これまでの街歩き

高雄/ 台湾

2013年5月7日(火) 初回放送

語り:余 貴美子

撮影時期:2013年3月

世界地図

地図

場所

 台湾南部の玄関口で、アジア有数の貿易港がある港湾都市。台北からは高速鉄道で約2時間の距離にあり、日本からも直行便のフライトが使えるので、多くのビジネスマンや観光客が訪れます。高速鉄道の開通や経済の発展によって、市街地は拡大しています。かつて運河として使われていた愛河を挟んで、東側が新市街、西側が旧市街です。旧市街には人形や仏像、せいろを作る職人の店や、船の部品を製造する町工場などが今もたくさん残っています。一方、新市街には高層ビルやデパート、ホテルが立ち並ぶ中、昔ながらの道教の廟(びょう)が残っていて、食事会や祭りなど、地元の人々の付き合いが行われています。新旧入り混じりながらも、人情があふれる港町です。

Information

からすみ

 高雄は、台湾の特産品“からすみ”の産地。日本では高級珍味ですが、台湾では屋台でも食べられます。屋台で売っているのは、からすみと大根とねぎの薄切りをつまようじで刺したもので、1つ150円ほど。レストランに行けば、からすみ入りのチャーハンやビーフンもあります。
 からすみは、ボラの卵巣を塩漬けにして天日干ししたもの。高雄でからすみ作りが始まったのは、17世紀のオランダ占領時代です。当時はボラの塩漬けを中国大陸へ輸出していました。中国からの移民が製造技術を伝えたことから、卵巣を加工して一緒に輸出するようになったと言われています。今では台湾に来た観光客に人気のお土産として、多くの人々に親しまれています。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 今回は南国・高雄ならではのスイーツを、高校時代から地元で甘味めぐりをしている仲良し2人組、コニ―さんとヤ-チョンさんに紹介してもらいます。

巨大かき氷

高雄の港のそばにはかき氷屋さんがたくさんあり、どの店でも洗面器のように大きなかき氷をみんなでつついています。一番大きな器は、なんと20人用!取り分けるよりも、みんなで食べる方が楽しいのだそうです。練乳入りやマンゴージュースを凍らせたものもあり、上にはマンゴーやグアバなどの南国フルーツがてんこ盛り!

薬膳食材の砂糖煮(百合紅棗銀耳湯)

薬膳料理に使われる百合根(ゆりね)や棗(なつめ)、きくらげ、クコの実を砂糖で煮付け、冷やして食べる漢方スイーツ。カロチンやビタミン、アミノ酸、コラーゲンがたっぷりなので、健康や美肌に良いと女性に大人気!高雄の女性は体の中からきれいになることにこだわっているそうです。

サトウキビジュース

搾りたてのサトウキビに、同じくサトウキビで作ったシャーベットとレモンジュースを加えたさわやかな一品です。天然の甘味だけなので健康的。蒸し暑い高雄の街歩きには欠かせません!

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

三地門
語り:木村祐一

 今回の“より道”は、先住民のパイワン民族が暮らす山間の村「三地門」です。
 高雄駅から列車とバスを乗り継ぎ、約2時間で到着。三地門には木彫りや刺しゅうなどの伝統工芸を守り続ける、パイワン民族の人たちが暮らしています。路地を歩いていると、先住民の酒“小粟酒”を造る女性たちと出会います。粟(あわ)を突いてすり潰し、水につけて発酵させ、濁り酒を造るのだそうです。
 さらに歩くと、壁いっぱいに人の顔や動物、蛇のモチーフを付けた白い家を発見。庭先にいる女性に話を聞くと、ここは村長の家系が住む「英国宮殿のような建物」なのだとか。木彫りのドアの狩人や蛇は家族を表現していて、木の飾りは民族の伝統的な模様なのだそうです。
 この先を左に曲がると、民族衣装を着た3人の少女がダンスの練習をしています。民族の舞踏団のメンバーがモダンにアレンジした踊りと衣装を披露してくれ、少女たちはその姿を熱心に見つめていました。

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