2015年1月13日(火) 初回放送
語り:八嶋智人
撮影時期:2014年10月
ネパール中部に位置するカトマンズは千年以上の歴史を誇る古い都で、1979年にはカトマンズ盆地全体が世界文化遺産に登録されました。また、13世紀に栄えたマッラ王朝が宮殿を置いた場所は、現在はダルバール広場と呼ばれ、その広大な敷地の中に歴代の王たちが競って建てたたくさんの宮殿や寺院が立ち並んでいます。
カトマンズは北のチベットと南のインドとを結ぶ交易都市として栄え、ネパール全土にいる100を超える民族に加え、チベット系、インド系など、さまざまな人たちが混じり合って暮らしています。この街はヒンズー教徒が人口の8割以上を占め、街の至る所に大小さまざまなヒンズー教の寺院があります。2000年以上前に生まれたヒンズー教は、神話に基づいてさまざまな神様を信仰しており、カトマンズは「人より神様の数が多い街」とも言われています。
交易都市として栄えてきたカトマンズは、外から来る人たちを快く受け入れ、さまざまな民族・宗教の人が混じり合って繁栄してきました。その背景には、他の宗教に寛容で、街の8割以上の人が信じるヒンズー教の存在があります。2千年以上前にインドで生まれたヒンズー教では、神話や土着の信仰に基づく様々な神を信仰の対象にしていて、仏教の開祖ブッダも神様の一人として数えられているのです。
ネパール最大のヒンズー教寺院で聖地でもあるパシュパティナートは、ガンジス川の支流のほとりにあり、人が亡くなると遺灰をその川に流します。輪廻(りんね)を信じるヒンズー教徒は、現世を謙虚に誠実に生き抜き、それを終えるとガンジスへかえり、よりよい生まれ変わりを待つのです。
街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!
高校の仲良しコンビ、パサンさんとピピンさんが、「手」をキーワードに、食べ盛りの高校生も大満足のおいしいものを紹介してくれました。
ダルバート
大きなお皿の上にごはんとおかずがぎっしりのった、ネパールの国民食ダルバート。漬け物、生野菜、青菜炒め等の総菜、そしてメインのチキンやマトンなどのカレーが皿の縁に並び、そのおかずの輪の真ん中にご飯。それらを混ぜ合わせていただきます。ダルバートは手で食べるのが一般的ですが、もちろんフォークやスプーンで食べるのもOK。食べ盛りの高校生でも大満足の一品です。
チャタマリ
ネパール風ピザ・チャタマリ。小麦粉で生地を作るピザとは違い、チャタマリは米粉で生地を作ります。米粉を手でしっかり溶いて、鉄板の上に薄く伸ばします。その上に豆とジャガイモのカレーやひき肉などの具材や溶き卵をのせて蒸し焼きにして、完成。カリカリで香ばしいチャタマリは、卵と野菜で彩りも鮮やか。おいしいだけでなく、見た目でも楽しめる一品です。
モモ
ギョーザによく似た料理、モモ。ネギやスパイスで味付けをしたひき肉を、手でよく練った小麦粉の皮で包む。それを大きな鍋に入れ、蒸すこと5分。ゴマやコリアンダーの入ったスパイシーなソースをたっぷりかけていただきます。もともとはチベット料理ですが、カトマンズでもとても一般的。小腹が空いた時にぴったりの一品です。
街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!
今回はカトマンズから東に30km、乗り合いバスで1時間半のドゥリケルという街へ向かいます。ドゥリケルは標高1500メートルを超える高地で、晴れた日にはヒマラヤ山脈の絶景が拝めると言います。
街に到着して、絶景ポイントを教わろうとカフェを尋ねると、お客さんが「ヒマラヤには神様が住んでいる」と話してくれました。教わった絶景ポイントは高台のお寺。途中、ひなたぼっこ風の家族とおしゃべりして、たどり着いてみると・・・なんとヒマラヤ、見えません。近くにいた子どもたちが、朝はここからでも見えたけどこの時間には別の山に登らないと見えないと言います。
早速教えてもらった山へ。山頂まで歩くこと30分。ついにヒマラヤ山脈がその姿を現しました。6千〜8千メートル級の峰々は上の方に真っ白い雪がかぶり、まるで空に浮かんでいるよう。神様がいると信じるのもわかる気がする絶景を、たっぷり堪能しました。