これまでの街歩き

ただいま変貌中
ウランバートル/ モンゴル

2017年10月10日(火) 初回放送

語り:小倉久寛

撮影時期:2017年7月

世界地図

地図

場所

 ウランバートルはモンゴルの首都で、国土の中央トゥブ県内に位置します。古くからモンゴル高原を支配する遊牧民の政権が置かれた地域のひとつで、国の政治・経済・文化・宗教の中心地として発展してきました。今は人口の一極集中が進み、全国民の約半数である140万人が暮らすモンゴル唯一の大都市です。
 ここ10年で、世界の都市の中でも飛躍的な経済成長を遂げた街で、市内の中心部には高層ビルやマンションが建設され、ビジネスマンや富裕層が住み活気に満ちています。その一方で、街の周縁部にはゲルが無秩序に広がり、インフラ整備がなされていないゲル地区が増加しています。仕事を求めて地方から移住してきた人々が密集して住んでおり、経済格差が急激に進む都市の現実を反映しています。

Information

民主化運動を支えた歌声 ゾクトサイハン

 1924年から、60年以上社会主義体制がとられていたモンゴル。ソビエト連邦に次ぎ、世界で2番目に誕生した社会主義国でした。しかし、1990年にウランバートル市民の間で民主化を求める声が大きくなり、デモは国中に広がりました。その結果、一滴の血も流すことなくモンゴルの民主化は達成されました。文化がことごとく破壊され、1万人以上の仏教の僧侶が処刑された苦難の時代が、ついに終わりを迎えました。
 この民主化運動を支えたのが、ロックバンド「ホンホ」のボーカリストだったゾクトサイハンです。日々、人々が集まる広場に現れては体制を批判する曲を歌い、民衆に訴えかけました。その曲の名は「鐘の音」。彼はいま、国の英雄として尊敬される存在となり「鐘の音」は世代を超えて歌い継がれる曲となっています。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 今回紹介してくれるのは、モンゴル相撲のマッチョな力士・ツプシンサナーさんと、ひ弱な力士見習い・ガンエルデネさん。モンゴル最大の祭典ナーダムのモンゴル相撲大会に出場するため、修行中だという2人。
 力がつく料理がたくさん出るという、行きつけのお店を案内してくれました。

ホルホグ

モンゴルを代表する伝統的な料理。骨付き羊肉をジャガイモやニンジン、玉ねぎなどの具材を一緒に入れて塩で味をととのえ、焼いた石を入れて一気に煮込みます。遊牧民おなじみの料理でしたが、現在、町中で暮らすモンゴル人はボーズを一緒にゆでたり、しょうがの風味を加えたり、オリジナルのたれにつけて食べたり・・・と色々なアレンジを加えて楽しんでいるそうです。

ツォイワン

中国料理に由来する、油焼きそばのこと。手打ちで作った麺に、ニンジンやいろいろな野菜、羊肉を絡め、塩でさっと炒めて食べるそう。こちらもモンゴルの国民食として、レストランでも家庭でもよく食べられています!

ボーズ

中国の肉まんに由来する、一口サイズの蒸しギョウザ。中身は基本的に羊肉。細かく切った羊肉の他に玉ねぎを入れ、好みの量の塩味をつけて蒸したら出来上がり。モンゴルでは定番の家庭料理です。さらに旧正月には、訪れる客人たちにふるまう料理として数千個単位で大量に作るそう。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

草原の巨大チンギスハン
語り:篠原ともえ

 今回目指すのは、ウランバートル市内から車で約1時間の距離にあるチンギスハンゆかりの地・エルデネ村。いざタクシーに乗って出発!と思いきや、運転手さん急ストップ。止まった先は「オボー」と呼ばれる不思議な柱の前。モンゴルでは昔から旅に出るときにオボーを3周回り、3つの石を供えて旅の安全を祈願してきた風習があるのだそう。
 安全祈願をすましたところで、気を取り直して出発。草原を走り続けると、まさにモンゴルといった家畜の群れや遊牧民の住居・ゲルの姿が現れました。ゲルにお邪魔すると、パラボラアンテナやソーラーパネル、冷凍庫にテレビ・・・と、想像以上にハイテクな遊牧生活。こういった暮らしはモンゴルではすでに一般的とのこと。
 そしていよいよ、チンギスハンゆかりの地へ。見えてきたのは銀色に輝く巨大な騎馬像。モンゴルの英雄・チンギスハンの姿です。ガイドさんに話を聞くと、チンギスハンが初めての戦に出た時にこの場所でムチを拾い、それがのちの快進撃に繋がったのだそう。この故事によりモンゴルではムチを拾うと男の運気が上がるという言い伝えがあるのだとか。最後は像の頭部にある展望台へ。800年前にチンギスハンが見たのと同じ、大草原の姿を堪能しました。

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