2013年2月12日(火) 初回放送
語り:松田洋治
撮影時期:2012年12月
イギリスの首都ロンドン。人口はおよそ820万。テムズ川沿いにあるウェストミンスターは、ロンドンでも人気の高い観光スポットです。世界遺産に登録されている国会議事堂(ウェストミンスター宮殿)や、歴代の王たちの戴冠式が行われたウェストミンスター寺院などの歴史的建造物が有名です。この街に国王の居城があったため政治の中心地として発展してきましたが、現在は首相官邸や外務省、防衛省などが集まる官庁街です。
ウェストミンスターの楽しみ方はいろいろ。昼間はのんびりとテムズ川を散歩したり、夜はウエストエンドで世界トップクラスの俳優たちの演劇やミュージカルを鑑賞したり…。政治からエンターテインメントまで、イギリスの栄華や文化を堪能できるのが、この街の魅力です。
ウェストミンスターには、王室ゆかりの場所がたくさんあります。ビッグベンで知られる国会議事堂はもともと歴代の王たちの居城でしたが、13世紀に議場を設けるようになってからは、国会議事堂へと姿を変えていきました。この地区には現在も、英国の君主・エリザベス2世が住んでいるバッキンガム宮殿があります。
宮殿の入り口になっているのが、近衛騎兵隊の司令部があるホースガーズ。女王がいる時は15人、いない時は12人の騎兵が警備に当たり、1日2交代制になっています。そこで観光客の人気を集めているのが、毎朝11時(日曜は10時)に行われる騎馬衛兵の交代式。赤い制服のライフガーズと青い制服のブルーズ・アンド・ロイヤルズが、美しく磨かれたかぶとと剣を身につけ、士気高く行進する様子は迫力満点!王室の栄華と威信を今に伝えます。
街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!
今回ベスト3を選んでくれたのは、フードライターとして活躍するガイ・ダイヤモンドさんです。
フィッシュアンドチップス
お昼のお供としても、夜のお供としても、愛されてきたロンドンっ子の定番。フライにする白身魚の切り身は30cmくらいあるので、付け合わせのポテトやピクルスと一緒に食べたら、お腹も満足。黄金色に揚がった香ばしい衣に酸っぱいモルトビネガーをかけて、熱々のうちに食べてみて!
ベーコンサンドイッチ
お好みでサンドイッチのパンと具を選ぶのが、イギリス流。ベーコン、ソルトビーフ(コンビーフ)、ツナ、ハムが具の定番ですが、野菜もトマト、レタス、オニオンなどの中から選べるんですよ。パンも、食パン、フランスパン、全粒粉のパンなど、いろいろな種類があります。お好みのトッピングをぜひお試しあれ!
ソーセージロール
ロンドンでは、お昼ごはんとして気軽に食べられている一品。イギリスでソーセージと言えばカンバーランド・ソーセージが有名ですが、このお店では、豚のバラ肉、肩肉、セージ、パン粉をブレンドしたオリジナルのソーセージを使っています。パイ生地はサクサク、お肉はジューシーで、味もしつこくありません。素朴で優しい味が女性にも人気です。
街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!
今回は、ウェストミンスターから東へおよそ10kmの場所にある海事都市・グリニッジにちょっと“より道”してみましょう。
遊覧船で1時間15分の船旅です。グリニッジには世界標準時を定めていた王立天文台があり、世界遺産にも登録されています。船から降りて最初に見つけたのは、まるで宮殿のような旧王立海軍大学。17世紀に、海戦で負傷した兵士を保護する海軍病院として建てられ、その後、海軍大学となりました。現在は、グリニッジ大学と音楽大学の2つの大学がここに入っています。
旧王立海軍大学を出て丘を登っていくと、頂上に王立天文台があります。ここには標準時の基準となった子午線と、かつて船乗りたちに1時の時報を伝えていた赤いタイムボールがあります。展望台に上がってテムズ川をながめると、19世紀にここから発信する時刻を利用していた船乗りたちの姿が目に浮かんでくるようです。100年近くも世界の標準時を告げてきた天文台は、今も静かな感動を伝えてくれます。