これまでの街歩き

メキシコシティ/ メキシコ

2015年6月30日(火) 初回放送

語り:貫地谷しほり

撮影時期:2015年3月

世界地図

地図

場所

 メキシコ中央高原に位置するメキシコシティは、標高およそ2240mの高地に位置します。かつて、この地にはさまざまな古代文明が栄えていました。中でも広大な湖の上に建てられたアステカ帝国の首都”テノチティトラン”は現在のメキシコシティの基になったとも言われる都市です。
 しかし、16世紀初頭のスペインの侵略によって湖は埋められ、街は破壊されました。街のシンボルである大聖堂はアステカ帝国の建造物を破壊して造られたと言われています。世界遺産に登録されている街の旧市街は、入植したスペイン人が16世紀以降に造った建造物が数多く残り、現在は歴史地区という名の元に行政が特別に保護しています。メキシコシティの地下にはまだまだ多くの歴史が眠り、その上に世界遺産の建造物が並ぶ、まさに歴史にあふれた街なんです。

Information

芸術があふれる街と壁画運動

 メキシコシティは世界遺産に登録された歴史的建造物だけでなく、アートの街としても有名なんです。それはメキシコの歴史にも大きく関わっています。メキシコは16世紀初頭にスペインによって植民地化され、1821年にスペインから独立、1910年のメキシコ革命によって民主国家となりました。
 しかし、当時、国民の多くは満足に教育を受けられず、文字が読めない人々が多くいました。その時、文部大臣に就任したバスコンセロスは、メキシコのさまざまな歴史を街中の壁画に描かせることで、国民にメキシコの歴史を伝えようとしました。その壁画を描かせる政策は壁画運動と呼ばれ半世紀に渡り国中で行われました。今日メキシコシティでアート作品を多く見ることが出来るのも、その壁画運動によって芸術的表現を身近なものとして確立してきたからなのです。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 今回メキシコシティの料理を紹介してくれるのはメキシコで人気のプロレスラー、オリエンタルさんです。
 メキシコではプロレスのことをルチャリブレと呼び、日本からもプロレスの修行でメキシコを訪れるほど人気のスポーツなんです。
 そんなメキシコを代表するオリエンタルさんが紹介してくれるのは、カロリー満点で力が湧く、力飯です!

モルカヘテ

豚、鳥、牛、メキシカンソーセージなど、さまざまな肉とメキシコならではの食材サボテンを鉄板の上で炒め、それを辛いサルサソースと共にアツアツに温めた石臼に入れた料理です。この石臼はメキシコで昔から使われている調理器具で、その名前がモルカヘテと言うのです。熱々のおいしいお肉をトルティーヤに巻いて、その中にお好みのソースを入れライムを絞って食べれば、あなたもモリモリ力が湧いてきますよ!

ポソーレ

メキシコ料理では定番のスープです。家庭によって味は違いますが、大粒のトウモロコシと豚の頭でとったスープで、見た目ほど辛くはなく、さっぱりとした味です。日本人ウケする料理の一つです。このスープに刻んだキャベツや玉ねぎ、サルサソースなどを入れて食べるのが、このポソーレの食べ方です!

エンチラーダ

トウモロコシで出来たトルティーヤを使った料理。鶏肉を巻いたトルティーヤにかかっている緑のソースはサルサベルデというソース。緑トマトや青トウガラシなどから作った酸っぱくて辛いソースです。このソースはクリームソースやチーズなどと相性がよく、一緒に食べると意外にもまろやかな味わいで、癖になりますよ!

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

800年間メキシコシティで受け継がれてきたお宝を探しに行こう!
語り:つぶやきシロー

 今回はメキシコシティの中心から車で30分ほどの場所にある湖の街、ソチミルコを訪ねます。ソチミルコにある湖は、かつてメキシコシティが湖の上にあった800年程前の街の名残です。ソチミルコでは船に乗って風光明美な景色を楽しむために、メキシコ中から観光客が訪れます。船に乗って音楽に、お酒に、すてきな景色に酔いしれます。
 しかし、そんなソチミルコには畑として使われている場所があります。そこではかつてアステカ帝国の繁栄を支えていたトウモロコシ作りが行われていたのですが、現在ではお花が栽培されています。800年受けつがれて来たお宝を探しているとこのお花の畑に着き、そこでお花を作っている男性が見せてくれた「湖の底にある泥」が、お宝でした!畑で働く男性が教えてくれたのは、彼らが行っているソチミルコの湖の泥を使った農法こそ800年前から続く農法であり、肥沃なこの泥こそが、受け継がれてきた“お宝”なのだそうです。

※NHKサイトを離れます
ページトップ