これまでの街歩き

時を越える路地めぐり
トレド/ スペイン

2018年10月30日(火) 初回放送

語り:田畑智子

撮影時期:2018年7月

世界地図

地図

場所

 マドリードから南西におよそ70km、スペイン中部 カスティーリャ・ラ・マンチャ州の州都トレド。1986年に世界遺産に指定された旧市街には、今もおよそ1万人が暮らしています。
 16世紀には首都が置かれスペインの政治・文化の中心だった古都。今でもスペインカトリックで最も権威のある大司教座がおかれるトレド大聖堂や、スペインを代表する画家エル・グレコの絵が展示されたサント・トメ教会などがあり、中世の面影を色濃く残す旧市街です。
 首都マドリードからは新幹線で1駅32分。この利便性もあって、毎年多くの観光客が訪れる、スペイン屈指の観光地です。

Information

トレドの路地が狭いワケ

 トレド旧市街には、幅1mにも満たない狭い路地がたくさん。それも複雑に曲がりくねって迷路のように張り巡らされています。実はこの路地は、1000年以上前のイスラム統治時代の名残りだと言われています。
 三方を川に囲まれ、標高およそ500mの丘の上にたつトレドはまさに『天然の要塞』。この戦略的に有利な地形から、ローマ人やイスラム教徒、キリスト教徒など支配者が次々変わってきました。中でも8世紀に街にやってきたイスラム教徒は、街の路地をより複雑に造り上げることによってこの『天然の要塞』の守りをさらに固め、以降およそ400年に渡ってトレドを支配することに成功しました。
 ちなみに、街のあちこちで見かける鍵穴みたいなデザインもイスラム文化の特徴。今でもこうしたイスラムの香りが漂ってくるのもトレド旧市街の特徴です。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

トレドで人気のお菓子やさんに勤めるマリア・デル・カルメン・ルデーニャさんが、トレドのとっておきグルメベスト3を紹介してくれました。

ペルディス

スープがしっかりしみ込んだヤマウズラの煮込み。玉ねぎや月桂樹などと合わせて白ワインでじっくり煮込み、太もも部分が柔らかくなったら出来上がり!内陸の街トレドでは、重要なたんぱく源として昔からよく食べられてきたメニューです。

カルカムサ

豚肉や腸詰め 生ハムと玉ねぎやパプリカなどの野菜を白ワインで一緒に煮込み、最後にトマトを入れて完成するトレドのBARの定番メニュー。新メニューを開発していたトレドのBARの店主が、店に来ていた「カルカ(老人客)」と「ムサ(娘)」に試食させたところ、すぐに気に入ったことから、こう名付けられたんですって。

トレダーノ

生地にはさまれたかぼちゃのジャムがポイントの、トレド定番の焼き菓子。このジャムは金色で繊維状に見えることから、スペインでは『天使の髪の毛』と呼ばれ、いろんなお菓子に使われるおなじみの味。ジャムの濃厚な甘さが癖になるひと品です。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

マドリード海軍博物館~コロンブスの知られざるお宝!!~
語り:つぶやきシロー

 今回はなんと、あのクリストファー・コロンブスの知られざるお宝を見に行っちゃいます。向かうは、マドリードにある海軍博物館。トレドからだと新幹線で1駅、32分であっというまに到着です。
 海軍博物館はスペイン海軍直轄の博物館です。大航海時代から近代に至る海洋大国スペインの歴史を精巧な船の模型の展示で紹介しているレアな観光スポット。一番の目玉は、今から500年以上前に描かれた“世界初の世界地図”と言われる『ファン・デ・ラ・コーサ地図』。コロンブスが新大陸を発見した後に初めてアメリカ大陸が書き加えられた世界地図で、コロンブスの新大陸発見の航海に同行した航海士フアン・デ・ラ・コーサが描いたものなんです!当時この地図は国の重要機密情報として、スペイン王室によって厳重に管理されていたんですって。
 さらに今回は、あのクリストファー・コロンブスの直系、20代目のコロンブスさんにもお会いしちゃいました。スペイン海軍の提督として、たまにこの博物館を訪れているコロンブスさん。スペインの英雄のご子孫とご対面なんて、これこそ“お宝な体験”ができちゃうより道でした。

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