すべての映像が躍動!
エモーションにあふれた3時間28分!

七人の侍【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

3月21日(木)後1:00〜4:28

戦国時代、盗賊となった野武士の略奪に苦しめられていた農民たちは、侍を雇い、戦うことを決意します。農民たちの窮状を知った浪人・島田勘兵衛は、侍を集め、農民たちとともに野武士に戦いを挑みますが…。
今回ご紹介するのは今も世界中で絶賛される日本映画の金字塔です。

黒澤 明の代表作 “外国語の偉大な映画100本”で1位に!

アメリカのスティーブン・スピルバーグ、フランシス・フォード・コッポラ、マーティン・スコセッシ、ジョン・カサベテス、イタリアのフェデリコ・フェリーニ、ベルナルド・ベルトルッチ、ギリシャのテオ・アンゲロプロス、スウェーデンのイングマール・ベルイマン、ロシアのアンドレイ・タルコフスキー、イランのアッバス・キアロスタミ、メキシコのアルフォンソ・キュアロン、韓国のポン・ジュノ…、世界中の映画作家から敬愛された黒澤 明監督。その輝かしい作品のなかでも、代表作といえば、ベネチア映画祭銀獅子賞を受賞したこの作品だと思います。公開から65年が経ちますが、去年、イギリスBBCが、世界中の映画評論家に投票をよびかけ発表した“外国語の偉大な映画100本”で1位に輝き、大学や映画学校では教材として広く研究されるなど、評価は高まるばかりです。

物語・演技・映像、すべてが完璧ともいえるこの作品、もともとは、武士の一日をリアルに描きたいという発想からリサーチが行われ、黒澤監督と名脚本家・小国英雄・橋本忍の3人で物語を作りあげたということです。

知性と優しさにあふれる冷静なリーダー・勘兵衛を演じるのは志村 喬。「生きる」(1952)をはじめ、黒澤作品には欠かせない名優です。勘兵衛に忠実な部下・七郎次は加東大介、穏やかで経験豊富な五郎兵衛は稲葉義男、剣の達人・久蔵は宮口精二、愛嬌あいきょう者の平八は千秋実、血気あふれる若者・勝四郎は木村 功、そして破天荒な菊千代は三船敏郎と、名優たちが個性的な侍を見事に体現しています。さらに、高堂国典、藤原釜足、左 卜全、土屋嘉男、津島恵子といった方たちが演じる農民も強く印象に残ります。

スローモーションやパン・フォーカス、複数のカメラでのマルチカム撮影、感情を表現するかのような風、霧、ほこりと、映画ならではの意匠が施された映像美、クライマックス、降りしきる豪雨での合戦は、迫力に圧倒され、息つく暇もありません。そして名作曲家・早坂文雄の音楽。すべての映像が躍動し、エモーションにあふれた3時間28分、何度見ても面白い傑作中の傑作を、どうぞお楽しみください!

【放送日時】
プレミアムシネマ「七人の侍」
3月21日(木)[BSプレミアム]後1:00〜4:28

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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