SF映画の金字塔「2001年宇宙の旅」の続編!

2010年【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

6月28日(木)[BSプレミアム]後1:00

2001年、木星付近で消息をたったディスカバリー号。その行方を調査するため、2010年、アメリカとソ連の調査チームが旅立ちます。ディスカバリー号を発見、中枢であるコンピューター・HAL9000を再起動させた調査チームは、謎の物体モノリスと遭遇します。一方、地球では米ソの緊張が高まり、一触即発の事態に。そんななか、チームの前に、ディスカバリー号のボーマン船長が現れます…。
今回ご紹介する「2010年」(1984)は、SF映画の金字塔「2001年宇宙の旅」(1968)の続編です。

当時の社会状況を踏まえ、前作とはまったく違ったテイストの作品に!

原作は「2001年」と同じ、イギリスのSF作家、アーサー・C・クラークが1982年に発表した小説です。クラークは、「都市と星」「宇宙のランデヴー」など、科学的な知見に基づく、ハードSFと呼ばれる小説を次々発表した巨匠で、その後も「2061年宇宙の旅」、「3001年終局への旅」とシリーズを執筆しています。

前作にも登場したフロイド博士を演じるのはロイ・シャイダー、ソ連の科学者を演じるのはイギリスの名女優ヘレン・ミレン、さらにジョン・リスゴー、ボブ・バラバンといった個性的な名優に加え、前作でボーマン船長を演じたケア・ダレーが再び出演、印象的なHAL9000の声も、前作と同じダグラス・レインが担当、女性の声のコンピューターSAL9000は、キャンディス・バーゲンが担当しています。

クラークと共に脚本を執筆、製作もてがけたピーター・ハイアムズ監督は1943年生まれ。大学卒業後、テレビのニュースキャスターを務め、ドキュメンタリーなどを製作した後、映画の脚本やテレビの演出をてがけ、アクション映画「破壊!」(1973)で監督デビューしました。多くの作品で撮影も手がけ、複雑な特殊撮影が多いこの作品でも、横長の画面を生かしダイナミックな映像を作りあげています。R・フライシャー監督の「その女を殺せ」(1952)やF・ラング監督の「条理ある疑いの彼方に」(1956)といった傑作をリメークするなど、かなりの映画好きと思われるハイアムズ監督は、もちろん前作を敬愛し、撮影前にキューブリック監督に相談したところ、「自分の作りたいように作れ」と励まされたということです。

この作品が公開された34年前は、実際にアメリカとソ連が対立し、冷戦が続いていた時代でした。ハイアムズ監督は、当時の社会状況を踏まえながら、前作とはまったく違ったテイストの作品に仕上げました。

スリリングな展開のSF映画をお楽しみください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「2010年」
6月28日(木)[BSプレミアム]後1:00〜2:57

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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