夏にぴったり!沢村貞子の献立を、飯島奈美が手がける

365日の献立日記

8月3日(金)[Eテレ]後10:55

家族がいても、ひとりでも、疲れていても、眠くても、日々のごはん作りはやってくる! そんな毎日の献立のヒントになる、5分間のミニ番組「365日の献立日記」が8月3日、10日、17日、24日に放送されます。

昭和の名脇役として知られる沢村貞子さんが、84歳まで約26年の間書き記した「献立日記」をもとに、滋味深く、魅力的な献立をご紹介。

声の出演は女優・鈴木保奈美さん。エッセーの名手だった沢村さんの文章も紹介します。料理を担当するのは「かもめ食堂」、連続テレビ小説「ごちそうさん」も手掛けた人気フードスタイリスト・飯島奈美さん。飯島さんは調理シーンで“手元”のみの出演ですが、夏に合う献立として「夏ずし」「真夏の天ぷら」「ウナギと変わり漬物」「あじのマリネとポタージュ」を作り上げていきます。その見事な手さばきは必見ですよ!

今回は、飯島さんが「365日の献立日記」に込めた思いを伺ってきました!

 本能的に、絶対やりたいお仕事

──依頼を受けたときの、率直なお気持ちからお聞かせください!

もともと沢村さんの本や、沢村さんが料理のお師匠さんと思っていらっしゃる方の本も読んでいたので、とてもうれしかったです。本能的に「絶対やりたい」と感じるお仕事が時々あるのですが、そのうちのひとつでしたね。ただ、あこがれの本をもとにした番組ということで、“私が本当にやっていいのだろうか”と責任と緊張を感じていました。

沢村さんがお書きになられた、実物の献立日記も見せていただきました。表紙にカレンダーの紙を貼り付けた大学ノートで、ちょっと紙がはがれかけたりしているのもリアル。すてきなものを見せていただいたなぁと大感激でした。もちろん、内容もとっても面白いんです! 誰にも見せるつもりがなかったからこそ、飾らない魅力があるというか……。セロリのお味噌汁とか斬新ざんしんなものもあって。その自由な発想は、毎日料理をされていたから出てくるものだと思いますし、26年間も記し続けていたことがすごいですよね。

こちらが実際の沢村貞子さんが書いた献立日記

──撮影にあたり、飯島さんから何か提案を出したことはあったのでしょうか?

番組のプロデューサーさんが「自由にやってくださいね」と言ってくれたので、沢村さんの献立の料理内容を味付け、彩り、食感などシンプルでバランスが良くなるよう考えました。取り上げる料理はプロデューサーさん、ディレクターさんが洋食、和食などバリエーション豊かに提案してくれました。沢村さんの本には、ときどき作り方の詳細が載っていることもありますが、ほとんどが献立の箇条書きのみです。なので、こちらが想像を膨らます余地がたっぷりあって。見てくださっている方に「こんなの私じゃ作れないよ」って思われないように、スタッフの方々と相談しながら工夫して作りました。食器は日常使いができて、誰が使っても落ち着く雰囲気のものを選びました。

このお仕事をさせていただくうえで、常に意識しているのは「誰が作ったか」ということ。自分が作品を見たときに「この役ならこんな作り方しないのでは」と感じることがないよう、切り方ひとつにしても、役に溶け込んで悪目立ちをしないフードスタイリングを心がけています。今回はどこから撮るのかで受け取り方が変わってくると思ったので、作り手の目線で撮るのか、客観で撮るのか、主婦の方にぼーっと眺めてもらいたいから「作っている人と話している目線もいいですよね」なんて意見を出してみました。

 今回作る4品はこちら!

──今回取り上げるのは「夏ずし」、「真夏の天ぷら」、「ウナギと変わり漬物」、「あじのマリネとポタージュ」ですね。飯島さんから見た料理のポイントや、作ったときのエピソードを教えてください。

◆「夏ずし」
沢村さんの「夏ずし」は、夏の食材、きゅうりとかまぼこを使ったちらしずしです。ちらしずしって、秋でも冬でも同じものを作ることが多くなりますよね。酢めしには梅酢を使っていて、さっぱりしていて食欲がわきます。私も梅酢が好きなのでうれしかったです。私自身も例えば肉じゃがなら、春は春キャベツや鶏を入れた塩味の鶏じゃがなど、季節に合わせた提案をすることも大好きです。だから、沢村さんの気持ちがわかるなぁとうれしくなってしまいました。

◆「真夏の天ぷら」
沢村さんの献立日記には、天ぷらが頻繁に登場していたように見受けられます。きっと、お好きだったのでしょうね。一緒に玉ねぎの酢の物も作ったのですが、玉ねぎとえたのが花かつお。実は以前、“朝ドラ”「ごちそうさん」を担当したときに、かつおぶしを削るシーンに苦戦しました。だから今回も気合を入れて築地へ習いにいってきました。おかげさまで、いまはプライベートでも楽しくかつおを削っています(笑)。

◆「ウナギと変わり漬物」
ウナギは、あえて市販のものを使っています。家庭ではさばいたり、焼いたりするのはできないので。そして変わり漬物は、本当に“変わり漬物”としか書かれていないんですよ。番組で何を漬けているかは、見てのお楽しみに!

ぬか床は、「ごちそうさん」のときのものがまだ生きているので、それを使っています。沢村さんの漬物に対するこだわりは、つづられている文章から伝わってきました。沢村さんが主に漬物を召し上がるのは、お茶漬けのとき。普通は食事のときにおかずと並べますが、沢村さんはごはんの最後にお茶漬けを食べる直前にぬか床から漬物を取り出すとのこと。おいしいものを、おいしいタイミングで食べたいということですよね。

私は仕事柄、おにぎりを過剰に期待されることが多々あります(笑)。「飯島さんのおにぎりっておいしい」というイメージでこられるから、できるだけその期待に応えたいというプレッシャーから自分流のおにぎりの握り方を編み出しました。油揚げなどと炊いてちょっと米に油分があるときは若干きつめに握ったり、白いごはんをおにぎりにするときはくっつきやすいので軽く握る、またはおかずがいっぱいあるならおにぎりの塩を控えるなどなど……。みんなが食べている様子を見て「もうちょっと強く握っておけばよかった」「海苔のりはいま替えたほうがよかったかも」と思うときもあるので、ベストタイミングで食べたい、食べてもらいたいという、沢村さんの漬物に対するこだわりにすごく共感できます。

◆「あじのマリネとポタージュ」
季節のグリンピースをゆでて冷凍していたという文章から、グリンピースを使ったポタージュを作りました。すごくおいしくできたので、楽しみにしていてくださいね。マリネは、あじのマリネです。あわせてチーズとくるみと大根のサラダも。このチーズは、なにを使うべきかすごく悩んだんですよ。パルメザンを削ったり、プロセスチーズを入れてみたり、いろいろな可能性が考えられるので何度か試作しました。結果、スライスチーズと、ハード系のチーズの中間ぐらいのチーズを拍子木切りに。そしてちょっとめるような食感を入れたかったので、大根も同じく拍子木切りにしています。シャキシャキした厚みのある大根が入ったサラダです。

 ご自宅でもお気軽に!

──お話をうかがっているだけでも、おなかが空いてしまいました(笑)。最後に、飯島さんからメッセージをお願いします。

1日の疲れを取るようなぬるま湯につかる気分で、ぼーっとリラックスしながら番組を眺めていただけたらと思います。そして「今度これ作ってみようかな」という原動力にしていただけたら、とてもうれしいですね。

番組プロデューサーいわく、飯島さんが包丁でトントンとリズミカルに食材を切っていくと「魔法の手!」とスタッフみんな目を奪われていたそうです(笑)♪ 飯島さんご自身も薄切りがうまくできるとテンションがあがって幸せになるんだとか!
沢村さんのすてきな献立を、飯島さんが魔法の手で作り出す全4回、思わず釘付けになってしまうこと間違いなしです! どうぞ、お楽しみに!

「365日の献立日記」
【放送予定】8月3日(金)、10日(金)、17日(金)、24日(金) [Eテレ] 後10:55

取り上げた番組はこちらです!

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