世界ふれあい街歩き

場所

　イタリア半島の南、地中海最大の島・シチリア島の東の海岸に位置するタオルミーナ。人口およそ1万。紀元前358年に古代ギリシャ人が築いた街は、温暖な気候と美しさで古くから数々の民族を魅了してきました。9世紀にはアラブ人、12世紀にはノルマン人、13世紀以降は神聖ローマ帝国、フランス、そしてスペインの長い支配を受けます。街の至る所に古代ギリシャ・ローマ時代の劇場や遺跡、中世から近代に造られた教会や大聖堂など歴史的な建造物があふれています。
　街の東側は美しい海岸が広がるビーチリゾート、西側にはシチリアのシンボル・エトナ山がそびえます。そのため、夏は海水浴やマリンスポーツ、冬はエトナ山でスキーやスノーボードも満喫できます。
　さらに地中海で取れる新鮮な魚介からエトナ山周辺の豊かな大地でつくられる、おいしいワインやハムなど、海も山のグルメも楽しめるイタリア屈指の観光地なのです。

絶景あふれる映画の街

　人口1万ほどの小さな街タオルミーナが世界的なリゾートになった秘密…それはこの街にあふれる絶景にありました。文豪ゲーテはギリシャ劇場から見える絶景に心奪われ、一年を通じて温暖でさまざまな花が咲き乱れるさまを「自然が生んだ芸術」と絶賛。
　19世紀以降、ヨーロッパの文化人や上流階級の人々が次々と訪れるようになり、タオルミーナに観光ブームが沸き起こります。画家ピカソや女優グレタ・ガルボもこの街に魅せられました。極めつきはタオルミーナでロケをした映画の世界的な大ヒット！「グラン・ブルー」や「ゴッドファーザー」などの映画に登場した数々の絶景と美しい街の風景は人々の心を捉え、世界中から観光客が訪れるようになります。こうしてタオルミーナは年間100万人以上が訪れる世界的な観光都市になったのです。

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介！

温暖なシチリア島にあるタオルミーナはフルーツの宝庫でもあります。一年中さまざまなフルーツが味わえる、この街ならではのとっておきフルーツグルメをご紹介します。今回は、絶景を攻めるのも食べ歩きも大好きなセクシーなバイク女子、ジョルジャさんに案内してもらいました。

グラニータ

クリーミーなシチリア流のかき氷。旬のお好みのフルーツを絞って、エトナ山の雪解け水と砂糖を加えて冷やしたら、専用の機械できめ細かでふわふわのかき氷に。このグラニータは「ブリオッシュ」という菓子パンにのせて一緒に食べるのがシチリア流！甘さ控えめでさっぱりしているからいくらでも食べられます。強烈なシチリアの太陽が照りつける夏場は大人気のデザートです。

生ハムサボテン

秋から冬にかけてが旬のウチワサボテンの実を使ったとっておきグルメがコレ。シチリア産黒豚の生ハムと合わせた一品です。トロピカルなウチワサボテンの実の甘みと熟成された生ハムの深い味の組み合わせが絶品！シチリアワインとも相性バッチリ、生ハムメロンも目じゃない！？

シチリア風オレンジのサラダ

シチリア名物のオレンジをふんだんに使った一品。新鮮なオレンジを輪切りにして、ハーブの一種フェンネル、チーズ、アンチョビを加え、オリーブオイルと塩コショウなどであえると、サッパリした味わいのサラダに！ シチリアの強烈な太陽を浴びたオレンジの酸味と甘さが弾けます。

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます！

洞窟探検に行こう！

語り：つぶやきシロー

　タオルミーナ・マッツァーロ海岸からボートに乗って洞窟探検に出かけます。まずたどり着いたのは「青の洞窟」！？「青の洞窟」と言えばカプリ島が有名ですが、そこよりも広くて大きいのが自慢。外からの光が射し込んだ海は神秘的なまでに青く美しく輝いていました。次に訪れたのは「恋人たちの洞窟」。まるで映画のタイトルのような名前ですが、この洞窟の中にカップルで入ると「3人になって出てくる」という伝説があるんだとか。しかし、潮が高くて入るのをあえなく断念…
　そして、最後に訪れたのはあの世界的な大ヒット映画「グラン・ブルー」のロケ地にもなったホテル「カポタオルミーナ」。オーシャンビューの絶景が自慢の高級ホテルの中にもなんと洞窟が… 赤い照明で照らされた怪しい洞窟トンネルを抜けた先には青い海と真っ白のビーチが広がるホテル自慢のプライベートビーチがありました。タオルミーナの海とリゾート気分を満喫した洞窟ツアー！でも、やっぱり気になるのは…「恋人たちの洞窟」？