イタリア映画を代表するヴィスコンティ監督の2作品

山猫 完全復元版、ベニスに死す【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

6月18日(月)[BSプレミアム]後1:00 ほか

イタリア映画を代表する巨匠・ルキノ・ヴィスコンティ監督。1906年、由緒あるミラノの貴族の家庭に生まれ、幼少期から芸術に親しみ、30代のとき、ファッション・デザイナーのココ・シャネルからフランスの巨匠・ジャン・ルノワール監督を紹介され、「ピクニック」(1936)などで助監督を務め、映画に開眼します。ルノワール監督に薦められた小説「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(1942)を映画化し監督デビュー、数々の傑作を発表し、オペラや演劇の演出も手がけました。今回は2本の代表作を放送します。

カンヌ映画祭パルム・ドールを受賞した「山猫」(1963)

近代国家統一という、歴史的な変革期を迎えた19世紀、南部シチリアを治め、栄華を誇ったサリーナ侯爵家が、激動の時代の波によって没落していく姿をドラマチックに描きます。
サリーナ侯爵を演じるのは、アメリカの名優バート・ランカスター。その甥(おい)で、革命に身を投じるタンクレーディを演じるのは、アラン・ドロン。そしてイタリアの名女優・クラウディア・カルディナーレが、タンクレーディと恋に落ちるアンジェリカを演じています。

何といっても見どころは舞踏会の場面。衣装、美術、名撮影監督・ジュゼッペ・ロトゥンノの深みのある映像、名作曲家・ニーノ・ロータの音楽が混然一体となって、華麗な世界を作りだしています。

【放送日時】
プレミアムシネマ「山猫 完全復元版」
6月18日(月)[BSプレミアム]後1:00〜4:07

超一流のスタッフ・キャストの力が結集された「ベニスに死す」(1971)

そして「ベニスに死す」(1971)。舞台は20世紀の初め。作曲家のアッシェンバッハは、静養のため訪れたベネチアで、ポーランド貴族の美少年、タッジオと出会い、心を奪われます。タッジオに理想の美を見いだし、思いを募らせるアッシェンバッハですが、やがて、この町に広がる病にかかってしまいます。そして…。

原作は、ドイツの文豪、トーマス・マンの小説。ヴィスコンティ監督は、原作では作家だったアッシェンバッハを作曲家にし、芸術家の苦悩と歓喜を、マーラーの甘美な音楽とともに描きます。
主演は、イギリスの名優ダーク・ボガード。タッジオを演じるのは、多くの候補者から抜擢され、撮影当時は10代半ばだったスウェーデン人・ビョルン・アンドレセン。そして、イタリアの大女優、シルヴァーナ・マンガーノがタッジオの母を演じています。
パスカリーノ・デ・サンティスの流麗な映像、フェルディナンド・スカルフィオッティの美術、この映画も、超一流のスタッフ・キャストの力が結集されています。

ヴィスコンティ監督の美学が貫かれた芸術品、じっくりご堪能ください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「ベニスに死す」
6月19日(火)[BSプレミアム]後1:00〜3:12

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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