「ジュラシック・パーク」などで知られる、
作家・M・クライトン原作の傑作SF映画

アンドロメダ⋯【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

7月28日(土)[BSプレミアム]前0:15(金曜深夜)

ニューメキシコの小さな町に小型の衛星が落下し、多数の犠牲者が。しかし、老人と泣き叫ぶ赤ちゃん、2人だけが生存していました。
緊急事態を受け、政府は地下深くにある秘密の施設に科学者を招集、謎の解明に挑みます。しかし、予想もしなかった事態が次々発生、危機的な状況に陥ってしまいます⋯。
今回ご紹介するのは、SFサスペンスの名作「アンドロメダ⋯」(1971)です。

細部まで徹底的に作りこまれた巨大セットがすごすぎる⋯

原作はマイケル・クライトン。「ジュラシック・パーク」(1993)やテレビドラマ「ER」などで知られるベストセラー作家です。ハーバード大学医学大学院在学中から作家活動を始めたクライトンは、医学やバイオテクノロジー、科学への深い知識を生かし、SFから冒険小説までさまざまな作品を発表しました。その出世作となったのが、機密報告書の体裁で書かれたこの作品です。

映画化したのは、ロバート・ワイズ監督。「ウエスト・サイド物語」(1961)や「サウンド・オブ・ミュージック」(1965)で2度のアカデミー賞を受賞しましたが、ホラー映画「たたり」(1963)、戦争映画「砲艦サンパブロ」(1966)、恋愛映画「ふたり」(1972)と、多彩なジャンルをてがけています。ワイズ監督は、原作のテイストを生かしながら、ドキュメンタリー・タッチのスリリングな展開に仕上げました。リアリティーを重視するため、有名なスターではなく、舞台などで活躍する実力派の俳優を中心に起用、原作では科学者は男性ですが、イギリス生まれで、カナダやアメリカで活躍した名女優ケイト・レイドが、微生物学者のレビット博士を演じています。

そして見どころは、細部まで徹底的に作りこまれ、撮影当時最大規模ともいわれた巨大なセット。担当したのは、ワイズ監督の作品やジョージ・スティーブンス監督の「ジャイアンツ」(1956)、マーティン・スコセッシ監督の「ハスラー2」(1986)を手がけた名プロダクション・デザイナー、ボリス・レヴィンです。ロシアで生まれ、ハリウッド映画美術の巨匠ハンス・ドライヤーに師事したレヴィンによる、滅菌室や実験室、赤や黄色で色分けされた部屋や廊下、ボタン一つまで考え抜かれた独創的で機能的なデザインは、本当にこんな施設があるかのように感じられるほどです。さらに、「2001年宇宙の旅」(1968)をはじめ、数々の傑作をてがけた特撮の第一人者・ダグラス・トランブルによる映像効果も迫力満点です。

その後の映画にも大きな影響を与え、今も新鮮でユニークな魅力にあふれた傑作SF映画、じっくりお楽しみください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「アンドロメダ⋯」
7月28日(土)[BSプレミアム]前0:15〜2:27(金曜深夜)

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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