これまでの街歩き

マテーラ/ イタリア

2012年12月4日(火) 初回放送

語り:矢崎 滋

撮影時期:2012年10月

※動画の公開は終了いたしました

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よみがえり始めた「洞窟の街」を歩く

 南イタリアのマテーラ。旧市街の“サッシ”と呼ばれる洞窟住居の集まりが、1993年に世界遺産に登録されたため、今、観光地として新たな注目を集めています。
 朝9時、まぶしい日ざしを浴びながら、街歩き開始。旧市街の入口にある市場では、ひげの長ーいおじいさんに遭遇。サッシに向かうと告げると、「絶景が見られるよ」と、笑顔で話してくれました。
 広場の地下に降り、サッシに到着。しかし、なかなか人と出会うことができません。見つけた洞窟住居には誰も住んでいないので、まるで廃墟のよう。サッシにはかつて2万人近くが住んでいましたが、1950年代に衛生面で問題となり、市民の多くが移住させられたそうです。しかし、世界遺産への登録がきっかけとなり、徐々に住民が戻り始めているのだとか。
 開けた通りに出ると、ようやく人に出会いました。サッシのジオラマを観光客に見せている土産物店のご主人です。サッシで生まれ育ったという70代のご主人は、「この街が思い出の姿に戻って欲しい」と言います。その先で出会ったのは、洞窟に合わせて特注の家具を作っている鍛冶屋さん。「ここは一度死んだ街だから、元気にしたいんだ」と、この街への思いを話してくれました。
 さらにサッシを奥へ進むと、教会に花を供える親子や、レゲエミュージシャンのカップル、アート・ギャラリーを開いている男性、バーベキューを楽しむご近所のみなさんなど、たくさんの人々と出会いました。
 “再生”へ向け、よみがえり始めた都市・マテーラ。街への愛に満ちあふれた人々の素顔とふれあう、街歩きです。

※NHKサイトを離れます
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