世界ふれあい街歩き

おとぎ話に出てくるような街

　朝、活気にあふれる市場を抜けると、美しいトゥルッリ(石造りの家)がずらっと並んでいました。ここは旧市街の西側にある、トゥルッリの保存地区のリオーネ・モンティ地区で、お土産物屋さんなどが連なる商業地区です。街をぶらぶらと歩いているとそこかしこにトゥルッリが見られます。
　大きなポポロ広場を過ぎたあと、その先にもトゥルッリを発見。さらに北に進むと、農業高校の生徒にも出会います。この街の主産業、オリーブ栽培で大事な作業となる、木の剪定(せんてい)方法が教えられていました。
　そこから街の中心に戻る途中、伝統のダンス教室に通う若者たちにも出会います。彼らは民族衣装を着て楽しそうに踊っていました。この街は世界遺産に登録されたあと、「街の伝統を大切にしたい」という住民の意識も高まり、伝統が見直されつつあります。
　さらに旧市街の東側にある、トゥルッリの保存地区であるアイア・ピッコラ地区に入ると、55年間トゥルッリで暮らすおじさんに出会いました。この街について聞くと「畑があり、収穫があり、澄んだ空気がある。それが好き」とのこと。それも、愛する家族と一緒に。なんだかうらやましい暮らしぶりです。
　おとぎ話に出てきてもおかしくない、美しいトゥルッリの街並みを楽しみながら、昔ながらの伝統や生活を愛する人たちに出会う街歩きです。