「ガッテン!」舞台裏&がん検診にまつわる謎の心理

ガッテン!「実は女性の死亡数1位! 大腸がんで死なない秘策」

1月29日(水)[総合]後7:30

1995年の放送開始から「ためしてガッテン」のタイトルで21年ものあいだ愛され、2016年4月に「ガッテン!」としてリニューアル。今もふだんの生活の「なぜ?」「どうして?」について、最先端の科学とユニークな実験、世界の隅々まで体当たり取材するなど、あらゆるアプローチで徹底解明するこの番組。目からウロコの『お役立ち情報』を納得してもらうための工夫など、番組制作で気を付けていることや、1月29日放送のテーマ「大腸がん」の見どころをガッテンに携わって13年の小澤恵美デスクに聞きました。

収録直前まで妥協のない番組づくり

──毎週放送の「ガッテン!」ですが、一回の制作期間はどのくらいなのでしょうか?

ネタ探しからロケ、スタジオ収録、編集まで3か月半ですね。
「ガッテン!」は予定していた構成とは全く違うものになることがよくあります。立川志の輔さんが繰り広げるスタジオショーが番組のメインになるので、番組側が提示した構成を志の輔さん流の語り口で話せるように組み替えてもらっているんです。また、志の輔さんの初見の感覚を大切に、視聴者に分かりやすく伝わるように試行錯誤を重ねています。

──志の輔さんが構成を組み替えるのはいつごろですか?

収録当日ですね。午前中に志の輔さんとリハーサルをして、そこで意見を反映するので収録直前までバタバタしています。

──台本の意味がなくなるのでは!?

そうですね(笑)。でも、ギリギリまで奮闘するかいあって、毎回良くなるんですよ。当日のリハだけで番組を形にしていけるのは志の輔さんだからこそ。小野文惠さんもその変更に臨機応変に対応してくれます。模型で体内の働きなどを分かりやすく説明する“小野文惠劇場”も、本番の15分前にカメラさんを集めて練習するだけで終わりです。これもまた、小野さんにしかできない芸当ですね。

今回の「小野文惠劇場」でも
小野さんの手腕が発揮されています!
少しだけご紹介♪

放送後が勝負! いかに行動につなげるかを考えています

──「ためしてガッテン」の放送もあわせると4月で26年目に突入しますが、ずっと変えずにいることはなんですか?

番組を見ていただいたあとが勝負だと思っているんです。というのも、放送を見たときに納得していただくことを目指しているのでなく、見たあとに実際に行動を起こしてもらうことが最終目標。そのために、番組づくりで指針としている目線は“ぐうたらな人”。落語の世界にも登場しますよね。そんな方に、いかに腰を上げてもらえるかを常に考えています。「『ガッテン!』なら、簡単かつ効果があることをやってくれるだろう」という視聴者のみなさんの期待を裏切らないような番組づくりを心がけています。

──分かりやすく伝えるコツはありますか?

“伝える”ではなく、“伝わる”を大事にしています。説明されるのではなく、自分で分かったという体験をしていただきたいんです。例えば、結論が「卵のお尻にヒビを入れるとゆで卵がむきやすい」だったとします。そのひと言を言ってしまえば解決することであっても、伝え方に工夫をしているんです。そこで採用しているのが、「ためしてガッテン」時代の当初に開発され受け継がれてきた「デモジャー方式」!
「なかなかゆで卵ってむけないですよね」と言うと「むけない!」と共感していただける、さらに「“でも”いろんな方法を試してみてもなかなかむけないときありますよね」「“じゃあ”簡単にむける方法があったら知りたいって思いませんか?」と“でも”と“じゃあ”をうまく使って、「知りたい!」に感情が揺れ動いてから、その情報を共有するようにしています。

──遠回りしているようにも思えますが、なぜですか?

最初からその方法を伝えると確かに理解はしても、まさに“ガッテン!”という爽快感には結びつかないんですよね。たまに視聴者の方から「3分で言えることを、なんで45分かけるの」と言われることもあるのですが(笑)。

1月29日(水)は「大腸がん」にまつわる回です!

──1月29日は、「大腸がん」の回ですね。このテーマのきっかけは?

今までがんについて20回以上やってきましたが、見終わったあとに行動してもらいたい番組なのに、知識を得たところでなかなかがん検診に行かないという課題がありました。以前放送された大腸がんの回に出演した先生が内視鏡の名手で、「こんなに腕を磨いてきたのにみんな検査にこないんだよね」となげいていたことがあったんです。それをきっかけに、なぜ行かないのかを真正面から取りあげる心理学っぽい番組をやりたいという思いがあり、今回のテーマになりました。なので、今回は大腸がんの予防方法や大腸がんとは?という知識の話ではないのです。

──番組内容を少し教えてください!

大腸がんでは、ほかのがんとは違った不思議なことが起こっていることが分かったんです。それは、一次検査を自ら受けていながら、陽性反応が出て“ひっかかった”場合、二次検査に行かないという現象です。変な例えですが、オリンピックの観戦チケットに応募して、当選しているのに行かないのと同じくらいのことが起きていて。実は、がんの部位別死亡数で女性1位、男性3位が大腸がんなんです。その不思議な現象がどうも死因を押し上げているんじゃないかと考えられていて。それを深掘りしていくと、二次検査に行かない人たちに共通する驚きの理由があったんです。

──それはズバリ!

放送前には言えないのですが(笑)、なぜ二次検査に行かないのかを明らかにし、その理由がどれだけ根拠がないものなのかも証明していきます。

──がんを取りあげる回としては、今までとアプローチが違いますか?

以前、乳がんの回でも、検診に行かない理由をとりあげました。それをふまえて放送前に86万人の全国の女性に乳がん検診の通知を送るという試みを番組でやったんです。放送を見たときに手元に通知があればすぐ行動を起こしやすいですからね。通販もそうじゃないですか。興味が湧いたときに「今すぐお電話を」と言われるから注文するけど、タイミングがズレてしまうと興味が続かない。乳がんの回の放送後、受診した方が通常の約6倍にあがった地域もありました。

──通知、というのは?

市町村が配る通常のがん検診の通知です。そこにがんセンターが独自に作成した検診を促すお知らせと、ガッテンの放送内容を盛り込んだお知らせを同封しています。今回もご賛同いただいた市町村で、自ら大腸がんの検査を受けながら二次検査に行かなかった方に配付しています。

──最後に視聴者にメッセージをお願いします!

とにかく「ガッテン!」は視聴者を“説得”するのでなく、自分で“納得”してもらって「ついつい腰を上げたくなっちゃう」ことをモットーにしています。それは今後も変えずに番組づくりをしていきたいと思います。

陽性反応が出ながら、二次検診に行かない意外な理由とは!?
すっと納得してしまう番組づくりも改めてお楽しみください♪

ガッテン!「実は女性の死亡数1位! 大腸がんで死なない秘策」

【放送予定】1月29日(水)[総合]後7:30

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