鬼才・スタンリー・キューブリックの怖~い映画!

シャイニング【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

2月2日(土)[BSプレミアム]前0:15(金曜深夜)

作家を目指し、孤独になれる時間と場所を求めていたジャックは、冬の間、大雪で閉鎖されるホテルに、管理人として、妻と息子の3人で住みこむことになります。歴史ある大きなホテルには忌まわしい過去が。やがてジャックは、ホテルに巣くう邪悪なものたちにそそのかされ、次第に狂気に陥っていきます…。
今回ご紹介するのは、鬼才・スタンリー・キューブリック監督の怖~い映画です。

キューブリックの映像美学に魅せられる

「2001年宇宙の旅」(1968)、「バリー・リンドン」(1975)…、短編も含め監督作品は、わずか16本、そのどれもが高く評価されているキューブリック監督。今年で没後20年になりますが、類いまれな映像美、緻密に作りあげられた作品は、今も熱狂的に支持されています。

原作は世界的なベストセラー作家・スティーブン・キングの小説。「ショーシャンクの空に」(1994)、「IT/イット」(1990)など、数多くの作品が映像化されています。

キューブリック監督の作品は、説明やプロットを排し、スペクタクルに徹するかのような演出が印象的ですが、この作品でも、原作を大幅にアレンジし、独自の世界を作りあげました。
ホテルの内部は、すべてイギリスの撮影所に作られたセットですが、冷たい冬の光の差し込み具合や、パーティールームの妖しげな照明は絶品で、まるで本当にホテルが存在し、邪悪なものが潜んでいるかも…と思ってしまうほど、リアリティーとファンタジーが見事に調和しています。また、カメラがぶれない特殊な装置を駆使した移動撮影や、シンメトリカルな構図も強烈で、全編を貫くキューブリック監督の映像美学に魅せられ、何度も見るファンが多い、というのも納得です。

主演はジャック・ニコルソン。カウンター・カルチャーを代表する名作「イージー・ライダー」(1969)で注目され、70年代以降数々の名作に出演、アカデミー賞に12回ノミネート、3回受賞している名優です。この作品では、やりすぎとも思えるほど、おおげさにユーモアも交えて熱演、百面相のような表情にご注目ください。

納得できるまで何十テイクでも撮影し、俳優にも厳しかったというキューブリック監督ですが、当時6歳で、息子を演じた映画初出演のダニー・ロイドには、撮影中、恐ろしい思いをすることがないよう格別の注意を払い、ロイド自身は、ファミリー・ドラマの撮影だと思っていたということです。

公開から約40年たった今も、究極のホラー映画との呼び声も高い傑作、キューブリック監督の映像美をご堪能ください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「シャイニング」
2月2日(土)[BSプレミアム]前0:15〜2:16(金曜深夜)

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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