これまでの街歩き

大都会の中のビレッジ
ロンドン・ハムステッド/ イギリス

2018年9月18日(火) 初回放送

語り:羽田美智子

撮影時期:2018年6月〜7月

世界地図

地図

場所

 ハムステッドの歴史は、何世紀も前にさかのぼり、10世紀には、修道院の荘園だったいう記録が残されています。緑にあふれ、すんだ空気、そして、鉄分を含んだわき水が出ることから、18世紀には保養地として栄えるようになります。しかし、1829年、ある事件がおきます。この土地の領主が、ハムステッドヒースの緑地に建物を立てようと計画したのです。それを聞いた地域住民は大反対、緑を守るための保護団体を立ち上げ、半世紀近くにわたり争います。そして、領主の死後、旧ロンドン市によってハムステッドヒースの土地が購入され、1871年、この緑地に何も建ててはならいという条例が定められ、市民のための公園となりました。
 こうしてハムステッドの住民たちの力によって、大都会ロンドンの中に、広大な緑地が残されることになったのです。

Information

芸術家たちが愛した街、ハムステッド

 ロンドンの中心から北に6kmの場所にあるハムステッドは、標高130mの小高い丘の上にある街です。3.2平方kmある広大な公園、ハムステッドヒースがあることでよく知られています。自然豊かな公園には、水がわき出ていて、ロンドンのテムズ川に注いでいます。豊かな水に恵まれ緑あふれるハムステッドは、イギリスを代表するロマン派の詩人、ジョン・キーツや、行進曲「威風堂々」の作曲で知られるエドワード・エルガー卿など多くの芸術家たちが暮らし、愛してきました。イギリスを代表する画家、ジョン・コンスタブルもその一人です。彼の作品には、19世紀当時の美しいハムステッドヒースの景色がおさめられています。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

紹介してくれるのは、ハムステッドに暮す歴史好きの歴女、サマンサ・モリスさん。
お気に入りの店の一品を紹介しながら、街の歴史にまつわるおもしろい話を教えてくれます。

ローストビーフ

18世紀、イギリスで人気のあった画家のスタジオとして使われいたパブ。ここの名物は、ボリュームたっぷりのローストビーフ。素材は、すべて国産。牛肉は、塩とタイム、ローズマリーにつけて一日置くのがおいしさの秘けつ。5時間かけてオーブンで焼いて出来上がり。ビーフの肉汁で作ったソースをかけて食べると最高です。

フィッシュ・アンド・チップス

ハムステッド産のビールを80年ぶりに復活させたパブ。ここのお勧めは、イギリスの国民食、フィッシュ・アンド・チップス。冷えたビールと小麦粉を混ぜて作る衣がおいしさのポイント!黄金色にあがった衣のサックとした歯ざわりが最高。地ビールとともに一緒に食べると格別です。

カモのコンフィ

井戸があった通りにちなんで、ウェル(井戸)と名づけられたパブ。ここの人気メニューは、カモのコンフィ。低温の油でじっくりと煮るので、皮はカリっとしていて、肉はとっても柔かな仕上がりになります。とても味い深い一品です。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

お墓が観光スポット!? ハイゲート
語り:つぶやきシロー

 ハムステッドの中心からタクシーでおよそ20分の場所にあるハイゲート墓地を訪ねます。
 19世紀に作られた歴史ある墓地。ちょうど、中に入ってきた2人組に声をかけると、「この墓地はアトラクションがいっぱいだよ」と教えてくれました。”奇妙なことを言うな”と思いながら歩いていると、お墓の前で記念撮影をしている人たちがいっぱい。よく見ると、「資本論」書いたカール・マルクスのお墓でした。
 途中、墓地のガイドツアーに参加することに。まず案内してもらったのが、エジプト風の豪華なお墓。なんとお墓を買ってもらうため、客寄せ用に作られたそうです。さらに進んでいくと、不気味な建物が。中にはボロボロの棺おけがたくさん。ガイドさんによると、昔この墓地で吸血鬼狩りが行われ、ひつぎを壊して吸血鬼がいなか調べたために、ボロボロになっているとのことでした。はたして吸血鬼はいたのでしょうか?スリル満点の墓地のツアー、ぜひ、参加してみてください!

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