クリント・イーストウッド、ジェームズ・キャメロン
話題作品を放送!

タイタニック ほか【渡辺祥子のシネマ温故知新】

プレミアムシネマ4月の注目作品

今月は、『グラン・トリノ』(2008)以来10年ぶりの監督・主演作『運び屋』が公開され、5月31日に89歳になるとは思えない軽妙な演出術で楽しませたクリント・イーストウッドの話題作2本が放送される。

1本はアカデミー作品賞と監督賞を受賞、自らも出演した『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)。もう1本はアンジェリーナ・ジョリーが息子を誘拐される母親を演じ、自らは監督だけの『チェンジリング』(2008)。どちらも公開時に大きな話題を呼び、演出家イーストウッドの名が高まった。このイーストウッドは、若い日に3本のイタリア製西部劇(マカロニ・ウェスタン)に出演したことで知られ、撮影現場で演出術を学んだと言っているが、その中の1本『続 夕陽のガンマン 地獄の決斗』(1966)の熱烈ファンたちの行動を捉えたドキュメンタリー映画『サッドヒルを掘り返せ』が現在公開中で大人気だ。

【放送日時】
プレミアムシネマ「ミリオンダラー・ベイビー」
4月8日(月)[BSプレミアム]後9:00~11:14

プレミアムシネマ「チェンジリング」
4月15日(月)[BSプレミアム]後9:00~11:23

ワールド・プレミアが第10回東京国際映画祭だったのがジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』(1997)。これは「イギリスのサウサンプトンからニューヨークに向けて航行中の1912年4月15日、北大西洋上で氷山に衝突して沈没した豪華客船タイタニック号の実話に『ロミオとジュリエット』の話を組み合わせて作った物語」と、20世紀フォックスに企画を持ち込んだ時、ジェームズ・キャメロン監督は説明したそうだ。アカデミー賞では14部門が候補にあがり、そのうちの作品、監督、撮影、衣装、美術、音楽、主題歌賞などをふくむ11部門で受賞した。アカデミー賞の授賞式の際、ジェームズ・キャメロンと作品賞候補作『タイタニック』を紹介したのはキャメロンの『ターミネーター』(1984)が出世作になったアーノルド・シュワルツェネッガーだった。「私とキャメロンは3本の映画を撮りました。彼がまだ低予算で芸術映画(笑)を撮っていた時代の話です」。

映画の中でもっとも有名な船首に手を広げて立つケイト・ウィンスレットのローズをディカプリオのジャックが後ろから抱くシーンで、彼らの背後に輝く夕陽はCGではなく本物。ドラマの後半で水に濡れるウィンスレットの衣装は、同じものが24着も作られたそうだ。映画の成功にはなんといってもディカプリオの存在が大きいが、キャメロンは4月29日に放送される『タイタニック』に続いて翌30日に放送の『スタンド・バイ・ミー』(1986)の頼もしい少年を演じたリバー・フェニックスをジャックに考えていた。ところが彼の急死でディカプリオに注目。あまりヤル気がなかった彼に会ったキャメロンは、なんとしてでも出演を承知させようと決意したと言っている。それくらいキャメロンがディカプリオに初めて会った時の印象は若々しく、みずみずしく、キラキラと輝いていたそうだ。

ところがアカデミー賞では共演のケイト・ウィンスレットが主演女優賞候補に挙がったのに主演賞候補者の中にレオナルド・ディカプリオの名がなく、彼の心に大きな影を落とすことになった。話題の大作映画の主役なのに主演男優賞を受賞しなかったのが『風と共に去りぬ』(1939)のレット・バトラー役クラーク・ゲーブルだったが、彼は候補には挙がっていた。

【放送日時】
プレミアムシネマ「タイタニック」
4月29日(月)[BSプレミアム]後1:00~4:16

プレミアムシネマ「スタンド・バイ・ミー」
4月30日(火)[BSプレミアム]後1:00~2:30


渡辺祥子

【コラム執筆者】渡辺祥子(わたなべ・さちこ)さん

共立女子大学文芸学部にて映画を中心とした芸術を専攻。卒業後は「映画ストーリー」編集部を経て、映画ライターに。現在フリーの映画評論家として、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等で活躍。映画関係者のインタビュー、取材なども多い。また映画にとどまらずブロードウェイの舞台やバレエなどにも造詣が深い。著書に「食欲的映画生活術」、「ハリウッド・スキャンダル」(共著)、「スクリーンの悪女」(監修)、「映画とたべもの」ほか。

取り上げた番組はこちらです!

検索 NHKサイトでもっと探す

関連記事

その他の注目記事