:00~2:34

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渡辺祥子

【コラム執筆者】渡辺祥子(わたなべ・さちこ)さん

共立女子大学文芸学部にて映画を中心とした芸術を専攻。卒業後は「映画ストーリー」編集部を経て、映画ライターに。現在フリーの映画評論家として、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等で活躍。映画関係者のインタビュー、取材なども多い。また映画にとどまらずブロードウェイの舞台やバレエなどにも造詣が深い。著書に「食欲的映画生活術」、「ハリウッド・スキャンダル」(共著)、「スクリーンの悪女」(監修)、「映画とたべもの」ほか。

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