世界ふれあい街歩き

パリ最後の村　モンマルトル

　丘の街モンマルトルではどこに行くにも階段です。通学中の元気な子供たちと一緒に階段を上るとしゃれた石造りの建物が続く丘の北側に。「この辺りは20世紀初頭にサクレ・クール寺院の建立に合わせて整備された最も新しい地区だ」と地元の男性が教えてくれました。
　一方丘の南側には、真っ赤な風車で知られる老舗キャバレー「ムーラン・ルージュ」が。ここで花開いた歓楽街文化は、当時この丘に暮らした若き芸術家たちを多いに刺激したのです。
　芸術家に愛された街らしく、通りには不思議な「ストリート・アート」も。「皆の美術館なのよ」と地元の人は誇らしげです。長い階段を上って行くと、上から降りてくるのはなんと自転車に乗ったお巡りさん。階段の街ではパトカーよりも便利なのだそう。サクレ・クール寺院を目指して坂の街を上って行くと、子どもサーカス団や、秘密の森に暮らすアーティストなど、今もまだ村のようなのどかな雰囲気を残すモンマルトルを愛する人々との出会いがありました。