これまでの街歩き

パリの下町
サンマルタン運河界わい/ フランス

2018年8月7日(火) 初回放送

語り:竹内結子

撮影時期:2018年4月

世界地図

地図

場所

 フランスの首都、パリの北部に広がるサンマルタン運河界わい。1825年に開通した当初は飲料水の確保のために使用されていましたが、工業が発展し、水運にも使われるようになると、運河の周りには工場や倉庫が立ち並び、職人の街として栄えました。
 下町情緒あふれる街並みは映画の撮影ポイントとしても人気で、運河のほとりに立つホテルが舞台となった「北ホテル」や、女性が水門の上で小石を投げて遊ぶシーンが印象的な「アメリ」なども撮影されました。
 また10年ほど前からは若い芸術家たちやファッションに敏感な人々がこの地域に目をつけて、おしゃれなカフェ、ギャラリー、ブティックなどをオープン。パリでも注目のエリアとなっています。

Information

サンマルタン運河の歴史

 サンマルタン運河は全長約4.5km。25mの高低差があるため、船を進めるために2つの水門を使って水量を調節する閘門(こうもん)が9か所に設置されています。
 そもそも運河の建設はナポレオン・ボナパルトの命によって1806年に始まり、1825年に開通しました。運河が造られた当時は、主に飲料水を引くために使用されていましたが、産業革命が進んでいくとともに水上輸送として使われるようになったそうです。両岸には工場や倉庫が建ち並び、多くの職人たちで活気に満ちていたのだとか。現在、運河を行き来するのは大勢の観光客を乗せたクルーズ船。運河のほとりはパリ市民のくつろぎスポットとして、特に暖かい季節は昼夜問わず、多くの人々でにぎわいます。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 紹介してくれるのは、プロの役者、フレデリック・マラユードゥさん。最近フランスのテレビ・ドラマに出演したそうです。
 プロならではの演技力で、サンマルタン運河のお散歩にはもってこいのおやつをユニークなスタイルで紹介してくれました。

オペラ

パリのオペラ座がその名の由来となった、チョコレートケーキ。ケーキの上にのった金ぱくは、オペラ座の上にある金の像をイメージしています。チョコクリーム、コーヒー風味のバタークリームなどを次々と重ね、ビターチョコでコーティングしたケーキの味は、ほろ苦く濃厚。ぜいたくな気持ちになる一品です。

ミルフィーユ

ミルフィーユは“千枚の葉っぱ”という意味です。木の葉のように薄いパイ生地にカスタードクリームをのせ、さらにパイ生地、カスタードクリーム、と何段にも重ねた姿から、この名がつけられたと言われています。取材したお店では、注文してからパイ生地とクリームをその場で重ねてくれたため、パイ生地のパリッとした食感が印象的でした。

ショソン・オ・ポム

パリでは定番の菓子パンです。ショソンは“スリッパ”、ポムは“りんご”の意味で、スリッパを折りたたんだ形に似ていることから、この名がつけられました。バターが香るパイ生地と、中にくるまれたゴロゴロッとした甘酸っぱい煮リンゴの相性は抜群!いくつでも食べてしまいそうなスイーツです。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

ジベルニー 巨匠モネが愛したアトリエ
語り:つぶやきシロー

 パリから列車でおよそ45分、ジベルニーという小さな街へ。印象派の画家、クロード・モネが晩年を過ごした住居兼アトリエを訪ねます。
 ジベルニーの駅から、自然豊かな のどかな道をひたすらまっすぐ歩いていくと、モネのアトリエに入るための行列を発見!入ってみると、カラフルな花が咲き誇る美しい庭が広がっていました。その一角に、緑のアーチが入り口にかかった可愛らしいアトリエ。部屋の中には、日本の浮世絵のファンだったモネならではのコレクションが展示されていました。その奥には、当時のまま残されたモネの寝室と“睡蓮(すいれん)”の絵が壁いっぱいに飾られた空間がありました。
 ここで働く庭師さんが、「モネは庭へのこだわりがとても強く、“睡蓮”の絵を描くために池まで作ったんだよ」と教えてくれました。
 庭師に池まで案内してもらうと、竹林や柳の木、太鼓橋など、日本的な要素を周りに取り入れた、美しい池が広がっていました。しかし池の水面をよく見てみると、睡蓮の花がまだ咲いていません。聞けば、まだ葉が出始めたばかりで、見頃は7月ごろとのこと。残念ながら睡蓮の花を見ることはできませんでしたが、巨匠モネが愛し、丹精込めて造った美しい庭と、今しか見れない色とりどりの花を堪能することができました。

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