世界ふれあい街歩き

「魔法にかけられた街」を歩く

　スペイン中央部、カスティーヤ・ラ・マンチャ州にある街、クエンカ。崖の上に建物がひしめき合うように並んだ独特の景観から「魔法にかけられた街」と呼ばれています。9世紀ごろ、イスラム教徒が切り立った崖を天然の要塞として利用したのがこの街の始まり。崖の上の旧市街を目指して歩いていきます。
　新市街から歩き始めて、すぐに出くわしたのが、大きな岩を使った噴水。なんでもクエンカには岩が多く、その岩に敬意を表しているのだとか。にぎやかな市場を抜けると、崖の上に旧市街が見えてきました。崖のギリギリにまで建つ家々。絶景です。中には崖からせり出している建物もあります。
　峡谷にかかる長い橋を渡っていよいよ旧市街へ。急な坂道が多い旧市街では、音楽を聴きながら元気に歩く女の子たちと遭遇。広場では楽隊が街の人たちと一緒に大合唱。急しゅんな岩場の家で快適に過ごす家族にも出会いました。決して便利とは言えない崖の上の街。それもでも、ここに住む人たちは皆、クエンカの生活を存分に楽しんでいました。「魔法にかけられた街」で「魔法にかけられたような人たち」と出会う街歩きです。