これまでの街歩き

パレルモ/ イタリア

2009年10月22日(木) 初回放送

語り:八嶋智人

撮影時期:2009年8月

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地中海の十字路

地中海に朝日が昇りました。イタリア本島を出航したフェリーの目前には、朝焼けに染まったシチリア島。山のふもとに、州都であるパレルモの街が広がっています。朝7時半、街の北側に張り出した港から、まずは旧市街を目指して歩き始めます。
途中、漁を終えたばかりの地元の漁師さんに出会いました。その方は、3歳から海に出ている筋金入りの漁師なんだとか。美しい地中海をこよなく愛していることを、大きな身振りで表現してくれました。大らかな笑顔の漁師さんとのいきなりの出会いに、今日一日の街歩きへの期待が高まります。
港から続く路地を抜けて、旧市街の大通りへ。両側には17世紀のスペイン領時代の建物が並んでいます。港界隈(かいわい)とは全く違う重厚な雰囲気です。大通りから西へ進んでいくと、個性的な職人さんが集う路地が出現。しかも自転車、金物、ろうそくなど、路地ごとに扱っている品物が違うので、何ともにぎやかです。さらに旧市街を中心部へ向かって行くと、いろいろな建築様式が混ざった教会群が見えてきます。アラブ人、ノルマン人、スペイン人など各時代を治めた民族が、前の時代の教会を壊すことなく、建て増ししていったのだそう。
教会群を抜け、街の西へ。さまざまな人種の人たちとすれ違いながら、市場へとやってきました。そこにいる人に次々と声をかけてまわる、おじさんがいます。おじさんの引くカートにはイカやエビがいっぱいです。市場の伝統、「魚くじ」だとか。お客さんもお店の人も、みんなで盛り上がっていました。
街の中心にあるクワットロ・カンティと呼ばれる荘厳なバロック様式の交差点を越えて、今度は旧市街の北側へ向かいます。時刻は午後3時、路地裏では気持ちよさそうに昼寝している人々の姿が…。シエスタの真っ最中でした。
街の北西にある住宅地を抜け、最後は海へ向かいます。途中の教会前で40年間バラを売る夫婦と出会いました。周りが自然と笑顔になってしまうぐらい、その夫婦の仲のいいこと!
人も文化も混在しているけれど、みんな優しく、みんな仲が良い。古くから“地中海の十字路”と呼ばれてきたシチリア島「パレルモ」。手に手をとって生き抜いてきた、街の力強さを感じる街歩きでした。

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