「自分らしく生きることの大切さ」を伝えたい 編集長からのメッセージ

＜放送する番組＞
「あおきいろ」「アイラブみー」「カラフル！」「アニメ はなかっぱ」「地球は放置してても育たない」「キキとカンリ」「Ｑ」「u&i」

★平編集長がポイントを解説

第１部は、大人も子どももなじみがある人形劇で進行していきます。各番組では、保育園、幼稚園、小学校中学年くらいまでの子どもたちが、それぞれの世代なりに感じている疑問や不安、言葉にできない感覚のようなものを受け止め、表現しています。子どもたちが自分ごととして感覚的に楽しめるコンテンツでもあり、一緒に見る大人が子どもたちの気持ちや感覚に思いをはせ、認めるきっかけにしていただける番組をお送りします。

＜放送する番組＞
▼ 虹クロ「トランスジェンダー男性であることを大好きな祖母には言えない…」
▼ 虹クロ「スペシャルトーク AAA與真司郎 10代に伝えたい思い」
▼ 日本賞関連作品を放送
▼ 海外ドラマ 「ファースト・デイ２」全４話　※井手上 漠さんは主人公ハナの吹き替えを担当

★平編集長がポイントを解説

自分の心と体の性を認識する中で、悩んだり葛藤したりする10代の子どもたちに向けて、気付きやヒントになり得る番組をそろえました。親や友達に言いたいけど言えないことで悩んでいる子どもたち、その揺れる気持ちをどう受け止めたらよいのかと、戸惑いを覚える保護者や大人のみなさんもぜひご覧ください。テレビよりもパーソナルな環境でご覧になりたい方は、スマートフォンやタブレットを使ってNHKプラスでの視聴もおすすめです。

今回のテーマは…
▼「童貞・処女 × 歴史社会学」
時代ごとにさまざまに変化してきた“性経験”をめぐる価値観。 “バキバキ童貞”として人気の芸人ぐんぴぃさんと外国人留学生を交えたシンポジウムを開催し、時代や国ごとの違いを考えていく。

▼「“気持ちいい”を科学する」
性的な刺激で“気持ちいい”と感じるとき、体にはどんな変化が？ そのカギを握るホルモン「オキシトシン」の最新研究を始め、究極のなで方の研究など、“気持ちいい”のヒミツを解き明かす。

▼「ポルノ × メディア学」
戦後日本に広がりを見せたポルノ。その背景にはある施策が？そして映画産業の戦略も？
性的同意の重要性が叫ばれるいま、ポルノと社会の関係を見つめ直す。

▼「異性装 × 社会文化学」
ヤマトタケルの女装のエピソードなど、日本で異性装は古くから“男女を超越した存在”として特別な力を持つと信じられてきた。歌舞伎などの伝統文化にもみられるが、現代ではコスプレにも！ 日本人と異性装、その精神性に迫る。

★平編集長がポイントを解説

性の問題を、学問として取り上げるというのはEテレならではだと思います。今回は、“性経験”をめぐる価値観を歴史社会学からひも解いたり、性的な“気持ちいい”の最新研究を伝えたり、番組独自の切り口で深掘りしていきます。専門家の研究結果から意外な事実や新たな気づきが得られるはずです。「みんなではなしちゃお！」という教養エンターテインメント番組、多くの皆さんに見ていただきたいです。

▼１時限目：基礎編「性のモヤモヤを解くキーワード　心の“境界線”を理解しよう」
性的同意など、性をめぐる心のモヤモヤを心理学の見地から解説。“よりよい性”のための、人との向き合い方を突き詰める。教えてくれるのは、関西学院短期大学・専任講師の小山 顕さん。

▼２時限目：実践編「最前線の性教育を体験しよう」
学校の性教育の最前線を密着取材。スタジオでの実践もふまえ、性教育の意義と課題について考える。先生は、小中高で年間100回以上の性教育講義を行う助産師の櫻井裕子さん。

▼３時限目：未来編「“性教育のレジェンド”が語る　『よりよい性を目指して』」
教壇に立つのは、元一橋大学講師の村瀬幸浩さん。50年以上の性教育研究のきっかけは、妻への無理解だった。妻との関係を模索する中で見いだした、あるべき性教育と“よりよい性”とは？

★平編集長がポイントを解説

学校で教えている性教育がどういうものなのかを知ることで、今の子どもたちに性のことをどう伝えていけばいいのかを真面目に考える時間帯になればいいなと思っています。生徒役は、父と娘で結成した芸人の完熟フレッシュ（池田57CRAZYさん・池田レイラさん）です。父と娘の関係性で授業を受けていただき、意見交換してくださいます。お２人の感じたことや気づいたことを一緒に共有していきましょう。

平編集長からメッセージ

心が揺れたり傷ついたり迷ったりする子どもたちの未来のために、NHKはどんな後押しができるのか、どんな番組を提供したら力になれるのか…そんな思いから生まれたのが、「自分らしく、Eテレ。～性・ジェンダーを考える日～」です。「こどもの日」を翌日にひかえた5月4日の土曜日に、小さなお子さんから大人まで、それぞれの世代に合わせた時間帯で、多様な番組をお届けします。

それぞれのコンテンツは、性やジェンダーについての理解を深めるだけでなく、自分自身や相手を大事にできているかを考えるきっかけにしてほしいと制作している番組ばかりです。タイトルにも掲げた、“自分らしく”をテーマに、「自分らしく生きることの大切さとは」「相手を敬い、人としての尊厳を守ることとは」そんなメッセージを伝えたいと考えました。子どもたちのために、そして子どもたちを見守り育てる大人世代にも見てほしいコンテンツをそろえましたので、この機会にぜひ、こうした番組を知っていただければと思います。

Eテレは、教育の本質を押さえながらもいろいろなチャレンジを続けてきました。今回の編成は、そんなEテレの歴史の中でも大きなチャレンジかもしれません。これからも“本当に大事なもの”をメッセージとして届けるチャンネルでありたいと思っていますし、この日は、NHKの思いが伝えられる１日になったらうれしいです。