「パティシエは夢を見せる存在」高校生へのメッセージ

奇跡のレッスン「パティシエ ジャン=ポール・エヴァン(フランス)」

1月31日(金)[BS1]後8:00

世界的に活躍する一流の人物が、日本の子どもたちに一週間の特別指導をする様子に密着する「奇跡のレッスン」。 1月31日(金)放送回の“最強コーチ”は、ジャン=ポール・エヴァン(62歳)。20代で、フランスの最も優れた職人に贈られる最高の栄誉、国家最優秀職人章を授与された天才パティシエ。レッスンの舞台裏やエヴァンさんの人柄などを、橋本 倫ディレクターに語ってもらいました。

実はエヴァンさんも緊張していたんです

──ジャン=ポール・エヴァンさんをコーチに迎えたきっかけを教えてください。

パティシエは若い人たちに人気の職業です。奇跡のレッスンでやってみたいと数年前から考えていました。世界トップクラスの技術を持つ方にお願いしたいと調べていくうちに、日本で仕事をした経験もあるエヴァンさんの名前が挙がりました。京都が大好きで抹茶やほうじ茶を毎日パリで楽しんでいるというエヴァンさんに早速打診したところ、大いに興味を持っていただき、トントン拍子で話が進んだんです。

──今回レッスンを受けるのは?

京都の高校の調理系列コースに学ぶ18人です。関西圏からスイーツ甲子園に出場している学校で、パティシエを目指している生徒も多いのです。彼らに事前に、パティシエの来訪を伝えると、来てほしい人物としてエヴァンさんのお名前を出している生徒もいて、「本物が来ちゃった!」と驚いていました。

──エヴァンさんの人となりを教えてください。

周りをよく見ていらっしゃって、生徒たちに「元気?」とか「疲れてない?」と声をかけていましたね。また、冗談を言うこともあって、フランスのジョークなので日本人には分かりづらいところもあったのですが(笑)、おちゃめな面がいっぱい見られました。
いったんチョコレートと向き合い始めるとそのプロ意識はすごくて、アシスタントのパティシエたちが愕然がくぜんとするぐらいのワザをさらりと生徒たちに見せていましたね。チョコレートは繊細な食材なので、温度や湿度がいつもと違う日本の教室で作業するのは難しいのですが、見事な技術を披露してくれました。

──そんなエヴァンさんを前に生徒たちはどんな様子でしたか?

「質問ありますか?」と聞いても、みんなシャイなのでなかなか手を挙げられず…。さらには「世界のエヴァンさんに何を聞いたらいいか分からない」ともらしていました。

──大人でも緊張しそうですもんね。

その緊張感は、見ていてとてもほほえましかったですよ。でも、調理室に入ると職人同士になるんです。日本の若者がお菓子づくりを楽しんでいることがエヴァンさんはとてもうれしかったようで、勉強し続けることはもちろんだけど、「人生を楽しむこと」をよく伝えていました。

──エヴァンさんは現役で活躍されているパティシエ、ショコラティエですが、今まで高校生に教える機会などはあったのでしょうか?

実は、今回が初めてなんですよ! 職人さんなので自身を高めることに集中されてきた方。もちろん後進の育成をされているとは思いますが、高校生を教えるのはエヴァンさんにとっても初めての試みだったそうです。なので、最初にお会いしたときからエヴァンさんも「ドキドキする」と緊張されていましたね。

──緊張するなんて意外です!

夏のレッスンが終わり、フランスに一度帰国する日、レッスン開始から3日目にして「ようやく安心できた」とおっしゃっていました。チョコレートの知識などの座学もありましたので、自分の言葉が届いているのか不安だったようです。その分、しっかりと伝わったのが分かると、子どものように喜んでいました。

好奇心の赴くまま、率先して楽しんでいました

──初めて高校生にレッスンをするエヴァンさんの、印象的なエピソードはありますか?

常にメモを取っていらっしゃって。目に付くもの全部を新たなスイーツづくりに取り込もうとしている姿勢は印象的でした。どんなときもアンテナを張っていて、ちょうや芋虫もなんだって題材にする。気になるものを見つけると手に取ったり、匂いをかいでみたり、食べたり。生徒たちに与えた課題をエヴァンさん自身が喜々として取り組まれていました。

──好奇心旺盛な方なんですね。

「今回オファーを受けたのは、自分自身の刺激になるから」と。エヴァンさんはパリの自宅ではさまざまな「実験」をされているそうで、「自分でもやったことのない実験をやりたい」とレッスン内容を決めました。“チョコレートを香りの異なる環境で食べ比べると味はどうなるか”など意表を突く実験をしたのですが、眠っていた感覚を呼び覚まされて、生徒たちは驚くほど楽しんでいました。

──そんなエヴァンさんを見て高校生の変化はありましたか?

やっぱり感化されたんじゃないですかね。失敗してもなんでもいいから楽しんでやってみるのが大事なんだというのを学んだと思います。たくましく見えましたね。

──作ることの楽しさに触れたのですね。

学校の教育ではレシピが与えられ、レシピ通りに作っていくそうなんです。だから「作る」イコール「作業」になってしまうと高校の先生がこぼしていました。生徒たちは、エヴァンさんの背中を見て「自由に冒険していいんだ」と肌で感じたのだと思います。冒険には失敗もつきものだし、考えなきゃいけない。でも、それもひっくるめて楽しそうでした。

パティシエに限らず、胸に刺さる言葉の数々

──エヴァンさんがどんな言葉を発するのかも楽しみです!

「自分のすべてを差し出してお菓子は作るものだ」とか、「パティシエは夢を見せるものだから、夢の世界に誘うようにしなさい」など、「パティシエは詩人だ」ともおっしゃっていて、本当に詩的な表現が多いですね。

──メモに残したい格言ですね。

知識も豊富だし、哲学的なところもあります。教えようとしていることは、単純な方法論だけじゃなく、感覚にずしっときて、感性を豊かにすることも多いです。チョコレートを芸術に高めて表現されている方なので、謎めいたことも言うんです。何を伝えたいのか、言葉の真意を見極めようと私たちもたくさん質問しました。

──生徒たちは、エヴァンさんのメッセージをかみしめながら、最終日の発表会の課題に挑むわけですね。

「チョコレートケーキ」といわゆる粒チョコの「ボンボンショコラ」をオリジナルレシピで作るという課題でした。高校生にとってはかなり難易度の高い課題だったと思います。エヴァンさんは最後に感激してしまうんですが、それは、生徒たちが自分の教えをここまでやり遂げてくれたのかという思いがあったからだと思います。技術や精神的なことまで、いろんなボールをレッスン中に投げていました。キャッチしたボールをどう形にしたのか、できあがった作品に表れていてなかなかおもしろいと思います。

──最後にメッセージをお願いします。

エヴァンさんの言葉から、お菓子一個一個に描かれた夢の世界と裏側にある哲学が感じられると思います。食べるということがより一層楽しくなると思いますので、ぜひご覧ください!

バレンタインを前に、一流のパティシエのレッスンでチョコレートの極意を味わってみてはいかがでしょうか♪

奇跡のレッスン「パティシエ ジャン=ポール・エヴァン(フランス)」

【放送予定】1月31日(金)[BS1]後8:00

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