男の色気満点のハードボイルド映画

仁義【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

4月11日(木)[BSプレミアム]後1:00

今回ご紹介するのは、フランス映画を代表する大スター・アラン・ドロンとイヴ・モンタン、イタリアの名優ジャン・マリア・ボロンテが共演した、男の色気満点の傑作犯罪映画です。

フランスを代表する名優の共演に注目!

刑務所帰りのコーレイは、脱獄犯のボジェルに偶然危機を救われ意気投合、射撃の名手で元警官のジャンセンを仲間に加え、高級宝石店の襲撃を計画します。その結末は…。

ドロンは当時30代半ば、鋭いまなざしとクールな立ち居振る舞いは、まさに大スターの貫禄です。ボジェルを演じるジャン・マリア・ボロンテは1933年生まれ。セルジオ・レオーネ監督の「荒野の用心棒」(1964)「夕陽のガンマン」(1965)の悪役で注目され、マカロニ・ウエスタンや、重厚なドラマで知られる社会派・フランチェスコ・ロージ監督の数々の名作に出演しました。野性味あふれる個性が印象的ですが、カンヌ・ベルリン映画祭で男優賞、ベネチア映画祭では栄誉金獅子賞を受賞した演技派です。ジャンセンを演じるのはイヴ・モンタン。1921年生まれ、俳優・シャンソン歌手として活躍、とりわけ「枯葉」はスタンダードとして広く知られています。犯罪映画からコメディーまで、幅広いジャンルに出演、この作品は代表作の一つです。さらに、フランスではコメディアンとして人気の高かったアンドレ・ブールビル演じる老練の刑事も印象的です。

フランスで大ヒットしたこの作品、監督・脚本はジャン・ピエール・メルヴィル。1917年生まれのメルヴィルは、第二次大戦中はレジスタンスとして活動、戦後、製作・監督・脚本をてがけた「海の沈黙」(1947)で一躍注目されました。メルヴィルは、いわば自主制作でこの映画を作りあげ、アメリカ映画に心酔していたことから、ヌーベルバーグの映画作家から尊敬され、ジャン・リュック・ゴダール監督の長編第1作「勝手にしやがれ」(1959)に出演しています。「サムライ」(1967)「いぬ」(1963)など監督作は14本、ジョン・ウー、ジョニー・トーといったアジアの名監督も、寡黙な男たちのドラマから影響を受けたと語っています。

青や灰色を基調にした、渋い色調の映像はアンリ・ドカエ。ドカエの撮影監督としてのデビューも「海の沈黙」で、その後「大人は判ってくれない」(1959)「いとこ同志」(1959)といった傑作や「太陽がいっぱい」(1960)、アメリカ映画まで幅広く活躍、メルヴィル作品7本をてがけ、これが最後のコラボレーションとなりました。

友情、裏切り、メルヴィル監督ならではのハードボイルドをご堪能ください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「仁義」
4月11日(木)[BSプレミアム]後1:00〜3:22

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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