「世界史は地域や時代ごとに話がばらばらに出てきて難しい…」そんなイメージを払拭するのがこの番組、「３か月でマスターする 世界史」です。
世界史をアジアからの視点でとらえ直し、身近に感じながら、古代から現代までの歴史の大きなつながりを描いていきます。さらには、いま起きていることの背景に迫るテーマもとりあげながら、いまを生きる人たちの教養として歴史をお伝えしていきます。
５月は、モンゴル帝国の登場によって世界がどのように変わったのか、というポイントを大事にしながら歴史を学んでいきます。そんな番組の見どころを、ナビゲーターの岡本隆司さん（早稲田大学教授・京都府立大学名誉教授）、村山 淳プロデューサー（以下、村山P）に聞きました。
アジアの視点から世界史を身近に考える
【ナビゲーター・岡本隆司さんよりメッセージ】
世界史は、“視点”が重要なんです。ふだん意識しないようなことでも、違う人たち、あるいは別の角度から見ると、すごくおかしなことだったりしますよね。それは歴史の中でも同じです。日本人から見た歴史、世界の人たちから見た歴史はそれぞれにあります。この番組では、世界史を“アジアの視点から”見ることにより、身近なこととして歴史を感じ、そして今後の世界を考えるきっかけにしてくださるといいですね。
５月は、モンゴル帝国を築くうえで欠かせない「遊牧民」を取り上げます。遊牧民は、私たち日本人、そして西洋人とも全く違う生き方・歴史・目線を体現しているような人たちです。縁遠かった遊牧民の存在に着目してほしいとともに、彼らが世界をどのように動かしていたのかも深掘りできればと思っていますので、どうぞお楽しみに。
６月に入ると、いよいよ日本や西洋も登場し、より身近に感じられる世界史をお届けします。今、我々が当たり前だと思っている歴史観やものの考え方、それが現代世界とどうつながっているのか。番組を通じて、今後も深く探っていけたらと思います。
ナレーションは下野 紘さん！
番組のナレーションは、アニメ「鬼滅の刃」の我妻善逸役、「うたの☆プリンスさまっ♪」の来栖翔役など人気作品のキャラクターを多く演じられ、ナレーションなどでも活躍中の下野 紘さん。優しいながらも芯のある声で番組を盛り上げます！
👉 村山Pが解説！
個人的にも下野さんの声が大好きだったのと、ともするとバラバラに聞こえがちな出来事や地域のことも、下野さんの柔らかなナレーションでくるんでいただけたら、命が吹き込まれてひとつに聞こえると思い、お声がけしました。下野さんのファンの方々にも、ぜひ番組をご覧いただきたいです。
５月の放送ラインナップ
5月1日（水） 第５回「多極の共存 遊牧国家と中華王朝」
舞台は東アジアへ。千年余りを一気に駆け抜ける。秦、漢、唐、北宋。王朝の命運を握っていたのは、北から来る遊牧民の国家だった。対立から始まった遊牧国家と中華王朝の関係は、時代とともにどのように移り変わっていったのか。その中で、中華王朝はどんな変化を遂げたのか。遊牧国家の存在を通して中華王朝を見つめると意外な姿が浮かび上がる！
5月8日（水） 第６回「モンゴル拡大 東西の統一」
今回はモンゴル帝国。13世紀、なぜモンゴルは、ユーラシアの東西を統一する空前の大帝国を築くことができたのか？最新の知見から意外なポイントが浮かび上がってきた。情報戦の巧みさ、民族や宗教を問わない適材適所の人材登用、さらには、相手の心をつかむ戦略。武力だけに頼らず、遊牧国家の伝統も巧みに生かしながら領土を拡大していったことが見えてくる。知られざるモンゴル像！
5月15日（水） 第７回「モンゴル時代 空前の東西交流」
モンゴルは帝国をどのように発展させたのか？画期的な商業システムや水路・海路を使った交易、そうした中で生み出された広域経済圏を見ていく。さらに、安定した政権下で繰り広げられた、ユーラシア東西をつなぐ文化交流とは？
5月22日（水） 第８回「帝国の解体 ティムールとルネサンスへ」
14世紀の寒冷化でモンゴル帝国は解体へ。しかし、各地ではモンゴル帝国の影響を受けた国々が誕生する。そして世界の交流の中心はシルクロードから海路へ。このことがヨーロッパのルネサンスにどのようにつながるのか。大きく変化する時代を見ていく。
★「３か月でマスターする世界史」一挙放送が決定！※第３～６回
🟨 5月11日（土）午後2:00～4:00 Eテレ
第３回 世界宗教 誕生の条件
第４回 イスラム 拡大の秘密
第５回 多極の共存 遊牧国家と中華王朝
第６回 モンゴル拡大 東西の統一
いま世界のことを知りたい人たちへ
👉 村山Pからメッセージ
教科書１冊を３か月でマスターしようとするにはかなりの労力が必要です。世界史は特に、時代もバラバラ、国家が生まれては滅亡し、人物もさまざまに登場してきます。そこで番組では、東洋史、近代アジア史に長けた岡本さんが伝える“アジアからの視点”をひとつの軸にして、凝縮した世界史をお届けいたします。昨今の世界情勢により、いま世界のことを知りたいと思っている方にぜひ、興味深い歴史のつながりをお伝えできればと思っています。
また、より複眼的に世界史が見えるよう、その分野のスペシャリスト（ゲスト研究者）をお招きし、最新の情報や今に通じる見方、その分野のスペシャリストだからこそ語れる世界史像を、さまざまな工夫をこらしながらお伝えします。例えば、岡本さんやゲスト研究者が語るポイントを、資料映像やアニメーション、分かりやすい地図などで映像化しています。特に地図は、いろいろな時代、その時々の名称を調べながら作っているので毎回苦労の連続です。どこが統一されてどこが滅んだのか、地図で色分けをしたり、点滅させたり、細かく分かりやすいように作っているのでじっくり見てほしいですね。
シリーズ、６月はモンゴル帝国解体後の世界の変ぼうです。ヨーロッパが台頭し、アジアを抜き去っていきます。ヨーロッパと対峙（たいじ）するアジアはどうなっていくのか、そして日本は…。自分ごとのように実感しながら世界史を学んでいただけたらうれしいです。
「３か月でマスターする」シリーズ、世界史のあとは「数学」、そして「ピアノ」を予定しています。こちらもぜひお楽しみに。
「３か月でマスターする 世界史」
【放送予定】
毎週（水）[Eテレ] 午後9:30～9:59