さまざまな音楽の魅力を”クラシック音楽の視点”でひも解く音楽教養エンターテインメント番組「クラシックTV」。11月3日(文化の日)は放送時間を59分に拡大し、ミュージカルの魅力をとことん掘り下げるスピンオフ特番を放送します。
司会の清塚信也さん、鈴木愛理さんに加え、ミュージカル界のスター・井上芳雄さんと元宝塚歌劇団トップ娘役の咲妃みゆさんがゲストMCとして登場! ミュージカルの楽しみ方やステージの舞台裏などを紹介しながら、魅惑の世界へと誘います。さらに、ミュージカルの第一線で活躍する豪華ゲストによる華やかなステージも!
井上さん・咲妃さんの対談と、イギリスの歌姫ケリー・エリスさんのメッセージを交え、番組の見どころをたっぷりお届けします♪
ミュージカル・プレゼンター
井上芳雄&咲妃みゆが語る「ミュージカルTV」の楽しみ方

──ミュージカル・プレゼンターとして進行役を務められた感想はいかがでしたか。
井上:「クラシックTV」には2回出演させていただいたことがありますが、こういう形で出演するのは初めてですし、咲妃さんとコンビで進行役を務めさせていただくというのも新鮮でしたね。これまでMCってやったことある?
咲妃:宝塚時代に少しだけ経験があるのですが、こんなに本格的ではなかったので、ドキドキしました。
緊張しすぎて芳雄さんにご負担をおかけしてしまっていたらすみません!
井上:ちゃんとできてたから大丈夫(笑)! 清塚さんと愛理ちゃんには及びませんが、僕たちもお二人に負けないくらいのコンビネーションでミュージカルの世界にご案内します!
今回は企画が盛りだくさんなので、30分刻みで何曲も歌ったりして目まぐるしい1日でした。
咲妃:そうですね。舞台とはまた違う集中力が必要だと感じました。
井上:終わったあと、夢かな?と思うくらいあっという間だった(笑)。その分、ぜいたくな時間でしたね。
──今回は、「ミュージカルにはなぜ人々を引き込む力があるのか」というテーマを掘り下げていくそうですね。お二人から楽しみ方のポイントを教えてください。
井上:“ミュージカルの魅力”といってもいろいろありますが、まずは音楽の力から掘り下げていきます。そこで注目していただきたい1つ目のキーワードが、作品の序盤に主人公が夢や目標を歌うナンバー “I WISH SONG”。観客を物語の世界へと誘う役割を担っている大事な一曲です。
咲妃:ミュージカルに限らず、J₋POPにも “I WISH SONG” はたくさんありますよね。さまざまな楽曲を通して、ミュージカルをご覧になったことがない方にもわかりやすくお伝えできればいいなと思います。
キーワード①
“I WISH SONG”
『アニー』で、孤児院で育った主人公がいつか両親が迎えにくることを信じて歌う「メイビー」や、今回“I WISH SONG”を披露する海宝直人さんのお話を紹介しながら、人々を引きつける力を深掘りします。

井上:現実の世界では、人間って思っていても口に出せないことがたくさんあるけど、ミュージカルの世界では登場人物が本音を爆発させることができるから、演じている方も観ている方も「私もそう思ったことがある」とか「あの人と自分は違う人だけど同じ人間なんだ」というふうに共感できる。これは、ミュージカルのいいところなんじゃないかなと。アメリカで生まれた芸術だけど、実は日本人にこそ合っていると思うんです。特に、日本人は僕も含めてふだんは自分の気持ちをぶちまけられない人が多いですからね。
咲妃:まさに、芳雄さんが今おっしゃった“感情の爆発で心を震わす”というのが2つ目のテーマです!
キーワード②
“感情の爆発で心を震わす”
ロンドン・ウエストエンドのトップスター、ケリー・エリスがスタジオに登場!
『マイ・フェア・レディ』『キャッツ』など数々の名作に出演したケリーが、代表作『ウィキッド』から大人気ナンバー「Defying Gravity」を披露し、エモーショナルな歌声で皆さんの心を震わせます。
ステージはもちろん、貴重なスタジオトークも永久保存版です♪

──ゲストの皆さんの顔ぶれにも注目ですね! どんな名曲が披露されるのか楽しみです。
井上:舞台の公演期間が重なるとなかなかスケジュールが合わないので、よくこれだけのメンバーが来てくれたなと思います。すばらしいバンドの皆さんやミュージカルの仲間たちとのコラボレーションは、舞台とはまた違う緊張感があって、心地よく刺激的でした。
咲妃:濱田さん、柿澤さん、海宝さんとは久しぶりにご一緒したのですが、「そうそう、このすてきな歌声!」と思わず1ファンとして聴き惚れてしまいました。


気になるセットリストを一挙紹介
♪ミュージカル名曲メドレー
【歌唱】井上芳雄/咲妃みゆ/濱田めぐみ/柿澤勇人/ケリー・エリス
・Tonight(ウエスト・サイド・ストーリー)
・私のお気に入り(サウンド・オブ・ミュージック)
・チム・チム・チェリー(メリー・ポピンズ)
・Shall We Dance?(王様と私)
♪陽ざしの中へ(ノートルダムの鐘)
【歌唱】海宝直人
♪Defying Gravity(ウィキッド)
【歌唱】ケリー・エリス
♪For Good(ウィキッド)
【歌唱】ケリー・エリス/咲妃みゆ
♪オール・ザット・マターズ(ファインディング・ネバーランド)
【歌唱】濱田めぐみ
♪時が来た(ジキル&ハイド)
【歌唱】柿澤勇人
♪アンドリュー・ロイド=ウェバー・メドレー
【歌唱】井上芳雄/咲妃みゆ/濱田めぐみ/海宝直人
・The Phantom of the Opera(オペラ座の怪人)
・Don't cry for me Argentina(エビータ)
・Gethsemane(ジーザス・クライスト=スーパースター)
・Love changes everything(アスペクツ・オブ・ラブ)
♪You Will Be Found(ディア・エヴァン・ハンセン)
【歌唱】海宝直人/井上芳雄/咲妃みゆ
♪Your Song(ムーラン・ルージュ)
【歌唱】井上芳雄 【ピアノ】清塚信也
【指揮】塩田明弘 【演奏】ミュージカルTVスペシャルオーケストラ
井上:しかも、ケリー・エリスさんは「ミュージカルTV」のためにイギリスから来てくださったんです! 咲妃さんは『ウィキッド』から「For Good」という曲をデュエットするんですよね?
咲妃:そうなんです。ケリーさんがエルファバのパートを、私はグリンダのパートを歌わせていただいたのですが、ケリーさんの目線や息遣い一つでもう一瞬にして物語の世界へ引き込まれました。言語を超えた感動がひしひしとこみあげてきて涙してしまいました。ご一緒できて感無量です。芳雄さんが清塚さんのピアノに乗せて歌われた「Your Song」も本当にすてきでした!

井上:ありがとうございます。「Your Song」はエルトン・ジョンの名曲ですが、『ムーラン・ルージュ』の劇中歌としてもおなじみのナンバーですよね。最近は、こうした既存の楽曲を使ったジュークボックス・ミュージカルがたくさん制作されていて、ジャンルの垣根を超え幅広い人々に愛される歌が増えてきています。また、作品のテーマ自体も、マイノリティーの苦悩を描いたものなど時代とともに多彩な広がりを見せていると感じますね。

──最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
井上:1時間ではまだまだミュージカルの魅力を語り尽くすことはできませんが、少しでもミュージカルに興味を持ってもらえるきっかけになったらうれしいですし、実際に劇場に足を運んで観てみようかなと思っていただけたら幸いです。
咲妃:限られた時間ではありますが、ステージをご堪能いただきながら「ミュージカルとは?」というところにも目を向けていただけたらと思います。
まだまだ注目の企画が目白押し!
トークコーナーでは、数々の名作ミュージカルに出演している井上さんと咲妃さんが俳優ならではの視点で作品を解説したり、知られざるミュージカルの舞台裏について紹介します。さらに、「オリジナルのミュージカルをやってみたい」という清塚さんの提案で、愛をテーマにしたミュージカルに挑戦することに!?

また『エビータ』『キャッツ』『オペラ座の怪人』など、ミュージカル史にその名を刻んだ作曲家、アンドリュー・ロイド=ウェバーの音楽的な魅力に迫るコーナーも必見! ゲストによるスペシャルメドレーに加え、ロイド=ウェバー本人の貴重なインタビューもお届けします。

この方からもスペシャルメッセージ

クラシックTV スピンオフ特番「ミュージカルTV」
【放送予定】
11月3日(木・祝)[Eテレ]後9:00~9:59
再11月12日(土)[Eテレ]後4:00~4:59