男の友情、悪漢との対決をユーモアたっぷりに描く

エル・ドラド【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

7月23日(火)[BSプレミアム]後1:00

ベテランのガンマン、コールは、牧場主のジェイソンのもとで働くため、テキサスのエル・ドラドにやってきます。しかしコールは、友人で保安官のハラーから、ジェイソンが悪者だと知らされ、仕事を断り、街を去ります。半年後、コールは、ハラーが失恋の痛手から酒浸りになっていると聞き、エル・ドラドに戻りますが…。
今回ご紹介するのは、娯楽映画の要素がギュッと詰まった傑作西部劇です。

名優たちが楽しそうに演じる登場人物の会話が魅力的

監督 ハワード・ホークス、主演 ジョン・ウェイン、脚本 リー・ブラケット、ハンディのある保安官たちが、力を合わせて悪漢に立ち向かう物語は傑作「リオ・ブラボー」(1959)の変奏曲として知られています。

余裕と貫禄でコールを演じるのが当時50代後半のジョン・ウェイン、ハラーを演じるのがロバート・ミッチャムです。ウェインの10歳年下、頑健な体格と“スリーピー・アイ”とよばれるまなざしが印象的な名優ミッチャムは、貧しい家庭に生まれ、プロボクサーなど、さまざまな職業を経て1943年に映画デビュー。「G・I・ジョー」(1945)でアカデミー賞にノミネートされ、一躍注目されます。ノワール「過去を逃れて」(1947)、現代西部劇「不屈の男たち」(1952)、スリラー「狩人の夜」(1955)、戦争映画「眼下の敵」(1957)などの傑作・名作に出演、ヒーローから悪役まで幅広いキャラクターを演じ、97年に亡くなるまで活躍しました。

ウェインとの初の本格的共演作となったこの作品では、大先輩をたてながらも、失恋で酒浸りになり、仲間に助けられて復帰する保安官を存在感たっぷりに演じています。さらに大ベテランのアーサー・ハニカット、R・G・アームストロング、敵役のガンマンをニヒルに演じるクリストファー・ジョージ、女優陣・シャーリーン・ホルトやミシェル・ケリーの美しさと色気も、ホークス監督ならではの見事な演出です。コールたちに味方する若者・ミシシッピを、ときにコミカルに演じるのは当時20代後半のジェームズ・カーン。ホークス監督の前作「レッドライン7000」(1965)にも出演、このあと、フランシス・フォード・コッポラ監督の「ゴッドファーザー」(1972)で大スターとなります。ホークス作品は、物語はもちろんですが、スターや名優たちが楽しそうに演じる登場人物の会話が何とも魅力的です。丁々発止・憎まれ口は友情と信頼で結ばれているからこそ、絶妙のユーモアは何とも楽しくなってしまいます。

ホークス監督ならでは、映画のなかの映画を存分にお楽しみください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「エル・ドラド」
7月23日(火)[BSプレミアム]後1:00〜3:08

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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