1ショット&2ショットポスター「インタビュー」編

連続テレビ小説 まんぷく

毎週月曜~土曜 
総合前8:00~8:15 /(再)後0:45~1:00
BSプレミアム前7:30~7:45/(再)後11:30~11:45

「立花家のある日の幸せな朝食風景」をテーマに制作された連続テレビ小説『まんぷく』のポスター。

今回はアートディレクター須川夏帆さん、カメラマン瀧本幹也さん、ヒロイン福子役・安藤サクラさん、福子の夫・萬平役 長谷川博己さんのお話をご紹介します。

アートディレクション・須川夏帆

2007年3月埼玉県立新座総合技術高等学校デザイン専攻科 卒業。連続テレビ小説「花子とアン」のキャストポスターのアートディレクションを担当。NHKラジオのキャラクター「らじる」をデザイン。さまざまなグラフィックに関わる中、2014年4月クリエイティブトリオ「オカワリサン」を結成。食に関するデザインに力を入れて活動の幅を広げている。近年、動画編集制作の仕事も多々手掛ける。

──各1ショット、2ショットポスターのテーマや、各ポスターを貫く物語性などがあれば教えてください。

各1ショットのポスターは、1枚ずつ掲示されたとしても、2枚のポスターがどこかつながっているような印象にしたいと考えました。それによって夫婦の絆のようなものが感じられるように、と。カメラマンの瀧本さんにご相談し、二人が向かい合ってごはんを食べているように撮影していただくことになりました。

部屋のセットの中で、実際にはひとりずつ撮影したのですが、お互いが目の前に座っているように、カメラ目線ではなく、相手を見つめて会話しているような雰囲気で撮影していただきました。

それによって、カメラ目線の番宣ポスターとはひと味違う、劇中で演じている雰囲気をそのまま切り取ったような印象になったと思います。

──デザインするうえでこだわったポイントを教えてください。

瀧本さんの写真がとてもすてきに仕上がりましたので、そのすてきな写真を最大限にかせるようにと考えました。それでいて、“朝ドラ”『まんぷく』のポスターなんだということがしっかりわかりやすく伝わるように、ロゴ・文字が目立つレイアウトと入れ方にこだわりました。

ロゴデザインの際は、ラーメンどんぶり、時計、地球、円卓などなど、「ドラマにはさまざまな丸いものがあふれている」ということをうかがいましたので、『まんぷく』は丸でつながってどんどん広がっていくんだ、というイメージで、丸くて親しみやすく読みやすいロゴを考案しました。

──安藤サクラさん、長谷川博己さんのポスター撮影時の印象を教えてください。

安藤さんは、「福子さん」そのものでした。明るくてかわいらしい天真らんまんな少女のような雰囲気の方でした。撮影に入る前、おなかはすいていないとおっしゃっていたのに、撮影中ごはんをお茶わんで何杯も食べてくださったのには、さすがプロだなと思いました。

長谷川さんは、スタジオに入ってこられたときは、キリッとした表情で物静かな印象でした。撮影がスタートすると、ふと「萬平さん」がそこにいました。おいしそうにごはんを食べながら、くるくるとさまざまな表情をしてくださいました。

2ショットでの撮影では、安藤さんがとてもかわいらしい表情になり、長谷川さんは照れくさそうで、でもうれしそうな表情になり、本当に仲むつまじいご夫婦のような印象でした。

撮影・瀧本幹也

写真家 / 1974年愛知県生まれ。94年より藤井 保氏に師事。98年に写真家として独立し、瀧本幹也写真事務所を設立。広告写真をはじめ、グラフィック、エディトリアル、自身の作品制作活動、コマーシャルフィルム、映画など幅広い分野の撮影を手がける。主な作品集に『LAND SPACE』(13)、『SIGHTSEEING』(07)、『BAUHAUS DESSAU ∴ MIKIYA TAKIMOTO』(05)などがある。また12年からは映画の撮影にも取り組む。自身初となる『そして父になる』(是枝裕和監督作品)では第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員賞を受賞。15年には『海街diary』で第39回日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞。17年『三度目の殺人』第74回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門。東京ADC賞、ニューヨーク ADC賞 GOLD、カンヌライオンズ国際広告祭 GOLD、ACC グランプリ、日経広告賞グランプリ、ニューヨーク CLIO AWARDS GOLD、ロンドン D&AD YELLOW PENCILなど、国内外での受賞歴多数。

──撮影時のテーマや、こだわった点について教えてください。

アートディレクターの須川さんとご相談し、『まんぷく』というタイトルにちなんで、朝ごはんを食べるシーンを撮影することになりました。

食べるというのは生きていることの象徴だと思うので、ポートレートではなく動きのある写真を撮ろうと思いました。さらに、根源的な明るさを表現するために、朝の低くて強い太陽の光が窓から差し込む照明的な演出をしました。

福子さんも萬平さんも、それぞれの1ショットポスターはカメラ目線ではないんです。福子さんの手前には萬平さんの朝ごはんがあって、萬平さんの手前には福子さんの朝ごはんがあって。二人はお互いを見て、目を合わせ笑っているんです。そんな幸せな何気ない一瞬を切り取ろうと思い、撮影の際は、レンズの横に福子さんがいるつもりで、萬平さんがいるつもりで、とお伝えしました。

安藤サクラさんではなく福ちゃんを撮る。

長谷川博己さんではなく萬平さんを撮る。

さらにかっこつけた瞬間ではなく、夫婦にしか見せない表情を撮りたいと思いました。

そのために仮編集段階の映像を見て、この人はこういうときにこういうしぐさ、表情をするんだということを事前に頭に入れておきました。

同じ役柄を撮るのであっても、「うそのない役柄」、その瞬間の表情を捉えたいと思いました。そういう表情を撮るには「笑ってください、ここを見てください」とこちら側が指示を出すというより、お二人には役柄に入っていただいて、実際に何杯もごはんを食べてもらって、隣にお互いがいる、と想像してもらうことによって、夫婦の豊かな時間が捉えられたのではないかと思います。

2ショットポスターに関しては、カメラを家の外に出しました。

家の中には二人の生活空間があって、そこで毎朝行われるであろう自然な朝食風景を撮るためには、二人の日常になるような設定が必要で。となると、カメラは外にないとおかしいので、外からのぞき見ているような距離感で撮ることになりました。

ひとりずつのポスターの延長に二人の世界(2ショットポスター)があるんです。

──安藤サクラさん、長谷川博己さんの印象を教えてください。

実際にドラマの撮影現場を見させてもらったのですが、とても和やかな雰囲気でした。

連続ドラマってとても大変、というイメージがあったのですが、いい緊張感の中でいい作品を撮っている、という和やかさを感じました。

安藤サクラさんもすごく楽しそうにされていて。映画『万引き家族』の撮影現場にもお邪魔したのですが、まったく別の人のように見えました。

長谷川博己さんとも以前、あるテレビコマーシャルでご一緒したのですが、そのときのシュッとしたエリートサラリーマンの役とはずいぶん違うなと思いました。

お二人ともまぎれもなく福子さん、萬平さんでした。楽しく撮影が進んでいるということが、お二人の表情から感じられました。

ヒロイン・福子 安藤サクラ

──ポスター撮影時の感想を聞かせてください。

“朝ドラ”のポスターって笑顔がとてもかわいらしかったり、美しかったりするポスターが多い中、今回は、本当にその時のおいしいと思った瞬間とか、楽しいと思った瞬間が切り取られていたらいいな、と瀧本さんともお話をして、とにかく「ホントにおいしい、ホントに楽しい」と思って、カメラの前にいることに気をつけました。

撮影中は少しでも私たちがキメたりすると、シャッターがおりないので、それがだんだんおもしろくなって、萬平さんと二人でずっと笑っていました。「ダメた、美は捨てよう、かわいく、とか、かっこよく、とかいうのは捨てよう!」って二人で言い合って、そういうのは早々にあきらめました(笑)。

──出来上がったポスターを見ての感想を聞かせてください。

2ショットポスターは、萬平さんも私も、そうは言っても“べっぴん”に写りたい気持ちもあって、前髪を触わったり、キメ顔をしようと頑張っていたんですけど、瀧本さんはそうじゃない部分を狙って撮ってくださっていたから、シャッターがおりず。そういうちょっとだけ“べっぴん”に写ろうとしていた自分たちの情けなさに爆笑しているシーンですね、あれは(笑)。出来上がりを見て、あのときのあのおもしろさを思い出しました。劇中のセリフにもありましたが、“べっぴん”にもいろいろありますもんね。

1ショットポスターは、私の顔を見たことない人が見ると、ものすごくアゴの大きい人に見えるなと思うんですけど(笑)、アゴが大きくたって、おいしそうだからいいと思います。ドラマを見てもらったら、ここまでアゴは大きくないから、大丈夫かなと(笑)。

福子の夫・萬平 長谷川博己

──ポスター撮影時の感想を聞かせてください。

なるべく自然な表情を出したいということなんだなと感じていましたので、あまり深く考えないように、瀧本さんと会話をする中で自然に撮っていってもらうという形でした。

「なんかすごい緊張するー」って福ちゃんが言うので、「気楽にやればいいんじゃないの」って(笑)。二人でそんな会話をしてニコニコ笑っているところを撮られたって感じですね。

気楽にと言いながらも、逆に難しいなとも感じました。というのは、萬平という役でいながら、キメないでほしいということでしたので。萬平でいながらも、萬平っぽさを出し過ぎないというか。言葉にするのも難しいですが、僕たちがキメようと思っていると、瀧本さんはシャッターを押されないんですよね。

しかもフィルムでの撮影でしたから、本当に数枚しか撮られなかったと思います。

僕たちが力を抜いているところを狙っているのだろうなと思いつつ、こちらもそこについてはあまり考えないようにする、という感じでした。

──出来上がったポスターを見ての感想を聞かせてください。

1ショットポスターは、僕が食事をしながら、「こんな感じでいいんですか?」と言ったその瞬間の写真なんじゃないかな。

ふだんの僕とは違う表情で、おもしろいなあと思いました。今まで撮っていただいた写真でこういう感じのものはなかったなと思います。「ああ、この表情を選んだんだ」という感覚ですね。福ちゃんの1ショットもなかなか絶妙な瞬間を撮ってますよね。

2ショットポスターは、福ちゃんが「これがいいですよ!」と話していらしたので「じゃあ、それにしよう!」って。1ショットも2ショットも、二人ともふだんしない表情が出ていますよね。

こうして出来上がった『まんぷく』ポスター。

「立花家のある日の幸せな朝食風景」をお楽しみください。


平成30年度後期
連続テレビ小説「まんぷく」

【放送予定】平成30年10月1日(月)~平成31年3月30日(土)[全151回]

【出演】安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平 / 桐谷健太、片岡愛之助、松坂慶子 ほか

【作】福田 靖

【音楽】川井憲次

【主題歌】「あなたとトゥラッタッタ♪」DREAMS COME TRUE

【語り】芦田愛菜

【制作統括】真鍋 斎

【プロデューサー】堀之内礼二郎

【演出】渡邊良雄、安達もじり、保坂慶太

▶「まんぷく」ホームページ

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