2017年6月27日(火) 初回放送
語り:草刈正雄
撮影時期:2017年5月
ミラノは、ロンバルディア州の州都でミラノ県の県都。北部イタリア最大の工業都市であり、いわばイタリアの「経済的首都」。また、国際的なファッションの中心地として知られています。
街は、大聖堂 ドゥオーモを中心に、放射状の道路と環状道路が走っていて、同心円状に拡張・発展してきた街の歴史を物語っています。
中世はミラノ公国の首都として繁栄。「芸術の都」として、ルネサンス文化の中心地でもありました。街にはドゥオーモのほか、ミラノ公国時代に築かれたスフォルツァ城、スカラ座やレオナルド・ダ・ヴィンチの傑作「最後の晩餐(ばんさん)」が描かれた教会など、文化、歴史的な建物が多く残っています。
ミラノ公認ガイド、ジェラルドさんが、ミラノ公国の城塞として活躍したスフォルツァ城からミラノの歴史を紹介します。
1482年 、レオナルド・ダ・ヴィンチは30歳の頃にミラノに移り住みます。当時、街を統治していたのはルドヴィ-コ・スフォルツァ。 ルドヴィ―コは芸術と文化の保護に力を注ぎました。ダ・ヴィンチはルドヴィ―コに自己推薦状を送った結果、採用されます。ダ・ヴィンチの「最後の晩餐(ばんさん)」は、ルドヴィーコの依頼によって描かれたものです。
ルネサンス時代、「芸術の都」として栄えたミラノ。しかし、イタリア戦争でフランスに占領されると、その後、長い間、外国支配が続きます。20世紀、イタリアの一部となったミラノは、その後、ファッションショーの誘致に成功、「ファッションの都」としてモダン・デザインを世界に発信し続けています。
街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!
美食家の大学生、ジュリアさんが、「ミラノに来たら必ず食べてほしい」というお勧めグルメを紹介します。
オッソブーコ ミラノ風
ミラノの名物料理。子牛の骨付きすね肉を、香味野菜などと一緒にスープでじっくり煮込みます。付け合わせは、サフランで黄金色にしたリゾット。濃厚な骨髄をリゾットに絡めていただきます。ほろほろなお肉と、スープをたっぷり吸いこんだリゾットとの相性がたまりません。
パネットーネ・ファルチート
パネットーネはミラノの伝統的な菓子パンです。それにマスカルポーネやチョコレートなどを詰めたものが「パネットーネ・ファルチート」(「ファルチート」は「詰め物」の意味。)
もっちりとして発酵風味ゆたかな生地は、ほんのり甘い。それにマスカルポーネの風味やフルーツの酸味が加わると、最高です!
モンデギーリ
ミラノ伝統の揚げた肉団子。牛肉を十分に食べられなかった16世紀ごろに考案されたといわれています。今では、肉団子にニンジンや玉ねぎを入れたり、衣に数種類のスパイスを加えるなど、アレンジされています。揚げたてのモンデギーリは絶品!
街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!
ミラノから マッジョーレ湖の最寄り駅「ストレーザ」までは列車で北西へ1時間ほど。そこから船に乗ってすぐ見えてくる島々のひとつがベッラ島です。
17世紀に北イタリアの伯爵、ボッロメオ家のカルロ3世が妻への愛の証として建てたもの。島の大半を占めるボッロメオ宮殿は、壮大で優雅。まるで湖に宮殿が浮いているかのようです。
宮殿には、高い天井が贅沢(ぜいたく)な造りの「舞踏の間」や、ナポレオンが休息をとったといわれる「ナポレオンの寝室」があります。ナポレオンはベッラ島をとても気に入り、妻ジョゼフィーヌを伴って度々静養に訪れたのだとか。
イタリア式の美しいバロック庭園は、幾何学的にデザインされた緑の中に、彫像などが並べられています。庭園では、目にすると幸運をもたらしてくれる(!?)という、白い孔雀(くじゃく)が優雅に歩いています。テラスから望む湖と湖畔の街、アルプスの山々が織りなす景色は絶景です。