2大スターが火花を散らす!
文句なしにおもしろい西部劇!

ヴェラクルス【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

4月2日(火)[BSプレミアム]後1:00

今回ご紹介するのは、2大スターが火花を散らす傑作西部劇です。
舞台は革命にゆれるメキシコ。元南軍将校のベンと無法者のジョーは、伯爵令嬢を馬車でヴェラクルスまで送り届けることになりますが、馬車には金が隠されていることを知ります…。

ゲーリー・クーパー×バート・ランカスター×傑作西部劇

ベンを演じるのはゲーリー・クーパー。1901年生まれ、長身でハンサム、サイレント時代から活躍し、「ヨーク軍曹」(1941)「真昼の決闘」(1952)で2度のアカデミー主演男優賞を受賞した、ハリウッドを代表する大スターです。ジョーを演じるのはバート・ランカスター。1913年生まれのランカスターは貧しい家庭に生まれましたが、運動が得意で、アクロバットチームを結成してサーカスで活躍し、その後演技に開眼、30歳を過ぎてから舞台デビューし、映画界に入りました。この作品では黒づくめの服で、ニヤリと歯を見せて笑う不敵な表情が何とも印象的です。ピュリツァー賞作家で「パリ、テキサス」(1984)の脚本や「ライトスタッフ」(1983)の俳優としても知られる1943年生まれのサム・シェパードは、少年時代、この映画のランカスターの表情を真似まねしたと、詩と散文でつづった「モーテル・クロニクルズ」で回想しています。

当時のハリウッドでは映画会社が大きな力を持っていましたが、ランカスターは、企画・製作にも積極的に携わりたいと、プロデューサーのハロルド・ヘクトとプロダクションを設立、この映画でも製作を手がけています。その後も、主演作「成功の甘き香り」(1957)や、アカデミー作品賞を受賞した「マーティ」(1955)などの名作を製作しました。ブラッド・ピット、トム・クルーズはじめ、俳優が独立プロを設立して映画を製作するのは今では珍しくありませんが、ランカスターは、その先駆けともいえる存在だと思います。

監督はロバート・アルドリッチ。生っ粋のハリウッド映画人であり、活劇でありながら作家性を強く感じさせる傑作を次々発表、反権力・反骨の映画作家として高く評価される名監督です。ランカスターは、西部劇「アパッチ」(1954)でアルドリッチ監督と意気投合、続いてのこの作品は大ヒットになったということです。その後も「ワイルド・アパッチ」(1972)「合衆国最後の日」(1977)と、計4本に出演したランカスターは、アルドリッチ監督の研究書では序文を執筆し、映画製作だけでなく、考え方や価値観、人格に深く信頼を寄せていたと記しています。

文句なしにおもしろい西部劇、映画の魅力をご堪能ください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「ヴェラクルス」
4月2日(火)[BSプレミアム]後1:00〜2:35

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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