マルチ画面で音が見える!? 今までにないコンサート鑑賞

体感!迫力のマルチ画面 ~華麗なる吹奏楽の世界~

11月11日(土)[Eテレ/BS4K]午後2:00〜3:30

▶ 番組ホームページ

放送から1週間は見逃し配信をします(NHKプラス)

「アルヴァマー序曲」「ルパン三世のテーマ」など吹奏楽の名曲を、日本を代表する吹奏楽団・東京佼成こうせいウインドオーケストラによる特別な演奏&映像でお届け!
各プレイヤーの間近に高精細カメラを40台配置。そこには、単に演奏する姿だけでなく、細かな表情の変化や交差する視線、息遣いに至るまで、繊細な映像情報が捉えられています。これを、同時に複数のカメラアングルを配置する“マルチ画面”編集をすると、音楽家たち一人一人が懸命に音楽を作り上げていくタイムラインが出来上がります。まるで、画面の向こうにスコア(総譜)や作曲家の姿が浮かび上がるかのような、全く新しいコンサート鑑賞番組です。

番組制作を行った宮崎将一郎チーフプロデューサーと、セットリストを考案した演出の池野雅之チーフ・リードにマルチ画面での吹奏楽鑑賞の見どころなどを聞きました。

幅広い世代が楽しめる吹奏楽の世界

宮崎将一郎チーフプロデューサー
(以降、宮崎CP)

昨年、『指揮者なしのオーケストラ 第9に挑む!』という番組を制作。指揮者なしでオーケストラのプレイヤーがどのように演奏するのかをドキュメントするために、32台のカメラを使って撮影しました。その制作の中で、メロディパートと伴奏パートを、同時に一つの画面に映し出すことで、演奏の臨場感が増すということが分かったんです。さらに、演奏家たちがどこを見て、周りとどう息を合わせているのかが鮮明に分かり、演奏者のプロの技術やアスリートのようなメンタルを感じました。
その第2弾を制作するとしたら、より多くの方に楽しんでいただけるものにしたいと考えたところ、吹奏楽にたどり着きました。吹奏楽は毎年コンクールが行われ、中・高・大学生、一般の部の4部門、合計約1万の団体がチャレンジしているそうです。
昭和30年代から長きにわたり、これだけの方たちが吹奏楽を経験してきていることを考えると、現役の学生さんから幅広い世代まで楽しめる番組になるのではないかと思ったのです。
今回出演してくださった東京佼成ウインドオーケストラは、コンクール課題曲なども録音している団体です。

今まで聞こえていなかった音も体感できる!

宮崎CP

ふだんオーケストラなどを収録するときは、5〜8台ほどのカメラを使い、例えば「1〜5小節目は指揮者を映す、6〜10小節目はホルンのアップを映す」など、総譜をもとにそのときに撮る映像を決めてあります。中継車でカメラを切り替えながら、選んだカメラの映像のみを収録しているんです。今回は、40台のカメラの映像すべてを収録して、後日編集しているので、どの場面をどう見せるかは自由自在なんですよね。
ふだんあまり多くは映し出されていなかった楽器の動きがしっかりと見られるようになり、いろんな楽器の音に耳が行くようになるんです。

本番の前日まで練り直したカメラ配置図。1〜36まで固定カメラの位置が記されている。残りの4台は、楽器の種類の多いパーカッションなどの撮影のため、有人での撮影となった。

池野雅之チーフ・リード
(以降、池野CL)

指揮者が、例えば「この場面ではあの楽器の音を強く聞かせたい」と、そのパートへの指示を出している場面では、指揮棒のニュアンスから指示を出しているパートを探し当て、その演奏者たちが指揮者の指示に全力で応える様子も分かるようにマルチ画面で編集しています。なので、指揮者の意図がより忠実に反映できた映像表現になっていると思います

指揮者が指示を出した奏者たちが画面に登場!

池野CL

マルチ画面は、最大で17画面。最後に演奏がどんどん盛り上がってきて、全楽器でスクラムを組み、クライマックスへと突き進む場面では、さまざまな楽器の音圧までも映像から感じられるかもしれません。

クライマックスは、17画面で鑑賞!

吹奏楽の世界を堪能する、最強のプログラム!

<第1部>

♪アルヴァマー序曲

♪復興

♪アルメニアン・ダンス パート1

<第2部>

♪宇宙の音楽

<第3部>

♪ジブリ・メドレー

♪ルパン三世

♪エル・クンバンチェロ

♪オーメンズ・オブ・ラブ

♪ホール・ニュー・ワールド

♪アフリカン・シンフォニー

♪星条旗よ永遠なれ

池野CL

今回の番組収録にあたり、演奏会を公開収録で行いました。そのときの感想として多かったのが、「セットリストが最高」というご意見でした。演奏曲を選ぶにあたり、吹奏楽コンクールでよく選ばれた自由曲を分析したり、東京佼成ウインドオーケストラほか、プロの吹奏楽団のCDの中でのベストセラーを踏まえました。加えて、吹奏楽経験者が一度は演奏したことのある曲を並べて、幅広い吹奏楽ファンに楽しんでもらえるように組み立てたのが今回のプログラムです。
人気アニメや高校野球の応援で聴く名曲なども選曲しているので、吹奏楽を経験したことがない方にも、吹奏楽の世界を存分に楽しんでいただけると思います。

何度でも楽しめるコンテンツ!

宮崎CP

見るたびに異なる楽器に目が行くと思うので、何回見ても楽しめます。僕らも試写を行うたびに、この番組のおもしろさを痛感しています。見れば見るほど、楽曲やプレイヤーたちの魅力が分かってくるんです!
例えば、奏者間がどう呼吸を合わせて、速いフレーズを演奏しているのか、といったことも捉えられています。なので、現役で吹奏楽の活動をしている方々や顧問の先生にとって、ヒントになることがたくさんあるかもしれません。
NHKには8Kシアターのある放送局があります。この番組は何度も何度も再放送をしますので、今回はEテレ・BS4Kで楽しんでいただき、今後ぜひ、BS8Kの超高精細映像と臨場感あふれる音響でも楽しんでいただけたらうれしいです。NHK CLASSICのX(旧ツイッター)では、BS8Kでの放送の告知も行っていきます。是非、ご注目ください!

吹奏楽ファンのバイブルとなった作品から、珠玉のポップスまで。多彩なジャンルの楽曲を今までにない鑑賞方法でお楽しみください。

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