これまでの街歩き

カンタベリー/ イギリス

2015年9月29日(火) 初回放送

語り:田畑智子

撮影時期:2015年6月

世界地図

地図

場所

 イギリスのカンタベリーは、グレートブリテン島の南東部にある地方都市。西暦43年に入植したローマ人が築いた城壁の内側を中心部として発展しました。その中心部に立つ、街の核ともいえる存在が世界遺産のカンタベリー大聖堂。6世紀、イギリスに初めてキリスト教が伝えられた際に布教の拠点として建立され、以来、イギリスのキリスト教世界を主導する存在となってきました。
 12世紀、大聖堂のトップを務めていたトマス・ベケット大司教が国王との対立から暗殺されるという悲劇がきっかけとなって、中世ヨーロッパを代表する巡礼地になり、大勢の人々を引き寄せるようになります。
 現在では年間100万人を超える観光客が訪れる、イギリス屈指の人気の街。大聖堂のほかにも、聖アウグスティヌス修道院跡、聖マーティン教会という、2つの世界遺産を有しています。

Information

もてなしの街の象徴 ホスピタル

 12世紀、トマス・ベケット大司教の悲劇の死と、それに続いて民衆の身の上に起こったとされる数々の奇跡によって、一躍ヨーロッパ指折りの巡礼地となり、膨大な数の旅人を受け入れることになったカンタベリー。その際、地元で建設が進められたのが、宿泊施設「ホスピタル」です。
 「ホスピタル」という言葉はもてなしを表す「ホスピタリティー」に由来し、もともとは「人々をもてなす場所」を意味していました。「病院」はその後に加わった新しい意味だと言われています。街中にいくつも建てられたホスピタルは、旅人に無料で食事とベッドを提供しました。そうしたホスピタルの建物のいくつかは、現在、老人施設や博物館として使われ続けています。今も“もてなしの街”を象徴する存在です。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 年間100万人の観光客をもてなす街だけあって、カンタベリーの食べ物はおいしいものぞろい。
 今回、おすすめトップ3を紹介してくれるのは、食べ歩きが大好きな地元のOL、アリシア・ペルシキーニさん。観光客を飽きさせない、バラエティあふれる3品を豪快に食べつくします!

じゃがいもと玉ねぎのパイ&季節のサラダ

気候が穏やで肥沃(ひよく)な土壌に恵まれていることから「イングランドの庭」とも呼ばれ、おいしい野菜がたくさんとれるカンタベリー。第1位はそんな土地柄をフルに生かしたグルメです。じゃがいもと玉ねぎをオーブンでこんがりと焼き上げたパイに、6種類のサラダをたっぷり盛り合わせて完成!ヘルシーでありながらお腹もいっぱい、女性にもうれしい一皿です。

プルドポーク・バーガー

甘辛いソースでじっくり煮込んでから、細く割いた豚肉を野菜と一緒にパンではさんで食べる定番のファストフード。大聖堂の程近くにあるお店では、徹底的にこだわり抜いて作られたプルドポーク・バーガーが食べられます。味の決め手は16時間もかけて煮込まれた豚肉!自家製ソースが奥の奥までしみこんだ、極上のやわらかさを誇る豚肉を求めて、毎日大勢の人が列をなします。

プランプ・ピルグリム

イギリスといえばティータイム。第3位はそんな午後のひと時を大満足させてくれる焼き菓子です。スコーンのようなシンプルな生地にドライフルーツがアクセント。すっきりとした甘さが特徴です。カンタベリーならではのお菓子を作ろうと、地元のティールームが生み出した一品で、「プランプ・ピルグリム」とは「太った巡礼者」という意味。あまり食べ過ぎると、「プランプ・ピルグリム」になってしまうかも!?

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

ウィスタブル
語り:パパイヤ鈴木

 カンタベリーからバスで北へ20分。今回のより道は海辺の街「ウィスタブル」。おいしいカキが食べられるという評判の街です。街なかで出会ったのは船長さんのような風格の男性。ぜひ見せたいものがあるというのでついていくと、住宅街に1隻の古い船が展示されていました。この船は、かつて100隻ほどあったカキ漁専用の漁船の1つで、カキ漁の歴史を忘れないために地元の人々が大切に保存しているのだといいます。
 カキ漁と街の結びつきの深さを感じながら海辺を歩いていると、大きな貝殻を壁につるしていた男性に出会いました。カキの養殖を行っている漁師さんでした。「カキは世界で一番おいしい食べ物だ、毎日食べるよ」と話してくれました。
 そんなにおいしいのであれば、ぜひ食べてみなければ!と思いつつ、さらに海辺を歩き続けていると、小さなレストランを発見。もしかして・・・とのぞいてみると、お店の前には大量のカキが並べてありました。中には、これまで見たこともないような巨大なカキが!店員のお兄さんに尋ねてみると、「15年くらい育ったもの」とのこと。せっかくなので、いただいてみることに!
 実際のお味はぜひ、ご自身で確かめてみてください!

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