失踪した息子が発見されたが…現れたのは別人だった

チェンジリング【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

4月15日(月)[BSプレミアム]後9:00

1920年代のロサンゼルス。電話会社に勤めるクリスティンは、9歳の息子、ウォルターと2人で暮らしていました。ある日、最愛の息子が行方不明に。5か月後、警察から、ウォルターが発見されたとの連絡が入りますが、全くの別人でした…。
今回ご紹介するのは、クリント・イーストウッド監督の衝撃作です。

イーストウッド監督の真骨頂!“独特の光と影の世界”

クリスティンを演じるのはアンジェリーナ・ジョリー。1975年生まれ、父親は「真夜中のカーボーイ」(1969)などのジョン・ボイトです。10代からファッション・モデルとして活動していたジョリーは、演技にめざめ、20代半ばで出演した「17歳のカルテ」(1999)でアカデミー助演女優賞を受賞、アクションから恋愛ドラマまで、数々のヒット作・話題作に出演、近年は監督もてがけています。また、数々の国際的人道支援や慈善活動、ブラッド・ピットとの結婚・離婚でも知られています。この作品では、息子を取り戻そうと、信念を貫き、懸命に行動する母を力強く演じ、アカデミー主演女優賞にノミネートされました。

実話をもとにしたこの作品、ずさんな捜査や体面を保つための不正など、警察のさまざまな腐敗も大きなテーマとなっています。その警察の不正を追及し、クリスティンを支援する牧師を演じるのがジョン・マルコヴィッチ。「マルコヴィッチの穴」(1999)という映画が作られてしまうほどの強烈な個性と演技力で、スティーブン・スピルバーグ、ベルナルド・ベルトルッチ、マノエル・ド・オリヴェイラと、数々の名監督の作品に出演、国際的に活躍しています。この作品でも抜群の存在感で演じています。

この作品で、イーストウッド監督は演出に専念し、青と黒の色調をベースに、ノワールのような独特の光と影の世界を作りだしています。撮影はトム・スターン。イーストウッドとは名コンビの名撮影監督・ブルース・サーティースのもと、照明担当として「センチメンタル・アドベンチャー」(1982)からイーストウッド作品に参加、「ブラッド・ワーク」(2002)以降は、撮影監督として、その映像美を作りだしています。A・ジョリーの唇・口紅の赤が、モノクロを思わせる抑えた色彩の絶妙のアクセントとなっています。そして「アウトロー」(1976)以降、イーストウッド監督の相棒であり、女房ともいえる要のスタッフ、ジョエル・コックスの見事な編集が、映画ならではの緊張感あふれるドラマに仕上げています。

イーストウッド監督の真骨頂ともいえる名作、じっくりご覧ください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「チェンジリング」
4月15日(月)[BSプレミアム]後9:00〜11:23

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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