石田ひかりが語る、古典芸能の魅力

にっぽんの芸能

毎週金曜[Eテレ]後11:00

Eテレ「にっぽんの芸能」は、ビギナーから愛好家まで、若い方からシニア世代までに向けて古典芸能の魅力を分かりやすくお伝えする番組です。舞台や演奏はもちろん、古典芸能界のニュースや旬の演奏家・俳優へのインタビューなど、知って得する情報もたくさん! 見どころ満載でお送りしています。

11月15日の放送は、司会の石田ひかりさんが歌舞伎座へ出向いて、芝居の臨場感をたっぷりとお届けします。演目は「松浦の太鼓」。吉良上野介の隣に住む松浦の殿様が赤穂浪士の討ち入りの気配に気づき…という、いわば忠臣蔵の外伝です。季節を先取りして、師走の気分をお楽しみください。

そして、その前に…!
「にっぽんの芸能」を「にっぽんの良さがギューッと詰まった番組」とおっしゃる石田さんに、あらためて古典芸能との関わりや司会進行としての思いを伺いました。

 知ったかぶりをしない、とにかく正直に

──古典芸能との出会いを教えてください。

正直に申し上げると、この「にっぽんの芸能」に出会うまで、年に一度歌舞伎を見に行く程度でした。母が好きな文楽は一緒に見に行ったことがありましたが、それでも2回ぐらいでしょうか。能・狂言にいたっては、学校の授業ぐらいでしか拝見したことがなかったんです。

──「にっぽんの芸能」司会のオファーが来たときは、いかがでしたか?

「わからない人代表、一視聴者代表としての意見でいいんです」と言われましたが、“難しそう、私で務まるのだろうか”というのが率直に感じたことです。ただ、10代のころに素敵すてきな着付け師の方と出会ってから、ずっと着物が大好きでしたので、「にっぽんの芸能」ではその方が選んだ着物を直々に毎週着せてもらえる。こんな贅沢ぜいたくなことはなくて。実は、それもお引き受けした理由のひとつでもありました(笑)。

この番組に臨むにあたり、私が心に決めているのが「知ったかぶりをしない」「わからないことはわからないと申し上げる」ということ。実は資料に目を通していても、恥ずかしながら何を伺ったらよいのかわからない演目が多々あります。古典芸能は日本史、ときには世界史も絡んでくるので、風土や文化などをきちんと学校で勉強もしておけばよかったと感じることもしばしばです。ですので、とっても勇気がいることですが、“わからない人代表”として「とにかく正直でいよう!」と思っています。

 「にっぽんの芸能」での出会いは、財産

──収録が終わったあとにも、ゲストの方々に質問されるとか。

皮肉なんですが、収録が始まる前よりも、終わったときのほうが俄然がぜん、その日の演目に興味がわいているんですよね。というのも、ひとりで予習しているときにはちょっと難しくても、収録で先生方がとてもわかりやすくお話をしてくださるので、聞きたいことがたくさん浮かんできて! 些細なことだったりするのですが、「これはどうだったんですか?」と伺うと丁寧に教えてくださいます。

──司会を務められて今年で4年目ですね?

古典芸能は歴史が長く、奥も深く、とても知り尽くせないです。能・狂言、文楽、歌舞伎、舞踊、三味線にお箏、尺八、琵琶と、本当に広い世界です。

──石田さんご自身も能・狂言にハマっていると伺いました。

はい、この番組がきっかけです。特に野村萬斎さんは尊敬するあまり、ゲストでいらしてもまともに口もきけないような有り様なのですが、勇気を出していろいろお伺いしてみたら「わっ、そうなのか!」というようなことを教えてくださいました。能楽堂では番組に登場いただいた評論家の先生方をお見かけすることがあって、先生ならではの視点で鑑賞のアドバイスをいただくことも。この番組での出会いは、私にとってかけがえのない財産になっています。

狂言師・野村萬斎さん

──古典芸能の特にどのようなところに魅力を感じますか?

みなさん、おそろしいほどに稽古を積み、血がにじむなんてものではなく、本当にあちらこちらから出血されて、それでもなお努力を重ねていらっしゃいます。だから、ひとつひとつの出会いすべてが心に残っていますね。親子代々その道を歩み、70、80歳になっても「まだまだです」と励む姿勢や生き方…本当に背筋が伸びる思いですし、何と表現していいのか、言葉が見つからないです。

あるとき、能楽師の観世かんぜ銕之丞てつのじょうさんに「私は能・狂言が大好きなんです」と申し上げたことがあります。そうしたら銕之丞さんは「いやいや、そんな簡単に言っちゃいけないよ」と。しばらくその真意がわからなかったのですが、古典芸能の世界で生きるみなさんの姿勢や奥深さに触れ、“そうか、そんな簡単に面白さがわかったという風に言ってはいけないよという意味だったんだろうな”とに落ちました。

 楽しみ方は人それぞれ、入り口はどんなことでも良い

──11月15日(金)は、歌舞伎「松浦の太鼓」が放送されます。石田さんが思うみどころは?

忠臣蔵の外伝となるお話で、人情味あふれる愛きょうたっぷりのお殿様が登場します。初めて歌舞伎をご覧になる方にも、とても入りやすい演目だそうです。古典芸能の世界をのぞくきっかけや楽しみ方は人それぞれ、どんなことでもいいと思いますし、まずは「年末といえば忠臣蔵」「忠臣蔵が好き」というような気楽な気持ちで鑑賞してみるのも、良いかもしれませんね。

──最後に、視聴者のみなさんへメッセージをお願いします!

「にっぽんの芸能」には、日本という国の良さがギューっと詰まっていると思います。取り上げる演目はもちろんのこと、収録スタジオに飾られるお花は季節に合ったものが選ばれていますし、私が着せていただく着物も同様です。

司会を務めて4年目。私はまだこの世界のことを全然わかっていませんが、とにかく古典芸能が好きで、「ぜひ、みなさん一歩、足を踏み入れていただけたら」という気持ちで毎週ご案内をしています。入ってみると、とてつもなく深くて居心地の良い世界が広がっているので、多くの方々に知っていただきたいです。

自宅でも娘たちにうとまれながら(笑)熱く語っているのですが、番組では「キッズ特集」もやっています。親子で楽しむこともできますので、年代性別問わず、肩の力を抜いてお楽しみいただけたらと思います。

取材中、終始とても楽しそうに古典芸能の魅力を語ってくれた石田さん。最近は民謡にも心ひかれているのだとか♪ 毎週さまざまな演目をお届けしている「にっぽんの芸能」、どうぞお楽しみに!

11月15日(金)放送、歌舞伎「松浦の太鼓」あらすじはこちらから!↓

「にっぽんの芸能」

【放送予定】毎週金曜[Eテレ]後11:00~11:54
毎週月曜[Eテレ]後0:00~0:54<再>
11月15日(金) 歌舞伎「松浦の太鼓」

▶ 番組ホームページ

取り上げた番組はこちらです!

検索 NHKサイトでもっと探す

その他の注目記事