監督S・スピルバーグ × 主演T・クルーズ
SFアクションの名作!

マイノリティ・リポート【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

6月4日(月)[BSプレミアム]後9:00

2054年、未来を予知する超能力者とテクノロジーによって、罪を犯す前に逮捕することが可能となった社会。ある日、捜査官のアンダートンは、殺人犯として予知されてしまいます。仲間だった捜査官たちから必死に逃亡するアンダートン。いったい真実は…。
今回ご紹介するのは、監督S・スピルバーグ × 主演T・クルーズのSFアクションの名作「マイノリティ・リポート」(2002)です。

強烈なコントラストのモノクロ映像の犯罪映画・フィルム・ノワールを意識!

幼いころから映画好きで、スピルバーグ監督の大ファンだったクルーズにとって、この映画への出演は少年時代からの夢がかなったということです。あの手この手で逃走するクルーズ、この映画でも見ごたえたっぷりのアクションを披露しています。

原作はフィリップ・K・ディックの短編小説。卓抜なアイデアで、現実とは、人間とは何かを問い続けたアメリカを代表するSF作家で、「ブレードランナー」(1982)「トータル・リコール」(1990)など、その小説は次々映画化されています。スピルバーグ監督は原作を大幅にアレンジし、未来をも監視し、コントロールしようとする社会の怖ろしさと矛盾を、ハラハラドキドキの物語をとおして描いています。

ミステリーファンなら、3人の超能力者の名前に思わず笑みがこぼれてしまうのではないでしょうか。ミステリーの女王・アガサ・クリスティー、シャーロック・ホームズで知られるアーサー・コナン・ドイル、ハードボイルド・ミステリーの始祖といわれるダシール・ハメットにちなんでいます。
青やグレーを基調に、時には極端に彩度を落とした映像のこの作品、スピルバーグ監督は、1940~50年代に盛んに作られた、表現主義の影響を受け、強烈なコントラストのモノクロ映像の犯罪映画・フィルム・ノワールを意識したということです。

水に浮かぶアガサが眼を見開く場面から始まるこの映画は「映像」「視覚」「見ること」も大きな要素です。超能力者も捜査官も未来を映像で見ますし、過去の記録としてさまざまな映像が登場します。また、物語の社会では、本人を認証するために網膜を使うなど、「眼」が大きな役割を果たしています。自分が見た未来や過去の映像は本物なのか、信頼できるのか、というこの映画のテーマは、スマートフォンやパソコンが身近なツールとなり、誰もが簡単に映像を加工し、編集できるようになった21世紀の今こそ、より切実に感じられるのではないかと思います。

スピルバーグ監督ならではの傑作娯楽活劇をお楽しみください!

【放送日時】
プレミアムシネマ「マイノリティ・リポート」
6月4日(月)[BSプレミアム]後9:00〜11:26

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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