2016年2月9日(火) 初回放送
語り:小倉久寛
撮影時期:2015年11月
トロントは、カナダ、オンタリオ州にある同国最大の都市であり、オンタリオ湖岸の北西に位置しています。オンタリオ湖からヒューロン湖の陸路輸送ルートであったことから昔から人々が集まる場所でありました。
現在はカナダ経済の商都であり国内企業の本社や多国籍企業が多く入っており、証券取引所など金融の中心を担っています。
また、歴史的な建造物や博物館、スポーツチームの存在など、文化面でも重要な役割を果たしています。移民を多く受け入れていることからも、トロントは多くの異なる文化を受け入れ、尊重することで、国際色豊かな、住みやすい都市を形成し、世界的に高い評価を受けています。
移民に寛容な国であるカナダ、中でもトロントは90の民族と100を超す言語があるマルチカルチャーシティとなっています。1793年に街が出来た当初は「ヨーク」と呼ばれていました。当時はイギリス領で、移民といえばイギリス人とフランス人でした。
1846年のじゃがいも飢きんでアイルランドからの移民が増加。その後、20世紀に入ってから政府によって移民奨励策がすすめられ、欧州各国の移民が増え始め、アジアやアフリカからの移民も急増し、マルチカルチャーシティが誕生しました。トロントの移民街は、大小合わせて100以上存在し、民族や文化を越えた街を形成しています。
街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!
今回紹介してくれるのは、フランス系のカナダ人のブジーヌさん。移民の多いトロントの街には、世界各国のスイーツであふれています。
耳慣れない名前のスイーツの多さも多文化都市ならではだいご味。マルチカルチャーシティトロントを舌で味わってみてはいかがでしょうか?
クスクス・スファ
クスクスとは小麦粉を蒸しあげた粒パスタのことで、モロッコ発祥の料理。今回は、レーズン、砂糖、バターで味付けをし、シナモンやピーナツをちりばめてアレンジします。結婚式の時や、家族みんなで食べるデザートとしてのクスクスを紹介。
ポンチキ
ポンチキはポーランドを代表するスイーツ。パンの中に、甘酸っぱいプラムのジャムなどが入っているドーナッツにも似たお菓子で、ポーランドでは「ポンチキの日」まである、定番のおやつ。
ギナターンビロビロ
フィリピンのスイーツ、ギナターンとはココナッツミルク、ビロビロとはお餅のこと。食紅をまぜた紫の白玉の他に、ジャックフルーツやタピオカなどが入っています。ほんのりと甘く、冷やしても、温かくしても美味しいスイーツ。
街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!
トロントから電車と車を乗り継ぎ、100キロ、豊かな自然が残る、カワーサ地方を訪れます。夏には釣りや海水浴なども楽しめる保養地であります。
今回は、風光明美なカワーサ地方の先住民であるオジブワ族の保護区に伝わる伝統文化に触れます。オジブワ族とは「野生の人」という意味で、北アメリカ大陸北部の森や湖で狩猟採集の暮らしを続けた先住民です。
今回は「悪い夢を見ないよう飾る」とされるドリームキャッチャーの伝統的な作り方を教えていただきました。他にも、ヤマアラシの針で装飾したカゴ、トートバッグ、アクセサリーといった工芸品などを見せていただき、彼らが壮大な自然環境の中に身を置き作品を作りつづける中で自然から受ける影響や、自然に対しての尊敬の気持ちなど、自然と共存し、暮らし続ける先住民の文化に触れる寄り道の旅となっています。