番組スタッフが実際にゾンビメイクをやってみた

アナザーストーリーズ 運命の分岐点

5月21日(火)「“カメラを止めるな!”~低予算×無名が生んだ奇跡~」
【再放送】5月27日(月)[BSプレミアム]後11:45

2017年11月4日に初公開された映画『カメラを止めるな!』。予算わずか300万円、当初の上映館はたったの2か所、監督も俳優陣もまるで無名という地味な作品が、なぜここまでの大ヒット映画に化けたのでしょうか。

番組では、上田慎一郎監督の証言、冒頭37分間の1カットシーンに詰まった技術、そして出演者たちの熱意という3つの視点から、観客を熱狂させた異色のゾンビ映画の奇跡のストーリーに迫ります!

今回は、大沼宏行ディレクター、三毛かりんディレクターに、番組の見どころをお聞きしました。

 超低予算の理由とは?

──番組で迫る3つの視点について教えてください!

大沼:視点1は、監督・脚本・編集の上田慎一郎さんに、この映画がどうやって作品になっていったのかという話をお聞きしています。そもそもこの映画は、ある映画専門学校のワークショップのプロジェクトが発端だそうで、その募集でやってきたのが上田監督や出演の方々です。そして、ワークショップなので参加費がある。その参加費が映画の予算の大半を占めていたそうで、それが「超低予算映画」の内訳ということです。

また、上田監督には劇中後半に全ての伏線を回収していくという“ストーリーの手法”や、この大ヒットを予想していたのかなども伺っています。

監督・脚本・編集の上田慎一郎さん

 ゾンビメイクのスゴ技!

──視点2はどんなことに迫ったのですか?

大沼:次に迫ったのは、やっぱり冒頭の37分のワンカットをどう撮影しているのか、その裏側はどんな作りになっていたのかが知りたくて、技術チームを取材しました。あの37分を一人で追ったのが、カメラマンの曽根剛さんです。その冒頭シーンは、「この映画はゾンビ映画なんですよ」と強く思わせるようなものなんですね。映像にも勢いがあって、カメラワークも縦横無尽です。そこに、ゾンビメイクの方、音声さん、監督も一体になって動いた撮影の裏側をご覧いただきます。

カメラマンの後ろには、首のない人形を抱えたスタッフが……

大沼:その37分間で一番大変なのは、瞬時にゾンビになるという特殊メイクなんだそうです。劇中に出てくる“片腕がないゾンビ”は、わずか40秒で特殊メイクされたゾンビ。その技がいかにすごいかを、僕が実際に体験、つまりゾンビメイクをしていただきました!

特殊メイクを担当したのは、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(2015)、『シン・ゴジラ』(2016)などでも活躍された下畑和秀さんです。下畑さんも、どこに向くか分からないカメラから映らないところに身を潜め、すきを見計らってメイクしたそうです。さらに下畑さんは、メイクのほかにも血のしぶきのシーンに合わせて血を噴射させることなども担っていました。下畑さんいわく血しぶきは得意だそうで、有名なところで言うと、『シン・ゴジラ』の第2形態(通称・蒲田くん)のエラから飛び散る血しぶきは下畑さんが担当したそうです。

40秒のゾンビメイクシーン

大沼:視点2ではほかにも、「37分のシーンを“止めてしまった”」など、撮影中の失敗談なども伺っています。そのときどんな空気になったのか、いつ気づいたのかなどお話しいただいたので、止めてしまったのは誰なのかを想像しながら番組を見てくださるとより楽しめるかもしれません(笑)。

 出演者の地道な努力!

──続いて視点3はいかがでしょう?

三毛:最後は、ここまでの大ヒットに貢献した出演者の方々に迫っています。この作品の出演者さんは本当に熱量がすごく、自分たちで分担してビラ配りをしたり、舞台挨拶を率先して行ったり、そういった地道な行動が最終的にヒットにつながったんだと思います。

中でも、劇中では1分しか登場シーンがなく、セリフも3言しかないという出演者のひとり、曽我真臣さんが本当にすごいんです! ビラ配りはもちろん、139日も各地で映画館の舞台挨拶をした方です。今回、ビラ配りをした町を主演の濱津隆之さんと歩いていただきました。声をかけられるのは濱津さんばかりでしたが(笑)、実際に曽我さんも地道な映画館通いやビラ配りでだんだん人気になっていったんだそうです。その過程なども見ていただければと思います。

主演の濱津隆之さんと、1分しか登場シーンがなくセリフも3言しかない曽我真臣さん(右)

三毛:ほかにも、監督の奥さん役で出演したしゅはまはるみさん、テレビ局のプロデューサー役のどんぐり(竹原芳子)さんにもお話を伺っています。無名の監督の元に集まり、参加費も払い、どれほど演技をしたかったのか。そのモチベーションの源などに迫っています。

──取材を通して、印象に残っている言葉などはありますか?

大沼:37分のワンカットは、台本上も“37分のワンカットで撮影”となっているんですね。実はこれ、最初はみなさんから反対されていたそうで、そのときの上田監督の口説き文句が、「映画の中の人たちがワンカットで撮影しているのに俺たちが撮らないでどうするんだ」。みなさんそれに大感動しちゃったそうで、そこのエピソードは聞いていておもしろかったです(笑)。

三毛:どなたとかに限ったことではないんですけど、みなさんあの映画が心の底から大好きで、だから見てほしい、映画を知ってほしいという気持ちを感じることができました。みなさん、それまでもがいていた方々なので、この大きな反響に初めて自分が認められたと思ったと口々に言うんですね。こんなに作品を愛してくれる人がいるなら、自分がやってきたことに間違いはなかったと話す、熱いインタビュー全てが印象的でした。そういった熱もそのままお届けしたいと思っています。

濱津さんが「日本アカデミー賞」でいただいたトロフィー。今はお父さんの仏壇に置いているそう

──ちなみに、映画を見てない人でも楽しめるのでしょうか?

大沼:もちろんです! これから見る方にはネタバレにはならないように映画の紹介もしますし、見た方には裏側を知っていただいて、より興味を持っていただけるのではないかと思います。

三毛:そこに関わった方々の思いと、このヒットにつながっていった仕組みなどは、見ていない方でも楽しめると思います。映画の裏側の裏側を描いたつもりですので、ぜひ楽しみにしていてください!

番組ではさらに、リピーターのお客さん、上映を続けている映画館の方にも、“カメ止め”が巻き起こしたその熱い旋風について伺ったそうです! ぜひご覧ください~!

アナザーストーリーズ 運命の分岐点

【放送予定】5月21日(火)[BSプレミアム]後9:00
【再放送】5月27日(月)[BSプレミアム]後11:45

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