1か月にわたるスリリングな洞窟探検に密着!

世界最大級! ラオス 絶景の未踏洞窟に挑む

7月16日(月・祝)[総合]後7:30〜8:43

地球上に残された最後の秘境・洞窟……。
東京都庁がすっぽり入るような巨大な洞窟や、東京から岡山まで続く長さを持つ洞窟もあるんです。

そして今、世界中の探検家が最大の未踏洞窟があるのではないかと注目しているのが、ラオスです。

今回、日本の洞窟探検の第一人者と言われる吉田勝次さんが、ラオスの未踏洞窟の探検に挑みました。

誰も足を踏み入れたことのない洞窟には、どんな世界が待っているのか。

吉田さんに密着取材をした三戸宏之ディレクターに、撮影秘話をたっぷり聞かせてもらいました!

世界最大の洞窟を発見!? その瞬間をカメラが捉える

──今回、密着取材された吉田勝次さんについて、まず教えてください。

吉田さんは洞窟探検家として非常に有名な方で、彼が見つけた洞窟が、世界には6か所あります。僕が吉田さんにお会いしたのは、4年ほど前に放送した「グレートネイチャー」(BSプレミアム)という番組でした。この番組の撮影で、吉田さんと一緒にオーストリアの洞窟に行きまして、そのときからのつきあいなんです。

世界中の洞窟を探検している吉田勝次さん

吉田さんは、長年の研究から「ラオスに世界最大の洞窟がある」という仮説を打ち立て、2年前から本格的にラオスの洞窟探検を始めました。そして現地の村人から有益な情報を得て、今回の洞窟に探検に入ることにしたんだそうです。その話を聞きつけた僕たちが、同行取材を願い出たとうわけです。

探検隊は、吉田さんを含めて総勢8名。皆さん、プロの洞窟探検家ばかりです。そこに、僕を含めた3名が取材班として同行しました。洞窟の内部へは、まずモーターボートに乗って向かいます。今回の洞窟は内部に川が流れている“河川洞窟”だったのですが、もう、その入り口がすでに巨大で……。これまで何度も洞窟探検をしてきた皆さんも、思わず「うわぁ、大きい」と漏らしていたので相当なはずです。僕たちも、のっけから度肝どぎもを抜かれましたね。

ボートで進んだあとは、真っ暗な洞窟の中を泳ぎながら進みます

入り口からボートで20分くらい進んだあたりに、ベースキャンプをはりました。村人もそこまでは行ったことがあったそうですが、その先へは足を踏み入れたことがない。正真正銘、未踏の地です。隊員は、そのベースキャンプを根城にし、洞窟の奥に通っては調査をするという日々を、約1か月行いました。

洞窟の内部って、皆さん想像つかないと思うのですが、文字通り真っ暗闇なんです。自分が目を開けているのか閉じているのかさえ分からないほど。そんな中、隊員はライトの光だけを頼りに奥へ奥へと進んでいきます。もしライトが消えたら、帰れない。まさに命綱ですね。もちろん、みなさんプロの探検家ですから、そんなことがないよう準備は万全ですけどね。

──大変だったのは、どんなところですか?

まずは寒さですね。河川洞窟ですから、真っ暗な洞窟の中を巨大な川が流れています。川幅は広いところで30メートルほどで、深さも相当あります。そこを撮影機材を持ちながら次の岸まで泳いでいく。ただでさえ機材が重いのに、服が水に濡れてどんどん重くなっていくし、冷えてくるしで……。

内部で便意をもよおしたときも大変でした。一般的に洞窟の内部はバクテリアが少ないので、便を分解してくれないんです。洞窟内の生態系が変わるのを防ぐため、自分の便は密閉袋に入れて持ち帰るというのが、洞窟探検隊としてのモラルなんです。とはいえ、あれはちょっと大変でしたね。

洞窟内には、巨大な鍾乳石もたくさん発見されたそうです

カメラが次々使い物にならずに…

──洞窟の中を撮影するために、どんな機材を持っていったのですか?

暗闇での撮影に備えて、軍隊が使用する強力なライトを30灯持っていきました。一般の懐中電灯の15倍の明るさだと言われているものです。洞窟内ではそれを隊員の皆さんにも持ってもらって、サーチライトのように辺りを照らしながら進んだんです。予備バッテリーも相当数持っていきましたね。

カメラは7〜8台あったのですが、そのうち4台が壊れてしまって……。原因は、湿気と水です。特に河川洞窟の内部は湿気が98%以上にもなるんです。そのためレンズは真っ白に曇るし、水滴だらけになるしで大変でした。さらにまずかったのは、川を泳いで岸にあがったときに、袖口から落ちた水がカメラにかかってしまったこと。一瞬で、アウトでした。

カメラマンは、これまで何度も洞窟撮影を経験している方だったんです。ところが、今回の洞窟は彼らの予想を大きく上回る大きさで……。最後まで残ったのは、念のためにと持参していた防水カメラと、同じく防水のゴープロ(ヘルメットにつけたカメラ)だけ。もしかしたら、洞窟の奥へ行くほど映像が荒く見えるかもしれません。

──いちばん印象に残っていることは?

最終的に行き着いた巨大ホールですね。洞窟の奥に、広大な空間が広がっていました。吉田さんも「これは相当でかいぞ」と驚いていましたね。ただ、ここでも思わぬ誤算が生じたんです。

かなり大きな空間ですから、ドローンを飛ばして迫力ある映像を撮ろうと思いました。なのに、あまりに大きすぎて、光の量が全然足らなかった! ライティングのために、隊員の皆さんには軍用のライトを持ってホール内に散らばってもらったのですが、それでも全貌を照らしだすことはできませんでした。

そのとき僕は、ホールのいちばん上から最下部にいる隊員たちを見下ろしたんです。すると、彼らが米粒くらいにしか見えなかったんですよ。まるで30階のビルの上から地上を歩く人を見た時と同じくらいのサイズ。あのとき、ここがいかに巨大な空間なのかを身をもって実感しました。

──実際、「世界最大の洞窟」だったのでしょうか。

吉田さんご自身も、「自分が知っている河川洞窟としては、1、2を争う洞窟だ」と言っていましたが、まだ正式に学会で認められたわけではありません。測量した結果を学会で発表し、そこで「世界最大だ」と認められてはじめて、そう言えるんです。とはいえ、確実にこれまで見たことがない映像をお届けできると思います。誰も足を踏み入れたことのない場所に、世界ではじめてカメラが入ったわけですから。

さらに言えば、世界にはまだ発見されていない洞窟がまだまだあるんです。今回の洞窟より美しく、規模が大きなものが存在する可能性だって、十分ありえる。そんな洞窟が持つスケールの壮大さと絶景のすばらしさも感じながら、ご覧いただきたいですね。

世界最大級の洞窟に、はじめて人が足を踏み入れた……そのワクワクする瞬間を、ぜひ放送でご覧ください!

「世界最大級! ラオス 絶景の未踏洞窟に挑む」

【放送予定】7月16日(月・祝)[総合]後7:30〜8:43

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