8月はトム・クルーズ祭り!
滝田洋二郎監督の「おくりびと」にも注目!

ミッション:インポッシブル シリーズ ほか【渡辺祥子のシネマ温故知新】

8月4日(土)[BSプレミアム]後1:30 ほか

プレミアムシネマ8月の注目作品

今月は、トム・クルーズの撮影中の怪我で公開が少し延期された『ミッション:インポッシブル』シリーズの6作目『フォールアウト』が劇場公開されているのが話題。そこであらためて、最初の『ミッション:インポッシブル』(1996)と『M:I-2』(2000)『M:i:Ⅲ』(2006)を見返し、トム・クルーズの身体を張ったアクションのエスカレートぶりを楽しみたい。

『ミッション:インポッシブル』は、1967年にスタートし、7年間にわたって製作された人気TVシリーズ「スパイ大作戦」が元になっているのはよく知られている。ドラマの始まりは、毎回IMF(インポッシブル・ミッション・フォース)に送られてきたテープから流れる「今回の任務は…例によって君もしくは他のメンバーが捕らえられても当局は一切関知しないからそのつもりで」の指令。ここからそれぞれに特殊技能を持つメンバーが「不可能作戦」に取り組むことになる。
大物ブライアン・デ・パルマを監督に迎え、トム・クルーズが製作も兼ねて主演した映画化の第1作『ミッション:インポッシブル』はIMF内部にいる裏切者探し。TV時代からのファンには驚きの裏切者だった。

『M:I-2』は、香港映画のアクション巨匠ジョン・ウーを監督に、続編嫌いのトム・クルーズが珍しくも2度目のイーサン・ハント役に挑戦した。2丁拳銃に、ジョン・ウー映画に欠くことの出来ない白い鳩を飛ばすなど、ブライアン・デ・パルマとは全く違うテイストの映像感覚でドラマを展開。殺人ウィルスとその解毒剤をめぐるテロを阻止するためにイーサン・ハントは悪戦苦闘。前作から、ハントの信頼できる仲間は天才ハッカーのルーサー(ヴィング・レイムス)。彼はシリーズ6作目の『フォールアウト』にも出演している。

シリーズ化しても前と同じタッチでは作らないというのがポリシーのトムは、続く『M:i:Ⅲ』の監督に脚本家出身、大ヒットTVシリーズ『エイリアス/2重スパイの女』『LOST』で知られたJ・J・エイブラムスを起用、これがエイブラムスの映画の監督デビュー作になった。このときのイーサン・ハントは一線を退いて後進の育成をする立場だが教え子を殺した武器商人デイヴィアン(フィリップ・シーモア・ホフマン)と戦うために現場に復帰する。イーサンは結婚しているのだが、妻(ミシェル・モナハン)は彼の本当の仕事を知らないという設定。モナハンは『フォールアウト』にも登場する。

【放送日時】
プレミアムシネマ「ミッション:インポッシブル」
8月4日(土)[BSプレミアム]後1:30~3:21

プレミアムシネマ「M:I-2」
8月11日(土)[BSプレミアム]後1:30~3:35

プレミアムシネマ「M:i:Ⅲ」
8月18日(土)[BSプレミアム]後1:30~3:36

今月のもう1つの注目作は、第81回アカデミー賞の外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎監督の『おくりびと』(2008)。
アカデミー賞に外国語映画部門が出来て初の日本映画の受賞で、この時は加藤久仁生監督の『つみきのいえ』も短編アニメ賞を受賞するという幸運に恵まれた。滝田監督はオスカー像を受ける際、『おくりびと』の英語タイトル“Departures”に引っ掛け、“This is a new departure for me”(私にとっても新たな旅立ち)とスピーチして好評だった。

アカデミー賞で受賞した日本映画には、1952年、第24回の授賞式で受賞した黒澤 明監督の『羅生門』があるのだが、これは名誉賞。当時は最優秀外国語映画賞部門がなく、名誉賞と呼ばれていた。
アカデミー賞の外国語映画部門ができたのは1957年、第29回のとき。最初の受賞作はイタリア映画の『道』。このときは監督のフェデリコ・フェリーニも出席していたが、作品賞同様、賞を受けたのは製作者のディノ・デ・ラウレンティスだった。『道』のライバルだったのが市川 崑監督の日本映画『ビルマの竪琴』とルネ・クレマン監督のフランス映画『居酒屋』だった。フェリーニは翌1958年にも『カビリアの夜』で受賞した。

【放送日時】
プレミアムシネマ「おくりびと」
8月13日(月)[BSプレミアム]後9:00~11:12


渡辺祥子

【コラム執筆者】渡辺祥子(わたなべ・さちこ)さん

共立女子大学文芸学部にて映画を中心とした芸術を専攻。卒業後は「映画ストーリー」編集部を経て、映画ライターに。現在フリーの映画評論家として、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等で活躍。映画関係者のインタビュー、取材なども多い。また映画にとどまらずブロードウェイの舞台やバレエなどにも造詣が深い。著書に「食欲的映画生活術」、「ハリウッド・スキャンダル」(共著)、「スクリーンの悪女」(監修)、「映画とたべもの」ほか。

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