このままでは終わらへんで!!

大河ドラマ「西郷(せご)どん」

明治維新の立て役者・岩倉具視、本格的に「西郷どん」登場! “ヤモリ”とも呼ばれるクセ者を演じる笑福亭鶴瓶さんに、岩倉具視を熱く語っていただきました。

人の家で、ほんま、何をしてんねん。

この第30回で、岩倉の賭場とばにいた大久保(瑛太)と桂(玉山鉄二)がもめるシーンがあるやないですか。僕の家で刀なんぞ抜いて斬り合い寸前になるわけですよ。いや、何をしてんねん、と。

非常に緊迫したシーンなんですけど、「はいはいはいはい……」って止める表現は僕のアドリブです。だって、人の家に勝手に上がってそんな物騒なもん出すな、でしょう?(笑)。ちょっとフリーにやりすぎたかなと思ったんですけど、監督のOKが出たんで、あぁよかったなと思ってます。

この岩倉という人、蟄居ちっきょ生活を送りつつ「このままでは終わらへんで」とあがくしぶとい男ですけど、実はもう限界に来てたんでしょうね。そこをこじあけてくるのが西郷(鈴木亮平)なんですよ。どうせ天子様から捨てられた身と諦めかけているころに、この国には岩倉様が必要やなんて突いてくるから、腹が立つと同時にうれしくもある。

こんな感情の起伏が激しくてええんやろかと悩んだりもしましたけどね、演じるのがだんだんおもしろくなってきました。

岩倉のバイタリティー、恐るべし!

まったく公家らしくなくて、賭博で寺銭てらせんを稼いだり、ヤモリなんて呼ばれるクセ者ですけど、やはり蟄居生活の屈折があったからこそ、この人は後世に名を残すまでになったんやと思いますね。よっぽど志を高く持っていないと、あの時代ではきっとのし上がれないんじゃないですか。

この前、「家族に乾杯」(毎週月曜[総合]後7:30)でオランダに行ってきたんですよ。オランダといえば、明治維新のあとに「岩倉使節団」が行った国のひとつでしょ。なんか足跡が残ってないかなと調べてみたけど、さすがに何にもなかったですね(笑)。

しかし、木造の船に乗って2年近くも外国を巡ったわけですからね。そのバイタリティーがすごい。大久保も一緒にいたっていうし、2年も一緒に旅行したら、めっちゃ仲良くなりますよ。

僕はそんなん無理やわ。おっさんばっかりとひとつの船やなんて。はよ帰りたいもん(笑)。

しかしあの時代に、見たことのない外国の文化に触れて日本に帰ってきたら、人間が変わるんじゃないですか?これじゃ日本はあかんとなるかもしれない。岩倉が一体何を思ったのか、それは興味深いですねぇ。

たぶん岩倉って、かわいいヤツなんですよ。

この先、鳥羽伏見の戦いで新政府軍が負けそうになった時に、「錦の御旗」を掲げようという岩倉の提案が功を奏して逆転する……という史実がドラマでも描かれるんですよ。

今と違って情報のない時代やからこそ、誰も見たことのない“官軍の証し”を掲げることで旧幕府軍がひるんでしまう。はったりで時代を変える岩倉の頭脳はものすごいですね。

やっぱり、ここぞという時に何ができるかですよ。僕自身、どんな番組でも相手の出方を見ながら、アクシデントをどう切り抜けられるかがプロの仕事やと思ってます。

岩倉だって、せっぱ詰まってもうあかんとなった時に、天子様からお許しが出た。きっと何か「持ってる」んですよ。さらにそこから生き長らえたのは、人間的にかわいいヤツだからなんやと思いますよ。やっぱり人間味が愛されないと誰かに蹴落とされますよね。

僕が演じる岩倉を見て、なぜか「悪役、ぴったりですね」なんて言われますけど、岩倉は悪人とは違って、生きる力のある、かわいいヤツなんやと僕は思ってます。

2018年(平成30年)大河ドラマ「西郷せごどん」

【放送予定】毎週日曜[総合]後8:00 /[BSプレミアム]後6:00

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