オードリー・ヘプバーンの衣装にも注目!
ロマンチックコメディーの名作♥

おしゃれ泥棒【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

1月23日(水)[BSプレミアム]後1:00

美術収集家のシャルルは、実はがん作画家でコレクションは偽物ばかり。美術商に依頼された私立探偵のデルモットはシャルルの家に忍び込みますが、そこで出会った娘のニコルに一目ぼれしてしまいます。一方のニコルはデルモットを泥棒と思いこみ、贋作を盗み出すよう頼みますが…。
今回ご紹介するのはロマンチックコメディーの名作です。

衣装もセットも“おしゃれ”!

ニコルを演じるのはオードリー・ヘプバーン。可愛かわいらしくてエレガント、今も多くの女性の憧れでありつづけています。オードリー・ヘプバーンといえば、ジバンシーの衣装が有名ですが、この作品でも60年代ならではのポップな服からシックな服まで、次々に登場します。デルモットを演じるのはピーター・オトゥール。長身で青い瞳が印象的、「アラビアのロレンス」(1962)で世界的なスターとなった名優ですが、この作品では、ちょっととぼけたハンサムな探偵を楽しそうに演じています。

監督はハリウッド映画を代表する巨匠・ウィリアム・ワイラー。1902年、現在のフランス北東部・ミュルーズに生まれたワイラーは、映画監督を志し、20年代に渡米、サイレント時代から西部劇やコメディーなどの演出をてがけ、「ミニヴァー婦人」(1942)「我等の生涯の最良の年」(1946)「ベン・ハー」(1959)で3度のアカデミー監督賞を受賞、60代半ばのこの作品は、まさに大御所の余裕が感じられる、ユーモアたっぷりの演出をみせています。

フランスで撮影されたこの作品、屋敷や美術館、ホテルなど、見応えたっぷりのゴージャスなセットを作りあげたのは天才美術監督アレクサンドル・トローネです。1906年、ハンガリーで生まれたトローネはフランスへわたり、L・ブニュエル監督の伝説的作品「黄金時代」(1930)に参加、M・カルネ監督の「天井棧敷の人々」(1945)、トローネを深く信頼したB・ワイルダー監督の「アパートの鍵貸します」(1960)でアカデミー賞を受賞、H・ホークス監督の「ピラミッド」(1955)、O・ウェルズ監督の「オセロ」(1952)、L・ベッソン監督の「サブウェイ」(1985)と、国境を越え、さまざまな名監督たちの作品で創意工夫に富んだ美術デザインをてがけ、晩年まで斬新でありつづけました。

オードリーがベッドで読んでいるのは、日本でも出版されていた「アルフレッド・ヒッチコック・ミステリ・マガジン」のフランス版。自作に出演し続けたサスペンスの巨匠の写真も登場します。ワイラー監督の、同時代の大監督への洒落しゃれっ気ある目くばせにうれしくなってしまいます。どうぞお見逃しなく。

【放送日時】
プレミアムシネマ「おしゃれ泥棒」
1月23日(水)[BSプレミアム]後1:00〜3:04

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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