寺田憲史 × 門 秀彦が語る、
ファンタジーだけどリアルなアニメ

アニメ「キャラとおたまじゃくし島」

毎週月曜[Eテレ]前10:15~10:20

4月からEテレで放送中の「キャラとおたまじゃくし島」(通称:キャラたま)。
「ファイナル・ファンタジー」(l~lll)の原作・脚本を手がけた寺田憲史さん。そして、豊かな色彩感覚と斬新なデザインで“ハンドトーク”(手話&ジェスチャー)を表現する“絵描き”、門 秀彦さん。この二人タッグを組んで描く、ハートフルで奇想天外なファンタジー・アドベンチャーアニメです。

物語の舞台は、かつて音楽の神がむ島と言われた「おたまじゃくし島」。体の一部が楽器の“ガッキアニマル”たちが音楽を奏で、暮らしていたが、魔女に音楽を奪われ、秩序が乱れてしまう…。そこに正義感あふれる少女戦士「キャラ」がおりたつ。キャラは言葉を超えたコミュニケーションで“ガッキアニマル”たちと心を通わせ、島にひそむ謎をひとつひとつ解きあかしていきます。果たして、キャラは魔女を倒し、この島を再び音楽で満たすことができるのか!? というストーリーです。

実は主人公・キャラ以外は、聴覚障害や発達障害などの「障害」を豊かな個性として取り入れたキャラクターなのです。アニメの中で具体的な説明はされていませんが、セリフとナレーションが少ないなかでキャラクターたちが身振り手振り、時には音楽やアートで自らの心のうちを表現していきます。

(左から)自称・正義の戦士「キャラ」、キャラの冒険の相棒「カタカタ」、世話好き&超キレイ好きで心配性の「ユキゴッホ」

今回は、原作・脚本を担当している寺田さん、そして原作・キャラクターデザインを手がける門さんの対談をお届けします! 制作の裏側も、たっぷり語っていただきました。

──初タッグのおふたり!作風や制作の場で感じた印象は?

:僕の職業は絵描きです。ろうあ者である両親とのコミュニケーションにおける補足手段のひとつとして、絵を描き始めました。僕は割とひとりで作品作りをすることが多かったので、寺田さんの構想と僕が書いた絵が本当にひとつになるの? っていう感じでした。でも、完成したアニメを試写で見たときは、すごい作品ができたとうれしくなりましたね。

寺田:最初に門さんの絵を見せていただいたときは、正直驚きました。画力があり、壮大な世界観を持っていらっしゃる絵描きさんだなぁと。クリエイター同士でぶつかるのって、すごく面白いんですよ。僕が文章でなにか設定を起こすと、門さんがそれに従って絵を描いてくれる。「そうくるか!」って新しい発見があったりして、それがまた次につながっていくんです。ひとりでやるのとはまったく違うおもしろさがあります。

:こんなにいま仲良くしていますけど、お互いが自由な発想を持っているので真正面からぶつかりあうこともありました。気を使ったり、仲良くしましょうよ的なやり方ではないんですよね。

──「ガッキアニマル」たちの特徴は?

:ガッキアニマルはその名の通り、体の一部だけが楽器になっていたり、他にもなんらかの特徴があったりします。それをあえて言葉で表現するならば、障害者をモチーフにしたキャラクターたちです。たぶん一番わかりやすいのは手話を使う仲良し兄弟(トッポとボビー)かな。そのほかにも、音楽の申し子で自分の世界に閉じこもりがちな美少年「ヒュン」は自閉症、優しくて世話好き、だけどかなりの心配性&超キレイ好きな「ユキゴッホ」は強迫神経症を表現しているなど、それぞれ異なる個性を持って生きています。

寺田:そんなガッキアニマルたちが住む音楽の島が魔女に侵されて音楽の力に歪みが生じ、ガッキアニマルたちは自分本来の「音」が出なくなってしまう。例えばヒュンの尻尾はバイオリンだけど、出る音はトロンボーン……という風に。そこに天真爛漫てんしんらんまんな女の子の戦士・キャラが現れる…そういった設定を、僕はどんどん作っていきました。

ファンタジーだけど、メッセージ性の高いキャラクターたちです!

──キャラクターデザインと、ストーリー構成はそれぞれどのように進めていったのですか?

:子どもたちが落書きなどで描きやすいものにしたいなと思い、わかりやすく、覚えやすいキャラクター作りを心がけました。人柄は動きとか身振り手振りに出ると思うので、自分なりに意識したつもりです。

寺田:僕の場合、変わったキャラクターを作ろうとかではなく、この子はどういう風に思っているかな? って寄り添ってあげるとそれぞれが動き出す感じ。健常者と変わらない視点で作る、というのもポイントかなと思います。“キャラたま”の物語の中に、「障害」や「障害者」といった具体的な言葉は一切出していません。あくまでアニメーションとして楽しいものにしようと、最初にみんなで話し合い、決めたからです。プロデューサーからは、「リアルな体験談をエンターテインメントで包み込んで欲しい」とリクエストもありました。

:僕らはファンタジーとして作っているけれど、作れば作るほどリアルなんです。ファンタジーだけど、リアル! 寺田さんが取材で知ったことや、僕の経験などが合わさっているからかな。ガッキアニマルたちは、別に自分たちにハンデがあるから支えあって生きていこうよっていうのはまったくないんですよ。でも、キャラちゃんが天真爛漫でピュアな子だから、いろいろとガッキアニマルたちを巻き込んでいっちゃう。それは助け合いやそんな大げさな話ではなく、困っている人がいるから手を貸すように単純というか……。そういうこと、たぶん現実にもあると思うんです。

──このアニメに対する、まわりの方からの反響は?

寺田:子どもたちに笑ってもらいたかったので、試写に来てくれた門さんのお子さんたちが笑って喜んでくれたの、うれしかったなぁ。親戚の子どもたちも笑いながら見てくれていると聞きました。

:娘の幼稚園のお友達たちも、見てくれているようです。決して堅い&とっつきにくいような切り口ではないから、キャラクターたちとふわっと出会ってもらって、それぞれ感じるままにキャラクターに感情移入して見てもらえたらいいですね。

──これからのみどころをお願いします!

:笑いあり、涙ありの物語にファンタジーで飾り付けをしています。小さい子どもには、その“飾り”の部分を楽しんでもらってもいいと思うんですよね。今後、キャラクターの魅力がどんどん明らかになっていきますし、コミュニケーションの大事なところにも触れていくので、大人の方にも楽しんでいただけるのではないでしょうか。

寺田:舞台となっている島と魔女の秘密も、徐々に明らかになってきます。ちなみに僕、いまの段階であと6話分の原稿が残ってるんですよ、あとちょっと頑張ります(笑)。

寺田さんがつむぐ奇想天外な物語と、門さんが描くハートフルなユニバーサルキャラクターが魅力の“キャラたま”は、まだまだ始まったばかり! 再放送も随時お送りしているので、詳細は番組ホームページからご確認ください!

アニメ「キャラとおたまじゃくし島」<全40話>

【放送予定】毎週月曜[Eテレ]前10:15

毎週木曜[Eテレ]前5:55(再放送)

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