フランスの巨匠・エリック・ロメールの
傑作2作品を放送!

緑の光線 ほか【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

9月13日(木)[BSプレミアム]後1:00 ほか

手に持ったカメラで街へ出てロケ撮影、それまでの映画文法にとらわれない大胆な編集…、自由闊達かったつな映画作りで斬新な表現を生みだし、半世紀以上前、映画の新しい潮流を生みだしたフランスのヌーベルバーグ。中心となったのが、大の映画好きで、とりわけアメリカ映画に深い愛着を持ち、鋭い映画批評を執筆したのち監督となったジャン・リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー、クロード・シャブロル、ジャック・リヴェット、そして、エリック・ロメールです。

ロメール監督は1920年生まれ、映画雑誌「カイエ・デュ・シネマ」の編集長を務めたのち、50年代から映画を製作、89歳で亡くなるまで、恋愛、喜劇、歴史劇と多彩なジャンルの作品を精力的に発表しました。キャストやスタッフに女性を多く起用し、女性を魅力的に輝かせる名匠としても知られるロメール監督の2つの映画を放送します。

ロメールが描いた色鮮やかでユーモラスな“フランス”

まずは「緑の光線」(1985)。友人から突然キャンセルされてしまい、バカンスを一人で過ごすことになってしまったデルフィーヌが主人公です。ロメール監督は、小規模の女性スタッフとともに、パリはもちろん、海辺のリゾート地・ビアリッツ、サン・ジャン・ド・リュズ、北部の港町ラ・アーグ、シェルブール、スキーの名所として知られ、スイス、イタリアに近いラ・プラーニュなど、風光明媚めいびなフランス各地でロケ撮影を行いました。自然の光や風、風景を生かし、まるでドキュメンタリーのように撮影しながらも、衣装や小道具では赤を強調するなど、撮影当時60代半ばとは思えない、若々しく、それでいて完璧な演出で色彩を表現しています。愛を求めるデルフィーヌに幸せは訪れるのか、ジュール・ベルヌの小説をモチーフにした“緑の光線”とは…。ベネチア映画祭金獅子賞受賞の傑作です。

【放送日時】
プレミアムシネマ「緑の光線」
9月13日(木)[BSプレミアム]後1:00~2:39

14日に放送するのは「木と市長と文化会館 または七つの偶然」(1992)。小さな田舎町に文化スポーツ施設を作る計画がもちあがります。計画をすすめようとする市長、建設予定地にある大きな木を守ろうと反対する教師、さまざまな偶然が重なり、事態は思いもよらぬ方向に進んでいきます。ヴァンデ県のサン・ジュイール・シャンジヨンで撮影されたこの作品、ロメール監督ならではのユーモアとエスプリが発揮された名作です。

【放送日時】
プレミアムシネマ「木と市長と文化会館 または七つの偶然」
9月14日(金)[BSプレミアム]後1:00~2:51

フランスの市井の人たち、生き生きとした会話、ごく普通の暮らしを、繊細な光と影、色彩、映画ならではの演出で描いた2つの傑作、ぜひご覧ください。

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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