これまでの街歩き

緑いっぱい運河の街
ハーレム/ オランダ

2017年8月22日(火) 初回放送

語り:鈴木 杏

撮影時期:2017年5月下旬~6月上旬

世界地図

地図

場所

 ハーレムは、アムステルダムから北へ20kmほどの場所に位置する北ホラント州の州都です。チューリップやヒヤシンスなどの球根栽培が盛んにおこなわれ「花の街」として親しまれています。
 ハーレムは中世の面影を強く残しており、多くの歴史的建造物が並んでいます。中でも14世紀に建築が始まった聖バフォ教会は国家遺産(rijksmonument)に登録されており、少年時代のモーツァルトが弾いたとされるパイプオルガンが有名です。市内には1149もの国家遺産があります。
 運河に囲まれたこの街は、かつては球根栽培以外にも繊維工業,造船所,ビール醸造などの産業で栄え、オランダ北部の中心地でした。海上交易が盛んになるとともに、オランダ北部の中心はアムステルダムに移っていきましたが、中世から変わらず残る風情を感じに、多くの人が訪れます。

Information

水と共に生きる街ハーレム

 ハーレムをぐるりと回る、運河クルーズの船長・ユルン・ハーフンさんがこの街のことをガイドしてくれました。
 オランダ北部の土地のほとんどは干拓によって広げられた海抜ゼロメートル以下の低地。国の正式名称である「ネーデルランド」も「低い国」という意味。しかし、ハーレムの土地はそばを流れるスパールネ川が運んだ土砂が堆積してもともと丘陵地であったため、周囲の地域より一足先に発展しました。そして、川や運河による交易が街を豊かにし、オランダ北部の中心的な都市となります。
 水は繁栄の手段ともなりましたが、脅威でもありました。街の傍らにあったハーレム湖が、度々水害を起こし、街に被害を与えていたのです。人々はハーレム湖の水を風車を利用してかき出し、ついに干拓地とすることに成功しました。
 ハーレムは、今も水がもたらす恩恵に支えられるとともに、水の脅威とも戦い続けています。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 今回グルメを紹介してくれるのは、花の街ハーレムのマスコット「フラワーガールズ」
彼女たちと一緒に市内をめぐり、イチオシの伝統料理を教えてもらいました。花の街らしい華やかなグルメをご覧ください。

ゴーダ・チーズ・フォンデュ

オランダは世界に知られたチーズの国。そんなオランダを代表するゴーダチーズだけで作ったぜいたくなフォンデュです。ゴーダチーズは濃厚だけどなじみやすい味。白ワインと一緒に溶かすことで、さらに風味が際立ちます。鍋になみなみと注がれたチーズをパンたっぷりからめて召し上がれ!もうたまりません!

ニシンの塩漬け

ニシンを生のまま塩漬けにしたシンプルな料理です。オランダはニシン漁で繁栄した国とも言われていて、ニシン漁の解禁日には王室に献上されます。先代の女王、べアトリクス王女も大好物なんだとか。そんなニシンの塩漬けには伝統的な食べ方があります。それはなんと尻尾をつかんで下から丸かじり!遠慮せずにガブリといきましょう!

パネクック

オランダ風のパンケーキ。とっても薄いのが特徴で、食感はパンケーキよりもクレープに近いです。ベーコンとリンゴの組み合わせが塩味と甘みの絶妙なハーモニーを生み出します。シロップと粉砂糖をかけて召し上がれ!何枚でも食べれちゃいます。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

「ゴーダ」とびっきりのチーズを探せ!
語り:松村邦洋

 ハーレムからゴーダまでは列車で1時間ほど。ゴーダチーズで有名なゴーダを目指します。ここでは中世からの伝統なチーズ市が開かれています。そのチーズ市でまず最初に目に飛び込んできた風景は、互いの手を叩きあっての値段交渉。1セント単位の細かい駆け引きが行われていました。ここで行われているのは、中世のチーズ市を忠実に再現したパフォーマンス。再現度の高さに、伝統を守っていこうとするゴーダの人々のこだわりを感じました。
 せっかくゴーダに来たのだから、とびっきりのチーズを!と、探し回って見つけたチーズ屋さんにはさまざまなタイプのゴーダチーズが所狭しと並んでいました。店主も「農家の生乳からの手作りチーズだから高品質」と自信たっぷり。常連のお客さんは旅行のお供にこの店のチーズ、と言って1キロも買っていきました。チーズ屋さんの夫婦曰く「チーズはもう1人の子供みたい。世話を忘れた、と夜中に飛び起きることもある。」とか。この愛情がおいしいチーズの秘訣なんですね。

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