ボブ・ディラン劇映画初出演!年々評価が高まる作品

ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 特別版【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

7月3日(火)[BSプレミアム]後1:00

西部開拓史上にその名を刻む実在の無法者ビリー・ザ・キッドと、ビリーの友人で保安官となったパット・ギャレット。2人の友情と対決を描いたのが「ビリー・ザ・キッド 21才の生涯」(1973)です。

ボブ・ディランが映画のために制作した、音楽「天国への扉」も話題に!

監督はサム・ペキンパー。59歳で早すぎる死を迎えるまで、14本の長編映画を発表、スローモーションが印象的なバイオレンス描写と、詩情にあふれた人間描写で、多くのファンに愛されています。
ペキンパー監督の作品は、キャストの存在感、個性がたまらなく魅力的ですが、この作品もすばらしい出演者ばかりです。無法者でありながら少年のように純粋なビリーを演じるのはクリス・クリストファーソン。ミュージシャンとして活躍していましたが、この映画で俳優としても注目されるようになりました。パット・ギャレットを演じるのは、名優ジェームズ・コバーン。数々のアクション映画や西部劇に出演、ペキンパー監督とは長年の友人でした。さらに、スリム・ピケンズ、L・Q・ジョーンズ、R・G・アームストロング、エミリオ・フェルナンデスといったペキンパー作品の常連たち、ジェイソン・ロバーズ、ハリー・ディーン・スタントン、そして、謎めいた若者エイリアスを演じたのがボブ・ディランです。2年前ノーベル文学賞を受賞、あらためてその業績が世界中で知られるようになりました。

1941年生まれ、62年にレコードデビューしたディランは、恋愛はもちろん、人種差別や戦争を糾弾し、人間の内面を深く見つめる、それまでになかった、知的で、ときにシュールで難解な詩を歌いました。「追憶のハイウェイ61」「ブロンド・オン・ブロンド」「血のわだち」「オー・マーシー」「タイム・アウト・オブ・マインド」「モダン・タイムズ」など半世紀以上も次々傑作アルバムを発表、シンガーソングライターの先駆者、ロックミュージックの頂点として第一線で活動しています。当時30代前半、これが初の劇映画出演作となり、担当した音楽「天国への扉」は広く知られています。

メキシコ北部・ドゥランゴでロケされましたが、天候の不順や悪環境のため、体調を崩す人が続出、機材のトラブルなど撮影は困難を極め、ペキンパー監督は最初の劇場公開版に不満だったということです。今回は監督の死後、その意図をくんで2005年に再編集された特別版での放送です。

年々評価が高まり、今では傑作とする人も多いペキンパー監督最後の西部劇、じっくりお楽しみください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 特別版」
7月3日(火)[BSプレミアム]後1:00〜2:56

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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