ベストセラー小説を緊迫感あふれる演出で映画化

ジャッカルの日【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

1月10日(木)[BSプレミアム]後1:00

1962年、フランス大統領・シャルル・ドゴールは、支配下だったアルジェリアの独立を承認、反対する過激派はドゴールの暗殺を計画し、プロの暗殺者を雇います。ジャッカルと名付けられた暗殺者は、着々と準備を進めフランスに入国、一方、当局は、ジャッカルの行方を突き止め、阻止しようとしますが…。今回ご紹介するのは、傑作サスペンス「ジャッカルの日」(1973)です。

知名度はまだなかったエドワード・フォックスが熱演

原作はイギリスの小説家・フレデリック・フォーサイスのベストセラー小説。フォーサイスは、ジャーナリストとして携わったさまざまな取材経験をかし、事実とフィクションを織り交ぜ、緊迫感あふれる物語を作りあげました。その小説を一晩で読み、映画化を即決したのがフレッド・ジンネマン監督です。

1907年、オーストリアに生まれたジンネマン監督は、映画監督を志し、1920年代にアメリカへわたります。その下積み時代に知り合ったのが、ドキュメンタリー映画の先駆者・ロバート・フラハティでした。ともに映画の製作を企画し、実現はしませんでしたが、大きな影響を受けたということです。その後、メキシコでドキュメンタリー映画を製作し、ハリウッドで監督となったジンネマンは、映画会社と衝突しながらも、自分の意思を貫いて数々の映画を発表、アカデミー賞には10回ノミネートされ、「地上より永遠に」(1953)と、製作・監督を務めた「わが命つきるとも」(1966)の2作品で作品賞・監督賞を受賞するなど、その作品は高く評価されています。

この映画では、リアリティーを重んじるジンネマン監督のキャスティングがえています。ジャッカルを演じるのはイギリス出身のエドワード・フォックス。当時はまだ気鋭の俳優で、知名度はありませんでしたが、敏捷びんしょうでクールなジャッカルを見事に体現し、世界的に注目されました。ジャッカルを追うフランス警察のルベル警視を演じるのは、ルイス・ブニュエル監督の作品をはじめ、国際的に活躍するフランス出身のマイケル・ロンズデール。さらに、アイルランド出身の名優シリル・キューザック、「去年マリエンバートで」(1960)をはじめ、数々の傑作に出演した気品あるフランスの名女優デルフィーヌ・セイリグと実力派が出演しています。

ジンネマン監督は、ロケ撮影を多用し、ドキュメンタリー・タッチで迫真の作品に仕上げました。とりわけ、パリ市内で撮影されたクライマックスは迫力満点です。

何度見ても面白い傑作サスペンス、じっくりご覧ください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「ジャッカルの日」
1月10日(木)[BSプレミアム]後1:00〜3:24

そのほかの映画情報はこちら


坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

取り上げた番組はこちらです!

検索 NHKサイトでもっと探す

関連記事

その他の注目記事