「深読み読書会」に初のマンガ作品
『進撃の巨人』が進撃!

シリーズ深読み読書会「進撃の巨人~人類再生の物語」

7月3日(水)[BSプレミアム]後10:00
(再放送)7月14日(日)[BSプレミアム]前1:15※土曜深夜

必読の作家・作品の魅力に迫る文学エンターテインメント「深読み読書会」。

今回取り上げるのはマンガ『進撃の巨人』! 漫画家・諫山創いさやまはじめさんが2009年から連載を開始した同作は、そのダークな世界観、謎に包まれたストーリー展開が多くの読者の心をつかみ、コミック28巻の累計発行部数は国内だけで8000万部を超す人気作品です。NHK総合で放送中のアニメ「進撃の巨人」も、多くの反響を呼んでいます。そんな現在進行中の作品を、「文学探偵」である出演者たちはどう読み解いていくのでしょうか?

今回は、番組の司会進行も務めた長嶋プロデューサーに、『進撃の巨人』を取り上げた理由、番組で苦労された点や収録での印象などをお聞きしました。

 『進撃の巨人』は深読みしがいのある作品

──今回取り上げた『進撃の巨人』は、「深読み読書会」初のマンガ作品となります。

これまで「深読み~」を制作してきて、マンガをちゃんと読み解きたいという思いは昔からありました。実際に読んでみると、まさに深読みしがいのある作品というか。あまりにもいろんな要素が詰まっていて、構成がすごく大変になるだろうなと思いました(笑)。現在刊行しているのは28巻までです。まだ完結しておらず、あそこまで世界観が広がっている作品を読み解くのは、なかなか難しかったですね。

──長嶋さん自身は、実際にマンガを読まれていかがでしたか?

“壁”とか“巨人”とか、その中にいろんなメタファーを抱えているキーワードがポンポンと出てきて、戦うこととか、自由とか、今の文学や芸術ではそんなにあからさまにできないものが描かれていておもしろかったし、新鮮でした。僕が子どものころに読んだ白土三平さんの『カムイ伝』や、手塚治虫さんの『火の鳥』のように、今の若い子たちにとって古典的作品になるんじゃないだろうか。そんなすごさを感じました。

 漫画家・新井英樹さんの出演は注目です

──ご出演の文学探偵の皆さんについて聞かせてください。

今回は、作者の諫山さんと同世代の鈴木杏さん、漫画家の新井英樹さんは50代、そして団塊世代の高橋源一郎さん、鹿島茂さんにご出演いただきます。

例えば作中で“壁を巨人が乗り越えてくる”シーンを、高橋さんは3.11(東日本大震災)で津波が防潮堤を乗り越えてくるみたいなことと重ねて読まれたそうですし、杏さんは読者世代に一番近いんですけど、“壁に守られていたウソ”に気づいてゆく作中人物と、震災で“大人が言っていた安全神話がウソだったと気づかされた”自分たちとシンクロし、リアルに揺さぶられたそうです。「自分たちで物事をちゃんと考えなければいけない」ということを繰り返し話していて、それがすごく印象的でした。

──新井英樹さんが、同じ漫画家として「進撃」をどうとらえているのかも注目ですね。

恐らく、漫画ファンの皆さんの中には「新井英樹が出るの!? どんな人!?」と楽しみにする人もいると思います(笑)。新井さんは、『宮本から君へ』や『ザ・ワールド・イズ・マイン』、『愛しのアイリーン』といった漫画史に残るような傑作を描いている方で、諫山さんもすごく尊敬されている人だと聞いています。

特に『ザ・ワールド~』は、ある事件を起こしながら旅する2人組の男と、ヒグマドンという怪獣が町を破壊してゆく話で、その2つのストーリーが重なり合って“世界の終末”のようなものを描いている。だから『進撃~』と通じるものがあるかなと思い、今回お声がけをしました。新井さんの、漫画家ならではの読み方がおもしろかったですね。

高橋源一郎さんと鹿島茂さん

──文学探偵の皆さんが読み解かれていく話で印象的だったのは?

皆さんからは、アルベール・カミュの小説『ペスト』、カート・ヴォネガットのSF小説『タイタンの妖女』、フリードリヒ・エンゲルスの『家族・私有財産・国家の起源』、といったように、『進撃~』から連想されたいろんな作品の話が出てきました。恐らく、作者の諫山さん自身がいろんなものをサンプリングしているんだろうなと。

ほかにも、“壁”が何を象徴しているのかというところも話していただきましたが、 “人間の心の中にある壁みたいなものじゃないか”というフロイト的な話題が印象的でした。

とにかく皆さん、良い意味ですごく断片的なことに引っかかりを覚えるというか。“そこですか!?”ということが結構あって、収録時間も4時間半近くと、いつも以上にかかりました(笑)。

 文学探偵の皆さんの混乱ぶりも楽しんでください(笑)

──文学探偵の皆さんが、まだ完結していない作品をどう読み解いていくのか楽しみです。

番組は、どこか連載の読書実感に寄り添えるようにしたいと思い、謎が開示されていく展開に合わせて構成しましたが、それがとっても難しかったです(笑)。文学探偵の皆さんは28巻まで読んでいるので…、放送ではその辺の混乱ぶりをぜひ楽しんでもらいたいです(笑)。

番組ではほかにも「進撃~を一言でいうと?」「作中の推しメンは?」「調査兵団とは?」「勝手にラスト予想」という議論も! マンガ組も、アニメ組も、ぜひお楽しみに!

シリーズ深読み読書会「進撃の巨人~人類再生の物語」

【放送予定】7月3日(水)[BSプレミアム]後10:00
(再放送)7月14日(日)[BSプレミアム]前1:15※土曜深夜

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