これまでの街歩き

あこがれリゾートの街を行くⅣ
ニース/ フランス

2012年4月24日(火) 初回放送

語り:光浦靖子

撮影時期:2012年3月

街の「マティスが描いた景色」

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 旧市街に入ってまもなく、花市場に到着。色とりどりの花を見て歩いていると、口笛を吹きながらブーケをつくるおじさんの店を発見しました。おじさんが楽しそうに作っているのは、地元ニースで育ったミモザとチューリップの鮮やかなブーケ。注文したのは常連さんのご夫婦です。このご夫婦、なんとマティスがかつて暮らしていた建物に住んでいるんだそうです。そのお宅にお邪魔させてもらうことに。マティスが絵を描くために眺めた風景だと紹介してくれた景色は、まるで額縁に収まった一枚の絵のよう。そこには、太陽の光を浴びた青く美しい“天使の湾”が広がっていました。ご自身もアーティストだという奥さんいわく、「この開放感を味わったら、なんでもやれちゃう気分になるの」。実際の風景を見ながらそう言われると、なんだか納得です。

街の「たまり場レストラン」

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 午前11時。本格的な路地歩きを開始したやさき、イケメン2人組に遭遇! 後について歩いていくと、着いたのは何とも温かい雰囲気のレストラン。聞けば、イケメン2人はご兄弟で、このレストランはご両親はじめ家族でやっているお店だそうです。1927年から代々受け継がれてきた店は、兄弟で4代目になるんだとか。店内には、奥さんに追い出されたと言いながら食前酒を楽しみに来る常連さんたちがいました。次にお店に入ってきたのは、
ポリーヌさんという91歳の旧市街最年長の女性。毎日顔を出すんだそうです。あいさつを交わしたり近況を話したり、ここは旧市街に暮らす地元の方たちのたまり場のようです。
 ニース弁の歌を楽しそうに歌うポリーヌさんと、それを笑顔で見守る兄弟や常連さんたちの雰囲気はまるで家族のよう。最後にみなさんが教えてくれたのは、ニースの女性の魅力。フランスでいちばん美しいといわれる理由は、輝く太陽に照らされるからなんだとか。美しさの秘密はニースの太陽にあったんですね。

街の「国際色あふれるタンゴ教室」

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 午後2時。聞こえてくる音楽につられてのぞいたのは、アルゼンチン・タンゴの教室。そこで、教室の先生や生徒さんたちに出会いました。聞いてみると、いずれもご出身はニースではなく、外国から移り住んで来た人たちでした。ドイツから来てニースで活躍するオペラ歌手だったり、ロシアなどから来た生徒たち。タンゴを指導する先生もイタリア生まれで、お父さんがアルゼンチン人、お母さんがフランス人なんだそうです。この旧市街にはいろいろな国の人がまざり合って暮らしているそうで、「大都会でありながら村のような雰囲気」と笑顔で教えてくれました。ニースの旧市街には、昔から住む人たちだけでなく、世界中から来た人もしっかり根を下ろして暮らしているようです。ニースは観光客から人気があるだけでなく、新しい生活を求めてやってきた移住者からも愛されていることを教えてもらいました。

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